京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/04/30
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大きく広げた手のひらより(2月学校だより)

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大きく広げた手のひらより…
 
 この頃、担任の先生のことが、とてもうらやましく感じることがあります。定年まで一年ちょっと、宮山子ども達の本当に元気でまっすぐな姿を毎日みていると、もっともっと身近な存在として接していきたい、一人一人の世界にもっと入り込んでいきたいと感じることが増えてきました。
 教師という仕事を始めて30年近くになりますが、正直を言って担任の時はきつかったです。一生懸命に授業の準備をしても、満足な結果はなかなかついてこないし、なにしろ子ども達は自分の思うようにはなかなか育ってくれない。おうちの方にも何かと言われるし、授業が終わったら書類作成の山、部活動や家庭訪問もあります。やり残した仕事を持ち帰っても、くたくたで結局寝てしまって、子ども達のことでハッと目が覚めて、あせって朝から…ということもしばしばでした。
 でも、教室に入り、子ども達と「おはよう!」と言いながら話をしだすと、どんなに疲れていたり、いやなことがあったりしたときでもいっぺんに重い気分は吹っ飛びます。元気をもらう、と言っていいのか、しんどいことを考えているヒマもないと言ったらいいのか、不思議な感覚です。そんな子どもらと教室でしばらく一緒にすごし、言葉にしなくても目で思いが少しずつ伝わるようになるまでになると、一人一人がかけがえのない、いとおしい存在のように感じられるようになってきます。関わってきた子ども達の今の姿を心に描きながら考えると、あの時、こんなことをしておけばよかったということはいっぱいです。
 当時、よく子ども達に話をしていた言葉があります。自分自身に言い聞かせていたのかもしれません。こんな言葉です。
 「大きく広げた手のひらより、ギュッとつないだ手の中に幸せは入ってくる。」
人間はいろんな人とのかかわりの中で、不安な気持ちをかかえながらすごしています。そんな人ほど大きく手を広げていろんなものをつかみたがるでしょう。でも、ほんとうは身近にいる人とギュッと手をつなぎ、分かりあえる、そして手のぬくもりをお互いに感じ合える、そんな人がいることが、実は幸せなことなんだと。そんなつながりを少しずつ増やしていく、それがいろんな個性や背景をもつ子ども達が学校やクラスの集団の中で充足感を味わえる大切な一面です。教師が子どもとギュッとつながりあったことを感じる時や、子ども達一人一人の「幸せ」なつながりが広がっていくことを感じられる時は、私たち教師にとってとても「幸せ」な瞬間です。
 今は担任ではないのですが、生の子ども達一人一人と手をつなげる関係を少しでも持ちたいし、そこから子どもらの喜びや悲しみをじかに感じられる感性を持ち続けたいと思っています。そして、学校の教職員や家庭の中でもそんなつながりが広がり、そこからすべての子の「幸せ」が広がっていけるよう心から望むこの頃です。

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