京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/04/24
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学校便りから(10月号)

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『名まえに込められたもの』
 先日、久しぶりにニュースや新聞で話題になっていた「スーパームーン」(大きく見える満月)を、秋の深まりと共に眺める機会がありました。力強い光が、木々や山々を明るく照らし、またその周りの雲雲の陰影あざやかに、顔や動物を描くことが、忘れていた子どもの頃の想像力をかきたててくれました。その前の日(27日)も「中秋の名月」と呼ばれ、ちょうど秋の真ん中の明るい鮮やかな月です。お団子を食べながら、夜長に思いを巡らし、季節を感じながらしんみりと過ごせる豊かな時間です。
 星座にいろんな神話があるように、月にちなむ日本での呼び方も、昔の人々のいろんな思いがこもっていて面白いものです。例えば、満月の次の日の月は「十六夜(いざよい)」と呼ばれ、明るい満月の次の日は出てくるのをいざよっている(ためらっている)とか、新月(月のない日)は月の暦で新しく月が生まれるとされ、電灯のない真っ暗の夜を過ごす人々が、月の誕生を心待ちにしていたこと、また、その前の夜、月の終わりに出る月を三十日月(みそかづき・晦日とも書く)と呼んで、しめくくりとして次の月に思いをはせて眺めた(ちなみに一年の終わりは大晦日)ことなど、自然の姿にいろんな思いや願いを込めて名付けられたのです。そんなことを知り、考えながら月を眺めるのも、おつ(乙…元々、日本の音楽用語で甲に対してしんみりとした渋みのある調子をいった)なものですね。
 ものの名前にちなんで、学校のビオトープに一昨年に一本だけ植えた「サクラタデ」が数十本に増えて、今、満開です。かわいい桜のような花弁が一つの茎に並び、とても趣(おもむき)がある美人姿です。ぜひ機会があればビオトープをのぞいてみてください。タデについては以前、おたよりでお伝えしましたが(イヌタデ、アキノウナギツカミ、ママコノシリヌグイ、アイタデなど)、身近にある植物にも、いろんな名前が付けられていて、そこに込められた人々の知恵やユーモアを考えながら眺めると、散歩で道を歩くときも楽しくなってきますね。
 今、学校では「〜さん。〜くん」をつけてていねいに友達をよびましょう、という取組を進めています。呼び捨てや、きつい調子のあだなは、できる限り使わないようにしています。親しみをこめて人を呼ぶことを禁止するものではありませんが、人を大切に思い、扱うためには、相手の受け取り方を考えた呼び方に対するマナーや想像力が必要です。それが育っていない中で、乱雑に人の名を呼び捨てることは、子ども同士の人間関係にも大きな影を落とします。感情や流れに任せて人の名を呼ぶのではなく、〜さん付けで呼ぶことで、相手を尊重しつつ、ていねいに考えを整理しながら思いを伝える作業が脳の中で行われるのです。また、次に続く言葉も当然のことながら、きついものから、やわらかいものへと変わります。
宮山の子ども達にも、一人一人に名前があります。その名まえには、一人一人が生まれてきたことを大切に思う人たちの熱い願いが込められています。学校では、一人一人の存在(そこにいること)を大切にし、名まえに対しても、相手や名まえにつながるいろんな人の願いを感じ、豊かに想像できるような心を「ことば」の面から育てていきたいと思っています。
「ことば」は、人をつくります。





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