京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/05/18
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第14回卒業証書授与式 3月15日(水)

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本日、京都大原学院9年生7名が卒業いたしました。
仲間との絆を大切に、これまで学院生みんなをリードしてくれた9年生。
全員そろっての心温まる、素敵な卒業式でした。

ご紹介できませんでしたが、多数の祝辞、お祝いをいただきました。
ありがとうございました。

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(式辞)

あたたかい春の日差しに心も軽やかに感じる朝、今日は旅立ちには
絶好の日和となりました。
九年生のみなさん、本日は、ご卒業おめでとうございます。

先日、みなさんに校長からの「特別授業」をさせていただきました。
ミスター・チルドレンの「GIFT」という曲を題材にして、
自分のものの見方についてちょっと振り返って考える、
そんな時間でした。
「GIFT」とは《贈り物》です。みなさんには、自分が受け取ったと思う
GIFTについて書いてほしいとリクエストしました。

KIくんに、私は素敵な贈り物をもらっています。
一昨年の春、着任式の後、私はKくんから野の花をもらいました。
八年生がクラスで校外に出かけようとする姿を見かけ、一輪挿しを渡して
お願いしたことに応えてくれたのです。「よし、きれいな花をつむぞ」と
男子二人に声かけする姿、そして戻ってきたKくんが紫と
黄色の小さな花を挿した一輪挿しを渡してくれたとき、
私は「この学校でやっていける」そう勇気をもらいました。

KMさんは「今の両親の元に生まれてこられたこと」と答えました。
「今の私もまだ夢は見つけられていませんが、好きなことを
仕事にしたいという夢はちゃんと叶えられてますか?
もし叶えられてなくてもそれはそれでいいと思います。
楽しく生きてください。」と将来の自分に向かってメッセージを
贈りました。

KYくんは「家族、犬、知識、経験」の四つを書きました。
そして自分へのメッセージとして「自分に問いまくる」と書きました。
どうして、なぜ、どうすれば、どこで・・・いろいろな角度からの
自分への問いかけに一つ一つ答えを出していく、その覚悟を感じました。
《九年間で一番美しい、きれいだと思ったことは?》という問いには
「みんなで楽しんだとき、笑い合ったとき」をあげました。

KKさんからは、私は心にしみるGIFTをもらっています。
修学旅行の原爆資料館で語り部さんの話の後、みんなの代表として
話してくれた「お礼の言葉」です。
語り部さんの体験談を「命の話」として深く受けとめ、
涙ながらに話すKさんの姿に、私は静かに感動していました。
平和記念公園でのセレモニーでも、その思いの伝わる言葉を背筋を
伸ばして語った姿が印象的でした。

TMくんは「この環境すべて」が贈り物だと書き、
私が「狭い視野で突き詰めて考えてしまいがちだ」という思春期の特徴を
話したのを受けて、
「あまり深く考えず、自分を信じて前向きに進んでいきます!」と
締めくくりました。
TくんとKくんは、ソフトテニス部でペアを組み、七年の新人戦で優勝、
九年の夏も市内で優勝、府下でベスト8、近畿大会へ出場する好成績を
収め、私たちに大きな喜びを贈ってくれました。

NKさんは「命、友達、日常」と答えました。
そして《自分へのメッセージ》として「あなたのよいところは迷いがない
こと、ポジティブなこと、食べ物の好き嫌いが少ない」ことですと書き、
《九年生のみんなへ》として「おもしろくて毎日が楽しかった。
年月が経つごとに楽しくなっていった。
意外と短所は他の人はあまり気にしていないと思うから、
自分の長所をPRしていったほうがいい。」というアドバイスも
添えられていました。

YNさんは「Y家に生まれてきたこと。家族からの愛情。」
と書きました。
さらに「自分がしたいことをさせてもらったこと。」と続け、
最後に「みんなに出会えたこと。」と締めくくりました。
《九年生へのメッセージ》として
「今まで私の友達でいてくれてありがとう。みんなと出会えて
本当によかったし、最高の友達です。」と感謝の気持ちを
語りました。
Yさんは、生徒会長としても学院生のためによく頑張りました。

九年生のみなさんは、七人という少人数のクラスで、
毎日の学校生活を過ごしてきました。男子三人、女子四人。
その小さく濃密な関係は、豊かで細やかな「思いやり」や
「心遣い」という形で日常の中に姿を現す、
数値では計れない一人ひとりの人間力とでもいうべきものを
育ててきました。
私は修学旅行のたった三日の間でも、みなさんのお互いへの
様々な優しさや心配りを見ました。

