最新更新日:2024/04/25 | |
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「戦争は、いちばんダメです」
私たちは、こどものころ中国で暮らしていました。戦争が終わったばかりの中国に残され、辛い思いをしました。中国人の養父母に育てられた人が多く、「日本人の子ども」というだけで、十分な教育を受けさせてもらえませんでした。どんなに勉強がしたくても、やりたいことがあってもできませんでした。
戦争をすると、貧乏になります。人が餓死します。昼間は、中国人に見つかるから隠れていて、夜になってから食べ物を探しました。2,3日食べられない日もあったと、残留婦人の母から聞いたことがあります。もっとひどいこともありました。日本の軍隊の人に、「中国人に殺されるなら自決しろ」と言われ、母親に首を絞められた子どもたちがたくさんいました。結局、弱い立場にある人が悲しい思いをして苦労するのが戦争です。だから戦争は、いちばんダメです。 大人になってから、日本に帰ってきました。でも、日本語や生活習慣がわかりません。買い物も、役所での手続きも、病院に行くことも一人でできませんでした。自分の気持ちをうまく言えなくて、友達もつくれないのはとても寂しいです。「こんにちは」しか言えない自分が悔しいです。洛友中学校に入学したとき、電子辞書を買いました。でも、使い方すらわかりませんでした。 日本語が分からないということは、本当につらいことです。やさしい日本人もいますが、日本語があまりできないので「中国人」だという目で見られ、差別されることもあります。中国にいるときは、「日本人」だからと差別され、日本に来たら「中国人」だからと差別されて、とても嫌な思いをすることがあります。 だから、私たちは勉強します。言葉が通じないと大変です。毎日の生活が楽しくできるよう頑張ります。年をとっても高校へも行きます。子どものころしたくてもできなかった勉強がんばります。今、日本はいつでも勉強できるよい時代です。このよい時代が、ずっと続くように、覚えておきましょう。「戦争」は、いちばんダメです。 |
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