京都市立学校・幼稚園
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ハートフルマーク
北にそびえる 鏡山   西に連なる東山 松のみどりに 包まれて 白くあかるく 照りはえる 希望あらたな 学び舎は 我らの 花山中学校

『東山を西に見て』〜Make legend〜

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「合格発表の日に」
 毎年3月になると、有名大学の合格発表のシーンがTVに映し出されます。ガッツポーズをしたり友達や家族と抱き合ったり、中には胴上げされたりしている場面が写されますが、私はそれを見るたび複雑な気分になります。確かに、それだけ頑張って取り組んできたのだから思いっきり喜べばよいと思います。その光景は微笑ましくもあります。しかし我々教師は、どうしても不合格だった人たちのことも考えてしまうのです。きっと胴上げの陰には、そっと隠れるようにしてその場から離れる人がいるはずです。抱き合っている人たちを横目で見ながら涙を拭いている人もいるに違いないのです。
 今日は、公立高校の適性検査・推薦入学検査・特色選抜検査の結果発表がありました。本校では、放課後に、担任から一人ずつに結果を伝えることにしています。自分のクラスの受検者が全員合格していれば心から喜べるのですが、なかなかそういうことはなく、複雑な気分にならざるをえません。「4時ごろから受検した高等学校で一斉に合格発表をしてくれればよいのに」毎年のように思いますが、それはきっと私だけではないでしょう。
 自分の高校入試を思い出してみました。
 当時は「高校三原則」というものがありました。小学区制、男女共学制、総合制だったと思います。男女共学制については解説無用でしょう。小学区制とは、通学区域をできるだけ小さくし、進学希望者は一番近くの高校に通いましょうというものです。また総合制とは、同じ学校の中に普通科と職業科とがあり、HRはもちろん、教育課程の中で一緒に受講できる科目は、両方の科の生徒が同じ授業を受けることのできる制度です。
 民主的で、高校間に格差が生まれにくい制度であったように思います。この制度にも色々な課題があったのですが、当時は今よりずっと公立高校の人気が高かったように記憶しています。私の場合は、公立高校だけを受検しました。初めての入試で、テストも合格発表もとても緊張したことを覚えています。試験日の夜、TVでテスト問題の解説と正解答を伝える番組があったのですが、それを見ていてとても不安になり、担任の先生宅に電話をしたことを思い出します。合格発表は、今と同じく卒業式の翌日でした。10時に発表でしたが、1時間ほど遅れて一人で見に行きました。
 今から29年前の教師になった年、それまでの制度の課題を克服すべく、京都の公立高校の入試制度が大改革されました。普通科の中に、これまで通りの普通科1類の他、進学を目的とする2類と、特別な活動に重きをおく3類ができたことです。またこの頃、次々と特色ある新しい学校ができ、新しく制服を導入したり校則を厳しく改める学校が出てきました。2類を志願したが1類合格になったと、泣きながら報告に来る生徒がたくさんいたりもしました。
 来年度、入試制度はまた一新されますが、制度がいかように変化しようとも、合格発表の日には常にドラマが生まれます。校長室の外を通って帰っていく生徒の姿にも様々な表情がありました。結果はどうあれ、とにかくそれを真摯に受け止め、しっかりと今後の生き方に活かしていってほしいものです。今年度入試は、まだまだこの後も続きます。

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