最新更新日:2024/04/30 | |
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スクール・コミュニティを目指して
従来、学校に子どもを任せるまでは家庭の責任。学校に子どもを預けたら学校に任せる。そして子どもたちは学校を卒業したら地域に出ていくものだ。というような時間軸を中心にした考え方があるように思います。(下左図のイメージ)
けれど今を生きる子どもたちは、まさしく今学校で学び、今家庭でしつけられ、今地域で支えられる、という同時に3者の影響を受けながら育っています。(下右図のイメージ) ぜひ東山開睛館という学校社会に参画していただきながら、保護者や地域の皆様方と共に、子どもたちの可能性を最大限伸ばしきる教育を展開してまいりたいと考えています。 家庭、地域、学校の大人全てに共通する願いは,「わが子を」「地域の子ども」そして「お預かりする子どもたち」のそれぞれの良さを最大限に伸ばし,これからの人生を幸せに歩み、人のために働ける人間として育てたいという一点にあります。 その共通の願いを達成するためにも、それぞれにかけがえのない子どもたちを,暖かく,そして時には厳しく導きながら,なにより子どもたち自身が誇りや志をもち,社会を生き抜いていける力を蓄えることのできる学校にしてまいりたいと考えます。 やればできるという自信
「勉強に対する意欲をどのようにして高めるのか」ということは教師や保護者に共通する関心事です。「教師や保護者のやらせたいことを頑張らせる」にはそれなりの手腕が必要でしょうが,何ごとにでも頑張って取り組もうとする意欲そのものは個々の子どもたちのこれまでの経験や,その上に立つ「生き様」そのものに大きく関わっているのだと思います。
私は頑張る子どもを育てたいと願っています。頑張る子どもは頑張りが心地よさとして自分に返ることを知っている子どもです。その前提として「やればできる」という自信,さらには「人のために役立つことは嬉しい」という実感が必要であり,自己肯定感や自尊感情を育てることが何よりも大切だと思います。 このような実感を毎日の授業で味わわせることができれば,東山開睛館の子どもたちは間違いなく頑張る子どもに成長してくれます。 ご家庭でも子どもが子どもなりに努力した場面を適切に評価して,頑張ることの心地よさを味わわせていただければと思います。 子どもたちの身体は…
上のグラフは1965年と1997年の背筋力指数を表しています。古いデータしかないのは1998年より学校では背筋力調査を実施していないためです。これは,調査により腰痛を訴える児童生徒が激増したため調査項目から外れたことによります。
子どもを抱くときに必要な指数は1.5,老人介護に必要な指数は2.0と言われています。1997年の時点で男女とも半数がこの指数を下回っています。すなわち腰痛予備軍であるわけです。 岐阜県中津川市立西幼稚園では5才時から廊下の四つん這いによる拭き掃除を取り入れ,改善を図っています。 活動的な遊びで一日の大半を過ごしていた時代と異なり,家庭や学校での遊びや過ごし方の中で,工夫ある取組が求められているのです。 体位血圧反射法は、仰向けに寝た状態からいきなり上半身を起こし,2分後の血圧の回復状況で良・不良を判定する調査法です。1956年の東大猪飼教授の調査では,6才児の不良が5割近くいたのですが,19才では1割近くにまで減少し,加齢によって改善すると考えられていました。 ところが今回の調査では,加齢により益々調整不良が増えるという実態が憂慮されています。子どもたちの身体の状態は大きく変化しています。まず逞しい体づくりに取り組まなければなりません。 今の子どもたちは外で遊びたくても遊ぶ場所がない,あったとしても不審者のことが心配で,保護者も遊ばせられない。ますます家の中でのテレビ,ビデオの視聴やテレビゲームに走ってしまうという悪循環の中にいます。 身体を使った遊びの中で育まれるべき身体の諸能力が,このような環境下では育ちきらないのも当然といえます。 家庭と共に,また地域をあげての取組として何ができるのか。開睛での取組を共に考えてまいりたいと考えます。 市民性を育む
上表は大卒と大学院卒に企業が求める要件です。よく「学校は企業が求める人材を育てる場ではない」というような意見をお聞きすることがあります。理由として「子どもたちは必ずしも企業に行くとは限らない」とか「企業にはめようとすること自体が教育的でない」といわれます。
それでは企業が求める人材と私たちが学校教育で育てたい姿には大きなずれがあるのでしょうか。第一位にある「熱意」二位の「行動力」をはじめ,全人格的な形成を求める教育の方向と齟齬はなく,むしろ学校現場での課題と一致しているといえます。 教育現場では,企業というものを、ややもすると「利潤を追求し過酷な労働を強いる悪」と捉えるきらいがあります。けれども多くの企業には崇高な経営理念があり,社会に対しての貢献を社是として挙げられるところもたくさんあり,これら企業のCSR(社会貢献)活動を活用し始めている学校も少なくありません。 東山開睛館では,国民の一員として権利の主張だけでなく義務を果たそうとする。「私」と「公」を区別し,社会の仕組みの中で人の役に立つ生き方ができる。などの「市民性」を育てるために,教科書だけでなく,体験的な活動を取り入れた教育活動を,企業を含めた様々な社会のしくみと手を携えながらすすめてまいります。 「礼」の仕方にもこだわりを
ある高等専修学校の先生から次のようなお話しを伺ったことがあります。
「うちの学校は他の高校に入れなかった子どもたちが多く集まってきます。多くの生徒は卒業後就職をするのですが就職率については胸を張れる数字です。『どうしておたくの学校は就職率が高いの』とよく尋ねられるのですが,徹底して指導をしているのは挨拶と礼の仕方です。会社の人事の方とお話をする中で『面接時の態度がおたくの生徒さんはズバ抜けて素晴らしい。あいさつがきちんとできる人間は当方としても信頼できますし,そのような生徒を育てているおたくの学校も信用しています。』とおっしゃいます。挨拶と礼をきちんとすることがわが校の伝統になってきました。」 何と幸せな子どもたちではありませんか。挨拶と礼を徹底して指導していただいたおかげで就職ができ社会自立できるのです。 「人は見かけで判断してはいけません。」とよく言います。その通りだと思います。しかし初対面において,人は99パーセント見かけで判断されるのです。そのことを子どもたちに教える必要があります。 中身も大事だが見かけも大切。それで救われる子どももいるということを忘れずに日々取り組んでいきたいものです。なにより挨拶や礼の大切さのわかる子どもたちを保護者,地域の皆様と共に育てていきたいと思います。 |
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