京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/04/26
本日:count up15
昨日:134
総数:1291715
文字: 大きく | 小さく | 標準 配色: 通常 | 白地 | 黒地
ハートフルマーク
北にそびえる 鏡山   西に連なる東山 松のみどりに 包まれて 白くあかるく 照りはえる 希望あらたな 学び舎は 我らの 花山中学校

『東山を西に見て』〜Make legend〜

画像1
 「根雪(ねゆき)」
 今日から2月です。大学の3・4回生の頃、2月といえば月の半分くらいをスキー場で過ごしました。4回生の2月。採用前研修の予定が特別に早まって、体調不良で休まれる先生の講師として担任をすることになりました。スキー場から帰った日の朝に学校へ赴き、全校集会で就任の挨拶をしたのですが、日焼けのために綺麗な逆さパンダになっていました。教師になってからも2学期(当時)の終業式を待ちかねてその日の夜から信州に出かけたものです。
 京都生まれの京都育ちである私は、大学生になってはじめて「根雪」という言葉を知っりました。今から思えば、その頃から地球温暖化が始まっていたのかもしれませんが、雪不足でオープンできないスキー場が出るということが起こりはじめていました。少し積もっても晴天が2〜3日続くとすぐにゲレンデの雪がなくなりました。「早く根雪にならないと…」スキー場のおっちゃんの一言で「根雪」の意味を理解したものです。「根雪」とは、積もったまま春まで解けない雪のことです。降り積もる雪の根となります。
 さて今回の、皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけしている事案が新聞やTVで報道された翌日のことです。休憩時間に3年生の男子生徒と次のような会話をしました。
「校長先生、僕、昨日いろんなこと考えて寝られませんでした。」「ごめんな。こんなことになるなんて、思いもしてなかったんやけど…。」「この一年、せっかく京都で一番の学校を目指してやってきたのに。これでつぶれてしまうのかと思ったら残念で…。」「君、“根雪”って知ってるか。」「…?…」「降り積もった雪の下にある、簡単には解けない雪のことなんや。それがあると、ずっと短い時間でそれまでと同じ高さにまで雪が積もるんや。今の花山には、その“根雪”があると思うんやけど…。」「そうですね。授業に行ってきます!」
 用意していた訳でもないのに、咄嗟に上手く表現できたものだと思います。
 今回のことで、今も新しいことを学ばせてもらっています。生徒を大切にするということ、教職員を大切にするということは、具体的にどうすることでしょうか。様々な具体的な場面を想像しては考えています。教育委員会の方の考え方にも色々あります。自分の考えに近いものばかりではありません。しかし、よく聴きよく考えてみると、遠い方の意見の中に新しい発見があったりもします。
 緊急全校集会では、不安を抱えながらも、透きとおった瞳を真直ぐに私に向けて話を聴いてくれる生徒の姿に感動さえしました。また、緊急保護者会では様々なご意見を頂戴しました。相反するご意見もありました。しかし、生徒を真ん中に置き、保護者と教職員が手を組んで今のこの局面を乗り越えていこうとまとめて頂いたように思います。
 厳しい状況にはありますが、“根雪”があることを確認できたように思います。そして、この“根雪”こそが、育ちつつあるカサンズプライドではないのかと考えているところです。

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
京都市立花山中学校
〒607-8475
京都市山科区北花山横田町27-1
TEL:075-581-5128
FAX:075-581-5129
E-mail: kasan-c@edu.city.kyoto.jp