最新更新日:2024/05/13 | |
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第3期 始業のことば
明けましておめでとうございます。
平成29年がスタートしました。そして,今日,第3期の始業です。第3期の目標は何でしょうか?「なりたい自分の姿をイメージして」,心機一転,充実した3期を過ごしてください。その時には,目標にどれだけ近づいたかを,自分でしっかりと見定めることの出来る物差しが必要です。それが,「メタ認知」と言われる力です。自分を甘すぎず辛すぎず,冷静に見つめることの出来る力も身に付けていってください。 さて,今年は酉年です。鳥にちなんだ絵本を紹介します。「ハチドリのひとしずく」という小さくて薄い絵本です。わずか17行のお話ですが,私たちに大切なメッセージを伝えてくれています。この物語は,南アメリカの先住民に伝わるお話しです。 『森が燃えていました。森の生きものたちは われ先にと 逃げていきました。でも クリキンディという名の ハチドリだけは いったりきたり くちばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは 火の上に落としていきます。動物たちがそれを見て「そんなことをして いったい何になるんだ」といって笑います。クリキンディは こう答えました。「私は,私にできることをしているだけ」』 実はこの絵本には副題があります。「いま,私にできること」とあります。燃えていた森を地球と考えてください。そうすると「地球温暖化」の問題になります。問題が大きすぎて,自分の非力さゆえに逃げ出してしまいたくなるかもしれませんが,「今,私にできること」を探すことが大切であるとクリキンディは私たちに教えてくれます。小さな鳥の大きな勇気に感銘を受けました。これは,12月に皆さんが人権学習で学んだ「人権問題」の解決に向けても確かな光を指し示してくれています。ここで,2年生の人権学習後(在日コリアンに対する差別)に書いた1人の女子生徒の作文を紹介します。 『私は今まで差別を深く考えたことがありませんでした。自分には関係のないところで関係のない人達が行っていると思っていたからです。でも今回の人権学習で,自分もされているかもしれないし,しているかもしれないということを学びました。 ヘイトスピーチを,前にニュースで見た時に,「こんなひどい人達がいるのか…」と思ったことがあったけれど,自分も声に出さないだけで,在日コリアンの人達など,自分たちとは違うところがある人達だと偏った見方をしていた時もありました。 また,イメージや一部の人たちの言動だけでよく知らないことでも「きっとこんな感じなのだろうな…」と決めつけてしまっていることもありました。これらはすべて差別につながっていくと思います。 よく知ったうえで,物事を考えたり発言したりしていかなくてはいけないと思いました。』 「知らない」ということが偏った見方(偏見)や差別を生み出します。彼女は,『今,私にできることは「知る」ということ』と最後に記しています。小さいかもしれないけれど,確かな一歩を今踏み出しました。 さて,人権問題を考えていくときに,次のように言われることがあります。 「一人の100歩も大切だが,100人の一歩が大きな力になる」 わずか小さな一歩かもしれませんが,『今,私たちにできること』を考え実行に移していくことが,人権問題の解決には大きな力になります。「ハチドリのひとしずく」から学んだことです。 さて,1年生は,3ヶ月後には後輩が入学してきます。2年生は,3ヶ月後には最上級生になります。そして3年生は,3ヶ月後には旅立ちの日を迎えます。義務教育最後の3ヶ月です。志を高く持って充実した日々を過ごしてください。 最後に,アメリカの哲学者・心理学者である「ウィリアム・ジェームス」氏の言葉を紹介します。 「意識」が変われば「行動」が変わる 「行動」が変われば「習慣」が変わる 「習慣」が変われば「結果」が変わる 「結果」が変われば「未来」が変わる 即ち,すべての変容は「意識」変容からということです。皆さんの更なる成長を心より祈念しております。 平成29年1月5日 京都市立洛北中学校 校長 浜矢 全 |
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