京都市立学校・幼稚園

しゃめんちちゃん
最新更新日:2024/04/25
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新しい年を迎えました。今年もよろしくお願いいたします。

平成30年度卒業式 式辞

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平成31年3月20日 八瀬小学校から8名の子どもたちが卒業していきました。

 八瀬小学校の卒業式では一人ひとりが将来の夢を発表します。みんな自分の思いをしっかりと発表してくれました。

 卒業生の皆さん,夢の実現に向けてガンバレ!!

 そんな皆さんへのメッセージです。


平成30年度卒業証書授与式 式辞

 柔らかな春の日差しを浴び、桜のつぼみもふくらみを増した今日のよき日に、多数のご来賓の皆様、保護者の皆様のご臨席を賜り、平成三十年度卒業証書授与式を挙行できますことは、私どものこの上ない喜びであり、心から感謝申しあげます。

 さて、小学校六年間の課程を修了し、本日、八瀬小学校を巣立ち行く八名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんは六年間の小学校生活を立派にやり遂げ、素晴しい思い出をたくさん残して、今、飛び立とうとしています。六年前、小学校に入学。雨の日も風の日も、暑さ寒さにも負けず、学校に通って、勉強や運動に励み、心も体も大きく成長しました。特に、最後の一年間は、学校生活のすべての場面で、下級生をリードし、最高学年としての責任を立派に果たしてくれました。

 みなさんの学校生活を思い起こすとき、感心したことはたくさんあるのですが、中でも素晴らしいと感じたのは、一人ひとりがお互いを思いやれる集団だったな。と言うことです。みなさんは一人ひとり個性的で、いろんな場面でいろいろな意見を持ったことでしょう。意見が合わなくてぶつかることもたくさんあったでしょう。でもそんなとき、みなさんはうまく折り合いを付けて、みんながいい方向に進むようにできていました。こう聞いても、みなさんは何を褒められているのかわからないかもしれませんが、卒業生のみなさんには、全員に「折り合いを付ける力」が育っていて、それって素晴らしいことなのですよ。と言うことです。「折り合いを付ける」というのは、自分と相手との意見が違ったときに、お互いが少しずつ譲り合うことで両方が納得して共に進んでいくと言うことですが、これができる人が最近減ってきています。相手の言うことに耳を傾けず、自分の意見だけを言い続ける人や、逆に本当は自分にも意見があるのに何も言わずただ周りに従うという人、つまり、人との関係で折り合いが付けられない人が増えているような気がするのです。折り合いの付けられない人が増えると、どうしても仲間とかチームとかのまとまりがうまくいきません。最近そのようなことが多くなっている気がして残念におもうことがあるのですが、みなさんはそんなことはありません。みなさんは、これからよりたくさんの人と関わっていくことになりますが、自分の意見をきちんと述べつつ、人の意見も聞き,みんなで前に進んでいくことのできるみなさんなら、きっと誰ともうまく関わって、協力していくことができると信じています。どうぞ自信を持って中学校へと進んでください。

 さて、前段の話が少し長くなってしまいましたが、今日、八瀬小学校を卒業するみなさんに、心にとめておいて欲しいことを一つだけお話しします。少し難しい話になるかもしれませんが、小学校最後の授業をするつもりでお話しするのでしっかりと聞いて欲しいと思います。現在、私たちの周りには様々な情報があふれかえっています。役に立つ情報や自分の興味や関心に合った情報もあれば、逆に有害な情報もあります。また、見聞きする情報が全て正しいとは限りません。無責任で間違った情報やフェイクと言われる嘘の情報もびっくりするほどたくさんあります。先生は去年の卒業式で「その情報が正しいものなのかどうかを見極める力をつけてください。」というお話をしましたが、あれから一年が過ぎ、いま、それに加えて気になることが出てきました。それは「嘘ではないけれど、そのまま信じていいかどうかがわからない情報」がものすごく増えてきていると言うことです。