その関係を《絆》というのなら、一方で《絆》という字を
「ほだし」と読むときの、結び合ったものに生まれる縛り、
という面は、どうしてもあなたたち同士を束縛し、時に窮屈な思いや
逃げたくなるようなしんどさを作りだしてしまう。
そんなこともあったでしょう。
大人数の中と比べて、少人数の中では特に、
他にちょっと避難できる第三者、という存在がいなくてつらかった、
そういうことも少なくなかったかもしれません。

しかし、今日、みなさんはこの七人の関係を解き、卒業していきます。
そして一旦そこから離れ、自ら選んだ新しい人間関係の中に身を
置くことになります。
そのときみなさんはきっと、大原学院にいるときには見えなかった
大切な何かを、再発見することになるでしょう。

本日、京都大原学院卒業証書授与式に、来賓として
お越しいただきました、学校運営協議会理事長の田家様、
京都大原学院PTA会長細江様、
お忙しい中、ご臨席を賜りありがとうございます。
心より御礼申し上げます。
みなさまの陰になり日向になっての子どもたちへのご支援のおかげで、
本日こうして九年生が卒業することが出来ました。
重ねて厚く御礼申し上げます。

さて、保護者の皆様、本日はお子様のご卒業、おめでとうございます。
本校教職員を代表して、心よりお喜びを申し上げます。
本日、お子様達は、九年間の義務教育をこの京都大原学院で終えられ、
それぞれの決めた世界への新たな一歩を踏み出されます。
卒業証書を手にしたお子様たちの姿を見ながら、この同じ体育館で、
九年前に入学した時の記憶と重ね合わせ、我が子の確かな成長ぶりを
目の当たりにして、今、みなさまは万感の思いでいらっしゃることと
存じます。

雨の日や雪の日の送り迎え、運動会や文化祭、保護者参観や
マラソン大会の応援、PTAの会議に大原大掃除のボランティア、
そして部活動の試合の応援と、私たちは実に様々な場面で、
保護者のみなさまのお子様たちを思う温かい愛情を、
その姿を通して感じ取って参りました。

その大きな愛情に対して、子どもたちは思春期に入ったがゆえに、
時に疎ましそうにふるまったり、反抗的にも思える物言いをしたり、
あるいは親が不安の中に迷い込んでしまうような危なっかしさを態度で
みせることもあったかもしれません。

でも、子どもたちはこの九年間で、間違いなく、心も体も成長を
遂げられました。
ひらがなを学んでいた一年生時代の彼らに思いを馳せれば、
自分の内面を見つめ、
掘り下げてそれを文章に綴れるようになった九年生の今の姿は、
まるで小さな奇跡にも思えるくらいです。

《思春期の嵐》ともいうべき、年に十センチも背が伸びるような
体の変化と、急激に自我に目覚める心の成長過程のまっただ中に、
子どもたちはいます。
彼らは、自分という船の船長ではあるけれども、
自分でコントロールしきれない心と体の嵐の中を、
進路地図を手探りでつくりながら航海を続けるという難事業に、
今、全身で挑んでいます。先が見えなかったり、
どうすればいいのかわからなかったり、
その連続です。
しかしよく考えれば、私たち大人とて実は同じようなもので、
日々、あちこちいろんなものにぶつかりながら、右往左往して
自らの人生を刻む存在です。同じように体のあちこちにぶつかり
傷をつくりながら、たった一度の自分の人生を歩むもの同士としての、
連帯感のようなもので互いを支え合う、そんな側面がここからの
親子関係には大切になっていくかもしれません。

九年生のみなさん、様々なことに対して素直な好奇心をもち、
その解決方法をどこかおもしろがりながら探求する心を忘れずに、
「なぜ、どうして」と、「はてなマーク」をいっぱい立てて、
新しい世界を歩んでいって下さい。その姿勢がきっと、解決不能と
思えるような難題にさえも、その解決策を見出していく
原動力になると確信します。
そしてその力が集まれば、平和な世界、豊かな世界の実現が一歩、一歩、
達成されていくのだと思います。

さて、東ヨーロッパ、ウクライナの戦闘は一年が過ぎてなおも、
今後の予測もつかない状況にあります。
みなさんと同じ年代の子どもたちが一刻も早く、
平和のうちに学校で学べるよう、戦闘の早期終結を心から願います。

新しい景色と、新しい道と、新しい街と、新しい仲間と、新しい学問と、
そして新しい自分と。
たくさんの出会いに満ちた毎日になりますよう、心からお祈りして、
私の式辞と致します。
 
ご卒業、おめでとうございます。

令和五年三月十五日 京都大原学院 校長 瀧本 祐一郎
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