京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/04/27
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【最高教育目標】自立する生徒、自律する学校   【学校教育目標】まわりと繋がり、「学ぶ力」を身に付ける

令和5年度 卒業式 式辞

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「君たちはどう生きるのか?」     
 〜学ぶ意味を考える〜


日、一日と温かさが増し、校庭の木々の芽も膨らみ、
「春の訪れ」が感じられる希望に満ちた季節となりました。
この良き日に、多数のご来賓の皆様、並びに保護者の皆様のご臨席を賜りここに第74回の「卒業式」を挙行できますことを、心より感謝申し上げます。

さて,卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。今、皆さん一人ひとりに卒業証書を手渡しましたが、皆さんのキリッとひきしまった表情の中に、中学校3年間の生活を立派にやり遂げたという満足感と、「新しい世界へ出発するのだ」という力強い決意を感じました。

皆さんとは1年間の付き合いでしたが、私には多くの思い出が残っています。中でも一番は、一緒に修学旅行に行ったことです。
2日目のレクレーションで小さい頃の写真から誰かを当てるゲームがありました。
あんなに全員が一致団結し,必死の形相でゲームに没頭する姿を見たのは私自身,久しぶりの事でした。皆さんには団結力があり、信頼関係もあるのだなあと感心しました。そして文化祭,合唱コンクール、体育祭、今年はコロナ禍前と同じ形で行うこともでき、そこでも最高学年としての力を下級生にも見せてくれたと思います。私は体育祭で一生懸命に走っている姿も素敵でしたが,それを全力で応援している姿に感動をもらいました。

 そして,もう一つお伝えしたいことがあります。
今年の夏休み前後の終業式、始業式で話をした「勉強は何のためにするのか」という問いです。その時何人かの生徒からは「将来のためだ」と答えをもらいました。
確かに、皆さんにとって勉強は「将来のため」なのかもしれません。では一体、勉強は「将来の何のため」なのでしょうか? おそらく今の皆さんにとっては学校での定期テスト、高校受験、その後の大学や就職の試験などの目の前に現れるハードルを越えていく為のイメージが強いかもしれません。それも大切なことだと思います。
それだけでしょうか?もう少しこのことは深堀していくことが必要かもしれませんね。これからも考え続けてほしいと思います。
関連した話ですが、京都市の公立中学校で1つだけ夜間中学校があります。その名は「洛友中学校」と言います。皆さんと同じ年齢の時に様々な理由で学校へ行けなかったり、学習が不十分だったりなどで改めて入学し、勉強をしておられる方々の学校があります。成人してから一念発起し、入学される方が多いと聞きます。
そこの中学生では現在、最高年齢の方はいくつだと思いますか?
85歳だそうです。心の底から「勉強したい」という気持ちに掻き立てられ頑張っておられるそうです。
皆さんが「勉強は将来のため」と考えているようですが、ではこの方にとっての勉強はいったい何のためなのでしょうか?もしかすると将来のためではないように思えます。そしてこの方たちが口をそろえて言われることが「勉強は楽しい、ほんとにおもしろい」とおっしゃられています。新しいことを知れた喜びや物事がわかったときは幸せに思うともおっしゃっています。
本当の意味の「勉強」は楽しいということです。
皆さんはこれからどんどん勉強の幅や方向が無限に広がっていくでしょう。
今まで出会わなかった内容にも触れていくと思います。それはきっと机の上の勉強だけでは収まらないことでしょう。
いつの日かきっと「これだ!」という自分にピッタリなものがやってきます。いつやってくるかはわかりません。明日かもしれません。もっともっと先かもしれません。
その時に迷わずぐっとそのチャンスをつかんで自分の物にして、進んでいってほしいと思います。
以前の5000円札の肖像画で知られている教育学者であった新渡戸稲造さんという方がいます。 その方の名言です。
「学べども なお学べども 学べども 学び足りぬは 学びなりけり」
どんなにたくさん学んでも学び足りないのが学びなんですよと言ってくれています。
これからの皆さんの「学び」に期待し、どんな人生を歩んでいくのかを楽しみにしていきたいと思います。
さて、改めまして、卒業生の保護者の皆様。お子様のご卒業を心より、お祝い申し上げます。思春期の子どもたちの生活は、心配なところも多くあったろうと拝察致します。また、言われぬご苦労もあったことでしょう。
3年前にお預かりしました時から本日まで、桃陵中学校教職員一同、真摯に教育活動に取り組んで参りました。もちろんご期待に十分添えられず、至らぬ点も多かったと自覚もしております。
しかし、この間、終始温かいご理解とご協力を賜りましたことに、深く感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。 
最後になりましたが、本校の教育活動推進にお力添えを賜りましたご来賓の皆様、地域の皆様にも心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。
では卒業生の皆さん、これからの人生、「つらい時」「悲しい時」「たのしい時」「調子が悪い時」「絶好調の時」どんな時も笑顔で前を向き進んでいってください。
卒業生85名の前途に幸多かれとお祈りし、式辞といたします。



令和6年3月15日    桃陵中学校校長 新谷幸三


 
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