最新更新日:2024/05/20 | |
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校長室から(学校だより10月号より)
真夏のように暑かった9月もようやく終わり、秋を肌で感じられる10月を迎えます。10月は文化祭、体育大会があり、学校の最も活気ある時期といえるかもしれません。引き続き皆様のご支援とご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
さて、2学期が始まって約2週間後の9月8日から10日まで、6年生は福井県の「若狭湾青少年自然の家」へ行ってきました。他の小学校で行われている修学旅行とは違い、本校では自然に触れることをテーマとし、日数も1日長い2泊3日の日程で「宿泊体験学習」という形で実施しています。普段できないことを体験する、体験活動を通して「生きる力」をつけるということが大きなねらいですので、プラグラムにはできるだけ多くの活動を組み入れています。ボート、カヌー、組み立ていかだ、カッター(十数人で乗る船)等の海の活動をはじめ、野外炊事、ナイトウォーク、キャンプファイヤー等々です。子どもたちにとっては少々ハードな宿泊学習だったかもしれません。しかしながら、3日目には少々疲れた顔を見せながらも何かやり切った姿を見せてくれたことは、引率した教員にとって何よりも嬉しいことでありました。 子どもたちが体験した様々な活動、それらの活動が思う通りに進めばよいのですが、なかなかそうはいかないもの。あるボートでは2人のタイミングが合わないのか、くるくるとその場で回るだけで全く前に進まない、野外炊事でも薪がうまく割れなかったり、薪になかなか火がつかなかったりと挙げるときりがありませんが、全員何らかの“うまくいかない体験”をしたのではないかと思います。一生懸命やっているにもかかわらず、それでもうまくいかないということをたくさん経験した3日間だったように思います。 成功体験と共に“うまくいかない体験”をたくさん積んでおくことはとても大切ではないかと思います。何でも自分の思うとおりにならないのは当然のこと、でもそのときにどう行動につなげるのか、これこそがまさに真価が問われることだと思うのです。「うまくいかないと大きなダメージを受ける」、「すぐに折れてしまう」という若者が多いといわれる中、「うまくいかないことは当然」と少々楽観的に考えることも生きていく上で大切な資質のような気がしています。今開睛館に在籍している子どもたちも、きっとうまくいかないことを今後経験していくことでしょう。その子どもたちに「努力してもうまくいかないこともたくさんあるもの。またうまくいくこともあるから大丈夫」というメッセージを送ることも大切な大人の役割のような気がしてなりません。そのような大人の関わりによって、おおらかさやしなやかさ、そして打たれ強さが育っていくのだと思います。先行き不透明なこれからの100年を生きていく子どもたちに、しっかりと「生き抜く力」を育てていきたいと思います。 校長 野村 昌孝 |
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