京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2014/10/08
本日:count up2
昨日:2
総数:56621
文字: 大きく | 小さく | 標準 配色: 通常 | 白地 | 黒地
ハートフルマーク
平成26年3月31日をもって月輪小学校は閉校致しました。92年間,本当に有難うございました。

伸びる子はみんな素直

伸びる子は みんな素直

 2月4日は立春。暦の上では春ですが、まだまだ寒い日が続きます。秋に落ち葉はきをした東門の木々も、まだ葉を落としたままで、北風に枝をふるわせています。でも小さな葉っぱの芽が、伸びる準備を始めています。初夏には、枝いっぱいに葉を繁らせます。さわやかな緑の風を、また送りとどけてくれることでしょう。
 北島康介を始め、一流の水泳選手を育てている平井伯昌コーチの言葉です。
「伸びる子の一つの才能は『素直さ』です。中学生の頃の北島康介のいいところは、人の話を素直に聞けることでした。全力を尽くさなければ勝てないのは、スポーツでも勉強でも同じこと。それを支えるのは根性でも忍耐でもなく、『素直さ』です。記録が悪いとき、食事のせいにしたり、コーチのアドバイスのせいにしたりする選手もいますが、それでは伸びません。言い訳をしない子は間違いなく努力家です。ぼくは選手に言い訳をさせませんが、こちらがミスをしたときは、潔く『悪かった』と謝っています。これは親でも同じこと。間違ったなと思ったら、『お母さんが悪かった』と謝ることで、子どもは親の価値観を理解するはずです。そうした信頼関係をベースにして、子どもは伸びていくのです。」
 素直で、前向きで、損得抜きで全力投球できる。そんな子どもに。それは、毎日の暮らしの中で、子どもの周りにいる大人の接し方、ものの考え方や生き方が決めるのだと思います。
 さあ、あと1か月余りで、今年度も終わります。素直に至らなかったことを振り返り、前向きに進んでいきたいと思います。

強い気持ちで 1年間

あけましておめでとうございます。昨年、わたしたちはかつてない大きな災害を経験しました。平穏な日々の営みが1日でも早くもどることを祈っています。
 そして、人の「絆」の大切さを再認識した1年でした。人と人が出会い、互いを尊び、相手を思い量ることで少しずつ太くなっていく、人と人とが織りなす糸です。
 新しいこの1年、この糸が多くの人と絡まりあい、太く、強くなっていくことを願っています。

 福島県福島市に、月輪小学校があることは以前もご紹介しました。その近くの福島県会津若松市は、昔「会津藩」と呼ばれていました。ここには、会津武士としての精神を表した教えが残されています。
 それは、「やってはならぬ。やらねばならぬ。ならぬことはならぬもの。」という教えです。
 そして、これが現代の子どもたちに受け継がれ、かつてより「会津っ子宣言」として広められています。
 内容は「1人をいたわる。2ありがとう。ごめんなさい。を言う。3がまんをする。4ひきょうなふるまいをしない。5郷土を誇り、年上を敬う。6夢に向かってがんばる。」というものです。青少年の健全な育成を願って策定された宣言ですが、大人もこの宣言を心に刻み、日常に生かそうと取り組んでおられるそうです。
 京都市には「子どもを共に育む京都市民憲章」があります。その中の一節に「大人は子どもの可能性を信じ、自ら育つ力を大切にして、子どもを見守り、ほめ、時には叱り、共に成長していくことが求められます。」とあります。
 子どもたちが健全に育ち、善悪の判断ができる心の強い人になれることを願う気持ちは共通しています。
 今、子どもたちにも、社会にも規範意識が希薄になってきていると言われています。
 「ならぬことは ならぬもの」この強い気持ちで、1年間、子どもたちが成長してほしいものです。

ことばの力

12月 学校だより

 落ち葉が舞い、冷たい風が吹く季節になってきました。
 東門では、子どもたちが、朝落ち葉はきをしています。通りかかられた観光客の方からほめてもらうこともあります。
 5年生は、11月末に4泊5日の「花背山の家長期宿泊」で、貴重な自然体験をたくさんしてきました。一回り大きく、たくましくなって帰ってきました。

