最新更新日:2024/04/30 | |
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LD等通級指導教室より
今年度も最後のまとめの時期となりました。子どもたちは次のステップに向けて充実した時間を過ごしているようです。
毎日の学校生活の中で文字を『読む』『書く』という作業はとても多く、学習には欠かせないものです。漢字や作文の他にも「黒板の字を書き写す」「今日の宿題を書き留める」「理科の実験結果を自分の言葉で書き表す」などのように、数えあげればきりがないほど、『書く』場面が多くあります。私達はあたり前のように「書くこと」を経験して生活していますが、この「書くこと」に困りを感じている児童生徒は案外多いのです。「言葉は思い浮かぶのに文字にするのが苦手」「黒板の文字を写すときになかなか写せない」「漢字を読めるけれど書くのは苦手」「字が枠に入らない」「筆圧が弱い」など困り感も様々です。 数年前にこんな児童に出会いました・・・。とてもにこやかで人当たりがよく話のやりとりもスムーズですが、どこか自信がなさそうな児童でした。聞いてみると「私は黒板の字を写すのにあまりにも時間がかかるので写し終わらないうちにみんなは次の問題にいってしまう。後で自分のノートを見ても乱れた字なので何が書いてあるのか読めないので、見返すこともできないままその時間が終わってしまうの。」そして、その原因を「漢字が覚えられないから。」と困りを話してくれました。黒板写しの観察をすると、一文字ずつあるいは、漢字を一画ずつ見て書いていること、手元を見ないで書いていることがわかりました。学習の理解力は学年相当にあり、算数の計算も得意ですが文章問題を写すことができないので点数につながらないということでした。そこで、 1.文章を写す時は言葉をひとまとまりにして覚えて書くように意識する。 2.全部写すのではなく問題カードなどを担任の先生に用意してもらう。 3.通級指導で目の動きのトレーニング(見るところを動かして、素早くとらえる)と、漢字をパーツに分けて枠に入るように書く練習を1回に3文字だけする。 を継続して取り組んでみました。すると、だんだん書くことのつらさが減ってきて気もちが安定してきたのでしょう。自信を取り戻し宿題にかかる時間が短くなったそうです。 読み書きに関わらず、教室で困っている児童に話を聞くと「ずっとこうやってきたからこれが当たり前やと思っていた。もっといい方法があるの?」と話してくれます。早いうちに児童の困りを見つけて対応することの大切さを感じています。 |
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