京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/05/17
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昼間部と夜間部の良さを生かし、世代や国籍を超えてふれあい学び合う学校

「若い世代に伝えたいこと」 〜2/27交流の時間〜

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 昨年11月,昼間部の3年生が夜間部の生徒さんの学ぶ姿から感じたことを,中学校弁論大会で「勉強〜意味を考えて〜」と題して発表し,夜間部の生徒さんにも直接発表して伝えました。
 それを受けて,夜間部の生徒さんも昼間部の子どもたちに伝えたいことを,2/18の道徳の時間に「若い世代に伝えたいこと」として,これまでの人生をふり返りながら意見を出し合いました。そして2/27の交流の時間,3人の代表の人たちに発表してもらいました。夜間部の生徒から昼間部の子どもたちへ,心からのメッセージです。
(来年度の昼間部転入学希望の生徒やその保護者の方々にも一緒に聴いていただきました)

戦争は、いちばんダメです
洛友中学校に巡り合えて
5組(昼間部)のみなさんへ

「戦争は、いちばんダメです」

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 私たちは、こどものころ中国で暮らしていました。戦争が終わったばかりの中国に残され、辛い思いをしました。中国人の養父母に育てられた人が多く、「日本人の子ども」というだけで、十分な教育を受けさせてもらえませんでした。どんなに勉強がしたくても、やりたいことがあってもできませんでした。 
 戦争をすると、貧乏になります。人が餓死します。昼間は、中国人に見つかるから隠れていて、夜になってから食べ物を探しました。2,3日食べられない日もあったと、残留婦人の母から聞いたことがあります。もっとひどいこともありました。日本の軍隊の人に、「中国人に殺されるなら自決しろ」と言われ、母親に首を絞められた子どもたちがたくさんいました。結局、弱い立場にある人が悲しい思いをして苦労するのが戦争です。だから戦争は、いちばんダメです。
 大人になってから、日本に帰ってきました。でも、日本語や生活習慣がわかりません。買い物も、役所での手続きも、病院に行くことも一人でできませんでした。自分の気持ちをうまく言えなくて、友達もつくれないのはとても寂しいです。「こんにちは」しか言えない自分が悔しいです。洛友中学校に入学したとき、電子辞書を買いました。でも、使い方すらわかりませんでした。
 日本語が分からないということは、本当につらいことです。やさしい日本人もいますが、日本語があまりできないので「中国人」だという目で見られ、差別されることもあります。中国にいるときは、「日本人」だからと差別され、日本に来たら「中国人」だからと差別されて、とても嫌な思いをすることがあります。
 だから、私たちは勉強します。言葉が通じないと大変です。毎日の生活が楽しくできるよう頑張ります。年をとっても高校へも行きます。子どものころしたくてもできなかった勉強がんばります。今、日本はいつでも勉強できるよい時代です。このよい時代が、ずっと続くように、覚えておきましょう。「戦争」は、いちばんダメです。

「洛友中学校に巡り合えて」

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 私たちの子どものころは、差別と戦争があったとても厳しい時代でした。思い出すのがつらくて、話したくないという人がいるほど、厳しい時代でした。
 親と死別して小さい時から働いていて、学校に通うどころではなかった人や、生活が苦しかったので、学校にも行かせてもらえず弟妹の面倒をみていた人、家に傘がないので、雨が降ると学校に行いけなかった人、学校に行かせてもらえないだけでなく、必要な衣服も用意してもらえなかった人、朝鮮戦争の影響を受けて、落ち着いて勉強できなかった人などがいました。
 それぞれ境遇は違いますが、学校に行きたい、勉強したいという思いを持ちながら、できなかった悔しさは同じです。ほんとうに悔しいと思っています。大人になってから、図書館に通い、一人で勉強したりもしました。でも、朝鮮語も日本語も中途半端で終わっていました。
 だからこそ、洛友中学校に巡り合えて幸せでした。子どものころ、あんなに行きたくても行けなかった学校に通う喜び,字を覚える楽しさ,友達ができた嬉しさ…。心がどんどん元気になっていきます。家族も応援してくれます。子どもが一緒に勉強して教えてくれることもあります。先生も、明るく迎えてくれます。覚えるのはゆっくりですが、皆さんと一緒に頑張ろうと思います。これからも、よろしくお願いします。

「5組(昼間部)のみなさんへ」

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 5組のみなさん、こんにちは。私たちはいつも、昼間部の若い人から元気をもらっています。みんな、どんどん成長しているのがよくわかります。何度か声をかけるうちに、振り向いてくれるようになり嬉しいです。いろいろ悩みや苦しみはあると思いますが、人生は明るく過ごしてほしいです。私たちは字も知らなかったけど、聞いたらなんとかなったし、ここまでどうにかやってこられました。
 知り合いの子に、高校3年を2回やった子がいました。2回も3年生したら、友だちが2倍に増えてよかったと言っていました。友達は多いほうがいいですから。こんなふうに、プラス思考でいくのが一番です。勉強も大事ですけど、遊ぶことも大事です。それから、人間関係や日本の文化についても勉強して、社会に出たときに困らないようにしたほうがいいと思います。
 でも、焦らずいきましょう。人間は一生学習するものです。結局、生きていく上で経験する「楽しいこと」「おもしろいこと」「苦しいこと」「つらいこと」すべてが勉強だと思います。
 それから、最後になりますが、Kさんのスピーチを聞いて本当に嬉しく思いました。この年になって学校に通っている私たちを5組のみなさんがどう思っているのかよくわかってよかったです。ありがとう。さあ、また明日から、一緒に勉強しましょう。
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