 例えば、ある映画が公開されて、公開初日のお客さんが5000人だったとします。次の日、インターネットの情報で「公開初日から観客5000人、想像を超える大ヒット!」と書いてあったら、どう感じますか?何となく、おもしろそうな映画なのかな。と思ってしまうのではないでしょうか。では、別の情報サイトで「初日の観客はたった5000人、つまらないという声が聞こえてきそう。」と書いてあったらどうでしょうか。あまりいい印象は持たないでしょう。ここで立ち止まって欲しいのです。今紹介した二つの文で、確かな情報は、この映画の初日のお客さんは5000人だったと言うことだけです。この5000人が想像を超えるといっていい多さなのか、たった5000人という少なさなのか、どちらも根拠はありません。つまり、あくまでも書いた人の主観です。でも、この言葉一つで私たちのその映画に対する印象が全く違ってきます。また、二つ目に紹介した「初日の観客はたった5000人、つまらないという声が聞こえてきそう。」という表現についてです。これもネットの記事でよく見かける表現なのですが、「つまらない」という言葉でその映画のことを悪くいっておきながら、その後に「聞こえてきそう」ということばを付けることで悪く言ったことをうやむやにしています。つまり、「つまらないという声が聞こえてきそう。」という表現は、ぱっと見た人にはとても悪い印象を与えますが、本当は「つまらないかどうか」「そんな声があるのかないのか」のどちらの情報も示してはいないのです。

 先生の伝えたいことがわかるでしょうか。今紹介したどちらの文にも嘘はありません。ただ、嘘の情報ではなくても、情報というのはその表現の仕方によって、それを読む人の気持ちを自分の思い通りにさせてしまうことができるのだ。ということを知っておいて欲しいのです。

 みなさんには、いろいろな情報を見たり聞いたりするときに、ぱっと読んだ印象ではなく「客観的に正しい情報は何か」「書いた人の考えはどの部分か」「ごまかしの言葉はないか」などを常に冷静に判断できる人になってほしいと思います。そのためにはこれからの中学校生活で、自分から積極的にたくさんの人と関わり、いろいろな考えに触れること、そして様々なことを幅広くしっかりと勉強することが大切です。「情報は常に冷静に判断すること」、この言葉を常に心の隅に置いて、努力を続けてください。

 みなさんはあと六年もたてば選挙権が与えられ、この国をどんな国にしたいかを決める一票を投じる役割を担うのです。もう、そんな年齢になっているのです。

 先ほどみなさんが手にした卒業証書には、みなさんは、これから自分の夢の実現とよりよい社会を作る主役となることに向けて大人へのスタートラインに立ちました。その自覚を持ってしっかりと前に進んでください。というメッセージが込められています。みなさんにはすばらしいスタートを切ることのできる力がしっかりと身についています。自信を持って、大きく羽ばたいてください。

 保護者の皆様に一言申し上げます。お子様が立派に小学校を卒業されますことを心よりお祝い申しあげます。小学校卒業という節目を迎えられ、これまでのご苦労も大きな喜びに変わっていることと存じます。この六年間、本校の教育活動に格別のご理解とご協力をいただきましたことを、全職員とともに感謝いたしております。これからも、お子様が健やかにたくましく成長されますようお祈り申し上げます。

 また、ご来賓の皆様にはご多用の中、ご臨席を賜り、誠にありがとうございます。高いところからではございますが、心よりお礼申しあげます。卒業生に対するこれまでのご厚情と本校教育へのご支援に対して、今一度深く感謝申しあげますとともに、今後も卒業生を温かく見守っていただきますよう心よりお願い申し上げます。

 卒業生のみなさん、名残は尽きませんが、皆さんの輝ける未来に幸多からんことをお祈りして、式辞といたします。


平成三十一年三月二十日
京都市立八瀬小学校校長 星尾尚志

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