 さて、新しい学習指導要領では、子どもたちの言語活動を充実することが強調されています。京都新聞にこのような話が載っていました。(2011年9月17日)
 作家で詩人の寮 美千子さんは、奈良少年刑務所で、受刑者の情緒を育てるために「詩」の授業をしています。
 ある日、B君がこんな詩を書きました。<ぼくの好きな色は/青色です/次に好きな色は/赤色です>この詩にいったいどんな言葉をかけたらいいのかとまどっていると、2人の少年が手をあげました。「ぼくは、B君の好きな色を1つだけじゃなくて、2つも聞けてよかったです。」「B君は青と赤がほんまに好きなんやなあと思いました。」と言うのです。
普段あまり表情のないB君の顔がフワッとほころびました。こんなやさしい言葉をかけられる人がいるんだと胸がジーンとしてきました。
 <夏の朝の風は/気持ちいい>という2行の詩を書いた子がいました。この子は貧乏ゆすりとチック症状が止まらない子でした。でもみんなに、「朝はいいですよねえ。」「気持ちのいい風が吹くよね。」と感想を言ってもらったら、貧乏ゆすりもチックもぴたっと止まってしまったのです。

 言葉というもののすばらしさ、すごさを感じる話です。言葉の力で子どもたちが、魔法にかかったように変わっていきます。
 そして、人は他の人から共感してもらったときに、大きく変わるのだということも感じます。子どもたちの心に寄り添い、思いを汲んで、支えてやることが子育ての基本なのだということを考えさせられました。

読書であらたな発見を

11月 学校だより

 楓が色づき始め、東福寺周辺に観光客の姿が多くなってきました。
 青空も澄みわたり、秋の深まりを感じます。
 10月22日には「創立90周年記念式典」を開催いたしました。多数、ご参加いただき本当にありがとうございました。
 さて、秋の夜長は、読書を楽しみませんか?
 小学生に「よく本を読みますか?」という質問をしたところ、日本の子どもは56%が「はい」と答えました。上海は92%、台湾は83%の子どもが「はい」と答えています。日本は少ないのが気になります。また、日本は「コミック」を読む子どもが突出して多くなっています。これも、気になるところです。
 読書を続けると、語彙が豊かになり、自分とは違った生き方や考え方を知ることにより、視野を広げることができます。
 木村秋則さんの「りんごが教えてくれたこと」という本があります。木村さんは、無肥料、無農薬でりんごを栽培した第一人者であり、「奇跡のりんご」ができるまでの苦難の道のりが綴ってあります。
 木村さんは徹底的に畑を観察します。そして「虫は作物の毒を食べてくれる。雑草は余分な栄養を吸い取り、土をつくる。その中で、人間がちょっとお手伝いをすると、作物は喜んで育っていく。」という考えに行きつきます。そして、「人間はどんなにがんばっても、りんごをつくることはできません。りんごを実らせるのは、りんごの木です。主人公は人間ではなく、りんごの木なのです。人間はそのお手伝いをしているだけです。」と言います。
 子育ても、子どもの中にある可能性を引き出し、子どもの育つ条件を整えていくことかもしれません。
 本との出会いがすばらしいのは、こうした新たな発見があること、著者の生き方を学ぶことができることにあります。
 多くの本と出合い、人のことを考える、思いやる、いたわる、そんな気持ちが抱けるようになるといいですね。

「習慣」が力をつける

「習慣」が力をつける

 夏休みが終わり、子どもたちの歓声が学校に戻ってきました。
 運動会の練習も始まっています。みんなと力を合わせて、おたがいに励ましあって、9月23日の運動会当日を目指しています。
 さて、夏休みの間に、これまで培ってきた習慣が乱れていないでしょうか?
 子どもたちの力を伸ばすには、良い習慣を身につけることがとても大切です。
 次の3つのことをお願いします。
 一つ目は、基本的な生活リズムをくずさないことです。「早寝、早起き、朝ごはん」の生活習慣が学力や体力の基盤になります。よい生活習慣が、子どもたちの心と体を育てます。
 二つ目は、毎日家で学習することです。学校からの課題をする。読書をする。新聞を読む。これらのことを途切れないようにしていきます。
 三つ目は、行動面の習慣です。あいさつをする。返事をする。かたづけをする。はきものをそろえる。どれも習慣にしてしまえば、簡単なことです。
 昨年、話題になった「これからの正義の話をしよう」で、マイケル・サンデル教授はこう言っています。
「美徳を身につける第1歩は、実行することだ。」「われわれは、正しい行動をすることで正しくなり、節度ある行動をすることで節度を身につけ、勇敢な行動をすることで勇敢になる。」

