京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/04/30
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宮山にあふれるもの…

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「宮山にあふれるもの…」
 
 先日、学校の周りの道を歩いていると、とても懐かしい花に出会いました。
 「われもこう(吾亦紅)」という花です。すっと伸びた茎の先に、楕円形の紅赤紫のかわいい花です。
 私が小さかった頃は娯楽もあまりなく、家族で山や川・草原など出かけるのが何よりの楽しみで、太陽の光のもと、みんなでお弁当を広げ、遊びました。
 それは、ちょうど初秋のこの時期だと思います。青くて高い空には赤とんぼが飛び回り、その下に「われもこう」の赤が、少し涼しくなり始めた風にゆらゆらと揺れています。その花の上に赤とんぼが次から次へととまります。同じように風に揺らされるそのトンボを、指をクルクル回しながら延々とつかまえていた、そんな情景が、宮山でこの花と再会したことで、記憶の底からあふれるようによみがえってきました。花など見向きもせずに遊びまわっていた私が、今、道ばたに咲く小さな花や草に心が向いてしまうのには、こんな体験が無意識になかに残っているからかもしれません。

 花だけではなく、この宮山にはあふれんばかりの自然があります。夏には横の小川(溝?)から、宝石のようにほのかに光るホタル見られますし(溝が危ないから子どもだけで行かないでね!)、夜遅く疲れて帰るころには、タヌキが現れ「早く帰りや…」と言ってくれます。学校のプールには毎年のようにカモ?のペアが羽を休めにやってきますし、少し足を延ばせば山科川にはカワセミや鮎も見つけられます。カブトムシがいっぱいとれる森もありますがナイショです。秋の季節にはいろんな花や草があふれ、大岩山を背景にした運動場の木々の紅葉はとりわけ素晴らしいものです。自慢の「サクラタデ」の群生も芝生広場のビオトープにありますし、キンモクセイの匂いも漂い始めるこの季節、みんなに伝えたくなる美しさが山盛りあります。
 自然だけではなく、この校区は歴史的にもたいへん恵まれており、明智光秀が大山崎の合戦からの敗走中に討たれた「明智籔」は有名ですが、あまり知られていないすごい歴史の足跡が旧街道沿いにたくさんあります。平安京以前から奈良と滋賀を結ぶ交通の要地として栄えた小栗栖(小さな丘陵地の意味)では、例えば、学校の隣の小栗栖八幡宮(石清水八幡宮につながる)や京都三体地蔵と言われる木製の子安地蔵さんや、また北には70もの塔頭(大寺の周りにある守護寺・末寺)を従えた「法輪寺」(奈良の法隆寺にもつながる)の跡、また、宮山の隣に「小栗栖城」といわれるお城までかつては存在するなど、どんどん開発が進む中で、歴史が埋もれていっているのが現状ですが、数々の歴史・文化遺産がまだまだいっぱいあります。

 深まりゆく秋のひと時、子どもらと共にぜひ身近にある自然や歴史に触れる「旅・冒険」に出られたらいかがでしょうか。小さな、でも大きな思い出になる出会いがいっぱいあると思います。
 「われもこう」との原風景には、横で微笑みながら気長につき合ってくれていた親のまなざしや影がいつもあった記憶が、おぼろげながら、でも、温かく残っています。

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学校行事
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