京都市立学校・幼稚園

しゃめんちちゃん
最新更新日:2024/04/25
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新しい年を迎えました。今年もよろしくお願いいたします。

平成29年度卒業証書授与式 式辞

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 平成30年3月22日 八瀬小学校から5名の子どもたちが卒業していきました。

 八瀬小学校の卒業式では一人ひとりが将来の夢を発表します。「ファッションスタイリストになりたい」「パティシエになりたい」「イラストレーターになりたい」「苦手なことにも,何でも挑戦できる人になりたい」「いろんなスポーツに挑戦していきたい」と,みんな自分の思いをしっかりと発表してくれました。

 卒業生の皆さん,夢の実現に向けてガンバレ!!

 そんな皆さんへのメッセージです。


平成29年度卒業証書授与式 式辞


 柔らかな春の日差しを浴び、桜のつぼみもふくらみを増した今日の佳き日に、多数のご来賓の皆様、保護者の皆様のご臨席を賜り、平成29年度卒業証書授与式を挙行できますことは、私どものこの上ない喜びであり、心から感謝申しあげます。

 さて、小学校6年間の課程を修了し、本日、八瀬小学校を巣立ち行く5名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんは6年間の小学校生活を立派にやり遂げ、素晴しい思い出をたくさん残して、今、飛び立とうとしています。6年前、小学校に入学しました。雨の日も風の日も、暑さ寒さにも負けず、学校に通って、勉強や運動に励み、心も体も大きく成長しました。特に、最後の1年間は、学校生活のすべての場面で、下級生をリードし、最高学年としての責任を立派に果たしてくれました。

 みなさんとの思い出はたくさんありますが,その中でも最も印象的だったのが学芸会です。普段はどちらかというと控えめで,自分のことをあまり表には出さないみなさんですが,そんなみなさんが見せてくれた,あの堂々とした演技には,本当に驚かされました。いまや,「レディースエンドジェントルマン」というだけでみんなの心をつかめるまでになりましたね。皆さんの演技には,学校みんなを楽しくさせてしまう,そんな力があったということです。どうぞ,これまで培ってきた自分の力に自信を持って,これからも進み続けてくれることを願っています。

 さて,少し個人的なことなのですが,みなさんは私にとって,校長として初めて送り出す卒業生です。なので,実は今,特別な思いを持って皆さんにお話をしているのですが,卒業にあたり心にとめておいてほしいことを,一つだけお話します。少し気持ちが入りすぎて難しい話になるかもしれませんが,しっかりと聞いてほしいと思います。

 皆さんには,『情報を見極める力』を身につけてほしい。ということです。現在,インターネットに代表される通信技術の発達やネットワークの拡大によって,世の中には様々な情報があふれかえっています。
そこには大切な情報もあればつまらない情報もあるし,中には間違いや嘘の情報もいっぱいあります。

 みなさんは「フェイクニュース」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「フェイクニュース」というのは,嘘の情報で作られたニュースのことです。ひとつ例を挙げると,2年前の2016年,九州の熊本県を中心に大きな地震が起こりました。その混乱の最中に「地震のせいで,うちの近くの動物園からライオンが街中に放たれた。」という言葉とともに,街中を歩くライオンの動画がネット上に流されました。この動画と文章はラインやフェイズブック,ツイッターなどであっという間に全国に広がり,大騒ぎになりました。

 もちろんこれは一人の人の悪ふざけで全くの嘘のニュースでした。しかし,その動物園では,不安になった町の人からの電話が鳴り続け,地震でどうなったかが心配な動物たちを見に行くこともできず,ものすごい迷惑をこうむりました。
たった一つの悪ふざけが瞬く間に日本中,世界中に広がり,それによって,大きな被害が生まれてしまう。そんな時代に皆さんは生きているのだということを,知っておいてください。

 今,時代という言葉を使いましたが,今から20年ほど前,世の中のほとんどの人はインターネットのイの字も知りませんでした。それが今,小学生,いや保育園や幼稚園の子どもでさえインターネットと関わりながら生活をしています。20年前,今,このような時代になるなんて,きっと誰も考えていなかったと思います。皆さんは今,12歳ですね。20年後は32歳。社会に出てバリバリ働いている年齢ですが,そのときどんな世の中になっているかなど,先生には全く想像もつきません。みなさんに想像してくださいといっても難しいと思います。でも,これだけは覚えておいてください。それは,どんどん変化していく時代には「こういう時にはこうしておけば大丈夫」という答えはありません。だから何かを決めなければならないときには「自分で判断して自分で決めるしかない,そして自分で決めたことには責任を負う」ということです。もちろんそのときそのときに周りの人に相談したり,アドバイスをもらったりすることは大切なことです。人は一人では生きてゆけませんからね。でも,最後は自分で決めないといけない。そのときに大切なものが「情報を見極める力」です。決断しなければならないことが重要なことであればあるほど,たくさんの情報を参考にして結論を出さなければなりません。ただ,それらの情報が本当に正しいのかどうか,本当に公平なものなのかどうか,それらを見極めることができなければ,もしかすると間違った答えを出してしまうかもしれません。

 みなさんはこれから独り立ちし,大人になっていきます。その中で出会う様々な人生の選択の時,自分にとって最も良い答えを出すために,「情報を見極める力」をしっかりと高めていってください。そのためには自分から積極的にできるだけたくさんの人と関わりいろいろな考えに触れること,そして様々なことを幅広くしっかりと勉強することが大切です。「情報を見極める力」,この言葉を常に心の隅に置いて,努力を続けてください。

 時代とか人生とか小学校の卒業式としては大きなことを話していますが,決して遠い先のことを話しているわけではありません。みなさんはあと六年もたてば選挙権が与えられ,この国をどんな国にしたいかを決める一票を投じる役割を担うのです。もう,そんな年齢になっているのですよ。

 先ほどみなさんが手にした卒業証書には,みなさんは,これから自分の夢の実現とよりよい社会を作る主体者となることに向けて大人へのスタートラインに立ちました。その自覚を持ってしっかりと前に進んでください。というメッセージが込められています。みなさんにはすばらしいスタートを切ることのできる力がしっかりと身についています。自信を持って,大きく羽ばたいてください。

 保護者の皆様に一言申し上げます。お子様が立派に小学校を卒業されますことを心よりお祝い申しあげます。小学校卒業という節目を迎えられ、これまでのご苦労も大きな喜びに変わっていることと存じます。この六年間、本校の教育活動に格別のご理解とご協力をいただきましたことを、全職員とともに感謝いたしております。これからも、お子様が健やかにたくましく成長されますようお祈り申し上げます。
 また、ご来賓の皆様にはご多用の中、ご臨席を賜り、誠にありがとうございます。高いところからではございますが,心よりお礼申しあげます。卒業生に対するこれまでのご厚情と本校教育へのご支援に対して、今一度深く感謝申しあげますとともに、今後も卒業生を温かく見守っていただきますよう心よりお願い申し上げます。

 卒業生のみなさん、名残は尽きませんが、皆さんの輝ける未来に幸多からんことをお祈りして、式辞といたします。


平成30年3月22日
京都市立八瀬小学校校長 星尾尚志

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