自分の力を一つでも

7月 月輪だより

 毎日、梅雨空が続きます。「季節の言葉辞典」に、春の山のことを「山笑う」と書いてあります。木々の芽が出て、葉を広げ、山全体がふっくらと見えるからだろうと思います。秋の山は、木々が色づくので「山装う」。冬の山は活動を終え、枯れ木になるので「山眠る」と表現していました。それでは、夏の山はというと、「山滴る」と表していたそうです。水気をいっぱい含んで、濃い緑色の葉が茂り、まさにしたたり落ちるような木々の様子です。
 本校では今年もNIE(教育に新聞を)に取り組んでいます。
 この前、こんな記事を見ました。
「愛知県の知多半島の先に浮かぶ、日間賀島という小さな島があります。ここでは、旅館・民宿が70軒あまりあるのですが、ライバルを蹴落とすのではなく、島全体がよくなっていくようにと、宿同士で協力しあっています。
 自分の所が予約で満杯なら、よその宿を紹介します。ふぐ料理が名物なのですが、どの宿でも同じレベルの料理が食べられるように、同一料金、同一内容の料理を用意しています。『小さな島なので、みんなで助け合わないとやっていけない。』と言います。この『みんなでよくなろう』精神が功を奏して、今では多くのお客さんが来るようになったということです。宿同士がいがみあって、『うちさえよければ』精神でいれば、最初はよくても、やがて地域は衰退していきます。自分の持っている力の10のうち1でいいから、地域のために使えば、いずれ自分に返って来るのです。」(朝日新聞)という内容でした。
 これは社会のどの場面でも言えるのではないかと思います。
 自分の力の10の内、1を他の人のために使う。他の人がよくなれば、自分にも返ってくる。
 みんなが助け合って、高まるような地域、学校でありたいと思います。

「子どもを共に育む京都市民憲章」の実践を推進する「条例」ができました。
 「子どもを共に育む京都市民憲章」は、子どもたちのために大人として何をすべきかの
市民共通の行動規範として、平成19年2月5日に制定されました。
 その後、市民の行動は広がりを見せましたが、子どもを取り巻く環境は、依然として厳しい状況にあります。
 そこで、憲章の理念が浸透し、家庭、地域、学校、企業など、社会のあらゆる場で行動が広がるよう、平成23年4月1日「子どもを共に育む市民憲章の実践の推進に関する条例」が施行されました。

受け継がせたいもの 6月

東日本大震災から、3ヶ月近くが経とうとしています。
 今もなお、厳しい生活を強いられている被災地の方々。多くの学校が生活の拠点となっています。春には、避難所で生活する方々に見守られながら、卒業式、入学式を挙行している姿もニュースで流れました。
 学校という存在は、いかなる状況においても、その地域の拠り所なのだと感じさせられました。
 今月は被災地で見つけた、いい話を紹介します。
☆ボランティアの方より
 残された写真を集めて、展示している会場があります。そこへ、小学校3,4年生位の女の子が訪ねてきました。
「お父さんもお母さんもいなくなったから、写真でもと思って探しに来たの。」
帰りがけに、ボランティアのぼくに、「がんばってね。」と声をかけてくれました。
「がんばってね。」と言わなければならないのはぼくなのに。
☆地震直後のスーパーマーケットで
 床に落ちた品物を、お客さんが拾って陳列棚にもどした。
 そして、必要最小限の品物を持って、みんなレジに並び、きちんとお金を払って出て行った。
☆地震直後のディズニーランドで
 ディズニーランドでは、ショップのお菓子が、お客さんに配分された。女子高校生たちが多めにもらっていたので、「何だ!」と思ったが、子どもたちや小さなこども連れに分けていた。子連れの人たちは、動きにくかったので、とても助かった。
☆家が地震で傾き、修理費に200万円かかると言われた。父は、
「何ということはないさ。家も命もこうしてあるんだから、いくらでもやり直せるさ。」
 この父の子でよかった。

