京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/04/24
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「発見」「協力」「チャレンジ」

ぬるくなった缶コーヒー

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 梅の匂いがただよう中、うぐいすの声が聞かれ、宮山にも春の息吹が感じられる季節となってきました。子ども達も、卒業や進学に向けて、今までたくわえてきた新芽をいっぱいふくらましている事でしょう。
 さて、いつも「言葉は人をつくる」と子ども達には伝えているのですが、先日、ある学校の先生との話の中で、とても素敵な言葉にまつわる話があったので紹介します。

 この冬のこと。毎日、仕事に向かう道に道路工事のガードマンさんが、子ども達や人々の安全のために立っておられました。頭も薄くなって歯も抜け、背も曲がったお年寄りのガードマンさんでした。その先生は、毎日そこを通るたびに「いつも、ありがとうございます」と話しかけていたそうです。時には、「寒いのに毎日たいへんですね…」とか、「椿の花がきれいにさいていますね…」とか、その日その日でいろんな一言をそえます。そのガードマンさんも、「今日は、ええ天気やな…」とか、「今日も一日がんばって、いってらっしゃい…」と一言を笑顔で返してくれることが日々ふえてきました。
 2週間ほどたったある寒い朝、いつもの道を通って学校に向かうときに、いつもの通りガードマンさんが立っておられました。「おはようございます!」と言うと、ガードマンさんはポケットに手を突っ込みながら、「いつも、ありがとな…」と、いつものようにぼそっと話され、そのポケットから缶コーヒーを差し出してくださったというのです。そして、
「ここの工事も今日で終わりや、いつも声をかけてもらってうれしかった、ありがとな…。」
 黒光りしたしわしわの手から受け取った缶コーヒーには、少しだけ温かさが残っていて、寒い中、仕事をしながら一つの言葉を届けるために待っていた人の思いがこもっているようで、熱いものがこみ上げてきました、とのことでした。

 人にはその数だけ歩んできた道があります。お互いにすれ違うことのほうが多い中、こんな出会いとつながりが、それぞれの人生の一コマ一コマを創っているように感じる話でした。
 あたたかい、ちょっとした「ことば」があるだけで、人と人は響きあいながら、つながることができます。子ども達には、こんな「ことば」を通した、素敵なストーリーをいっぱい経験しながら育っていってほしいですね。
『言葉は人をつくる。あたたかい言葉は…あたたかい人を、あたたかいつながりを、
 そして、あたたかい生き方を…』

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