京都市立学校・幼稚園

しゃめんちちゃん
最新更新日:2024/04/25
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新しい年を迎えました。今年もよろしくお願いいたします。

令和5年度卒業式 式辞

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令和6年3月22日 八瀬小学校から4名の子どもたちが卒業していきました。

 八瀬小学校の卒業式では一人ひとりが将来の夢を発表します。みんな自分の思いをしっかりと発表してくれました。

 卒業生の皆さん,夢の実現に向けてガンバレ!!

 そんな皆さんへのメッセージです。


令和5年度卒業式 式辞

式辞

 昨日は思いもよらない雪景色となりましたが、日差しには確かな春の訪れを感じる今日の佳き日に、多数のご来賓の皆様、保護者の皆様のご臨席を賜り、令和五年度卒業証書授与式を挙行できますことは、私どものこの上ない喜びであり、心から感謝申しあげます。

 さて、小学校六年間の課程を修了し、本日、八瀬小学校を巣立ち行く四名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんは六年間の小学校生活を立派にやり遂げ、素晴しい思い出をたくさん残して、今、飛び立とうとしています。六年前、小学校に入学しました。雨の日も風の日も、暑さ寒さにも負けず、学校に通って、勉強や運動に励み、心も体も大きく成長しました。特に、最後の一年間は、学校生活のすべての場面で、五年生とも協力しながら下級生をリードし、最高学年としての責任をしっかりと果たしてくれました。

 みなさんとの思い出はたくさんありますが,その中でも最も印象的だったのが学芸会です。たったの四人で、しかも全員が男子で、いったいどのような劇を見せてくれるかと、楽しみにしながらも「長いセリフだいじょうぶかな。」とか、「時間が行ったり来たりする難しいストーリーで、混乱しないかな。」など、少しの不安をもって見ていたのですが、全く心配はいりませんでした。4人で最後まで劇をやり遂げた姿を見て、皆さんの成
長と、頼もしさを感じました。どうぞ、これまで培ってきた自分の力に自信を持って,これからも進み続けてください。
みなさんの卒業にあたり心にとめておいてほしいことをお話します。少し難しい話になるかもしれませんが,しっかりと聞いてほしいと思います。

 皆さんには,『情報を見極める力』を身につけてほしい。ということです。
この『情報を見極める力を身に付けてほしい』ということは、7年前の卒業式の時にも、その年の卒業生にお話をしました。その時は、熊本地震の時に動物園からライオンが逃げ出して街中を歩いているという嘘の動画を誰かが作って、その嘘のニュースをラインやフェイスブックといったSNSで流したことで、地震とは別の新たな被害が生まれたということをお話ししました。それから7年経ちましたが、あらためてこのお話をしようと思いました。みなさんは「ディープフェイク」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、簡単に言うと誰かが話をしている声や動画を別の内容にすり替えてしまうという技術です。例えば、担任の先生が「今日の宿題は計算ドリル2ページ分です。」という動画を、口の動きや音声を操作して「明日学校は臨時でお休みです。」と言っているように作り変えることが、簡単にできてしまうようになってきました。少し前まではこんなことをしても作り変えたことがバレバレで笑いのネタになっているようなものでしたが、今はやり方さえ知っていれば、AIが自動的に作ってくれて、しかも本物と見分けがつかないほどの完成度のものが作れます。もし、この動画が拡散されたら、その担任の先生のクラスは全員登校しないでしょう。「街中をライオンが歩く動画」からわずか7年で「本当はそんなこと言っていないけど、声も話し方も見た目も本人そっくりに、それを言っているような動画」が簡単に作れるようになっています。そしてそれにだまされたり、間違った考えを与えられたりする人がたくさんいる。皆さんがこれから生きていくのはこういう時代なのだということをわかっておいてください。

 現在,インターネットに代表される通信技術の発達やネットワークの拡大によって,世の中には様々な情報があふれかえっています。そこにはみなさんがこれから生きていく上で大切な情報がたくさんあります。しかし一方で、間違いや嘘の情報もいっぱいあります。そして、その情報が正しいのか、間違っているのか、それとも誰かが悪意を持って作り出した嘘の情報なのかを見抜くことはどんどん難しくなっています。「情報を見極める力」は、みなさんが夢に向かって間違いなくすすむために、また、嘘の情報に振り回されないために大切な力です。

 今、「情報を見極める力」みなさんの夢に向かって進むために大切といいました。それはどういうことかというと、夢に向かって進む途中には、何かを決断しなければならないことにたくさん出会います。そして皆さんが何かを決めるときには、正しい情報をもとにして決めることができなければ夢には近づけないからです。

 皆さんは今,一二歳ですね。二〇年後は三十二歳。社会に出てバリバリ働いている年齢ですが,そのときどんな世の中になっているかなど,先生には全く想像もつきません。だから、みなさんに想像してくださいといっても難しいと思います。でも,これだけは覚えておいてください。それは,どんどん変化していく時代には「こういう時にはこうしておけば大丈夫」という答えはありません。だから何かを決めなければならないときには「自分で判断して自分で決めるしかない,そして自分で決めたことには責任を負う」ということです。もちろんそのときそのときに周りの人に相談したり,アドバイスをもらったりすることは大切なことです。人は一人では生きてゆけませんからね。でも,最後は自分で決めないといけない。そのときに大切なものが「情報を見極める力」です。決断しなければならないことが重要なことであればあるほど,たくさんの情報を参考にして結論を出さなければなりません。ただ,それらの情報が本当に正しいのかどうか,本当に公平なものなのかどうか,それらを見極めることができなければ,もしかすると間違った答えを出してしまうかもしれません。
みなさんはこれから独り立ちし大人になっていきます。その中で出会う様々な人生の選択の時,自分にとって最も良い答えを出すために,「情報を見極める力」をしっかりと高めていってください。そのためには自分から積極的にできるだけたくさんの人と関わりいろいろな考えに触れること,そして様々なことを幅広くしっかりと勉強することが大切です。「情報を見極める」この言葉を常に心の隅に置いて,努力を続けてください。

 先ほどみなさんが手にした卒業証書には,みなさんは,これから自分の夢の実現とよりよい社会を作る主体者となることに向けて大人へのスタートラインに立ちました。その自覚を持ってしっかりと前に進んでください。というメッセージが込められています。みなさんにはすばらしいスタートを切ることのできる力がしっかりと身についています。自信を持って,大きく羽ばたいてください。

 保護者の皆様に一言申し上げます。お子様が立派に小学校を卒業されますことを心よりお祝い申しあげます。小学校卒業という節目を迎えられ、これまでのご苦労も大きな喜びに変わっていることと存じます。この六年間、本校の教育活動に格別のご理解とご協力をいただきましたことを、全職員とともに感謝いたしております。これからも、お子様が健やかにたくましく成長されますようお祈り申し上げます。

 また、ご来賓の皆様にはご多用の中、ご臨席を賜り、誠にありがとうございます。高いところからではございますが,心よりお礼申しあげます。
卒業生に対するこれまでのご厚情と本校教育へのご支援に対して、今一度深く感謝申しあげますとともに、今後も卒業生を温かく見守っていただきますよう心よりお願い申し上げます。

 卒業生のみなさん、名残は尽きませんが、皆さんの輝ける未来に幸多からんことをお祈りして、式辞といたします。

令和六年三月二十二日
京都市立八瀬小学校校長 星尾尚志

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