 外国のメディアも、「日本人は、なぜこんなに冷静に行動できるのか」と相次いで報じています。
 日本人の心にある、高い道徳性、規範意識、他者を思いやる心を誇りに思います。
 子どもたちにも受け継がせていきたいと思います。

できることを全力で

5月 月輪だより

 福島県福島市に、同じ名前の「月輪小学校」があります。偶然のことから、そのことをお互いに知り、昨年度の6年生は、学校を紹介しあうという交流をしてきました。
 3月11日に、福島の月輪小学校も強いゆれに襲われました。震度5だということですが、ゆれている最中は死を覚悟したそうです。5分間ものゆれは、とてつもなく長く感じたそうです。ようやく運動場に避難したとき、女の子の多くは泣きじゃくっていたそうです。幸い全員無事で、校舎も大きな損傷はなかったのですが、今度は原子力発電所の問題が起こりました。その影響で、卒業式も延期になり、新学期は違う学校に間借りし、かなり遅れて始めたそうです。
 本校からは、保護者の協力もあり、鉛筆を送らせていただきました。
 当たり前のように学校が始まり、当たり前のように勉強ができる。このことがこんなにも幸せだとは思いませんでした。
 今、われわれにできることは、できることを全力ですることです。子どもたちは勉強を全力で、運動を全力で、仲間とともに活動することを全力で。そのことが、被災地の皆さんを安心させることになるのではと思います。そして、もっともっと素晴らしい日本をつくっていきたいものです。

 明治、大正、昭和をたくましく、立派に生き抜いた一人の女性がいます。中村久子さんといいます。久子さんは2歳のとき、とても大きな病気にかかり、何度も何度も手術をして、両手両足のほとんどを失いました。久子さんはあるとき、自分の心境を詩にしました。

ある ある ある
 さわやかな秋の朝  「タオルとってちょうだい。」  「おーい。」と答える夫がある
 「ハーイ。」という娘がいる 
 顔を洗う  短いけれど  指のない  丸い  強い手が  何でもしてくれる
 やわらかい腕もある  何でもしてくれる  短い手もある
 ある ある ある  みんなある  さわやかな秋の朝

 久子さんは、炊事、洗濯、裁縫、身の周りのことなどは全てしてきました。
 「ない ない ない」ではなく、「ある ある ある」の久子さんの言葉は、ついないものばかり探して不平不満を言う、私たちへの警鐘です。
 物の豊かさや便利さの中で、自分を見失わず、あるものへの感謝の気持ちを忘れず、そしていつも「自分はどうするべきか」を自分で考え、行動していくことが、これからはとても大切だと思います。

学校で学べることを幸せと感じて

 お子様のご入学、ご進級、おめでとうございます。
 暖かな春。新しい子どもたちや、教職員を迎え、たくさんの出会いと新たな気持ちでスタートいたしました。
 この春ほど、こうして当たり前のように学校がスタートできることが、幸福であると感じたことはありません。東日本で被災されました皆様にお見舞いを申し上げます。
 さて、今年度、月輪小学校は創立90周年を迎えます。大正11年(1922年)4月1日に本校が創立され、児童数505人、10学級で出発したと記録されています。
 一番人数の多かったのは、昭和33年(1958年)の1415人です。今年は、168人でのスタートとなりました。
 今年度、月輪小学校は、子どもたちに確かな学力をつけ、豊かな心を育み、健やかな体をつくることを目指して、教育活動に取り組んでいきます。子どもたちが、勉強大好き、友だち大好き、運動大好きと言えるような活動を進めていきます。
 さわやかなあいさつのできる子、きちんと話が聞ける子、真剣に学習に取り組む子、くじけずがんばる子、規則正しいくらしができる子、はたらくことを嫌がらない子、友だちと遊ぶのが好きな子、そんな子どもを育てていきます。
 地域の力を学校に取り入れ、ご家庭と手をたずさえて、子どもたちを育んでいけるように努力してまいります。
 どうか、この1年よろしくお願いします。

        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
学校行事
3/29 離任式
4/2 職員会議 部会 新学期準備
京都市立月輪小学校
〒605-0981
京都市東山区本町通三ノ橋上ル本町十七丁目358
TEL:075-561-4380
FAX:075-531-0083
E-mail: tukinowa-s@edu.city.kyoto.jp