京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/04/26
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学園教育目標 「自らを高め 共に生き 希望を抱いて未来を拓く」

「あたりまえの幸せ」って何だろう 〜5月は憲法月間です〜

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 あたりまえ   高村 光太郎

 あたりまえのことでも 僕は言う
 あたりまえのことでも 僕はする
 あたりまえでないことでも 僕は言う
 あたりまえでないことでも 僕はする


 上の詩は高村光太郎(たかむらこうたろう)さんの詩です。
この詩を読んで,皆さんはどんなことを感じましたか?        
あたりまえのことって,どんなことでしょうか?
あたりまえでないことって,どんなことでしょうか?

 あたりまえのこと,それは例えば「学校に行きたい」と思えること。「おはよう」と,あいさつが自然にできること。昼食がおいしいこと。健康で毎日を過ごせること。楽しいときに笑えること。悲しいときに泣けること。悔しいときに「悔しい」と言えること。つらいときに「つらい」と言えること。大きな声でみんなと歌を歌えること。そう,毎日の生活の中のあたりまえのこと。あたりまえのことがあたりまえのようにできること。そして,それを「みんな」ができること。それが「幸せ」であり,その「幸せ」をみんなが同じように感じることのできる世の中が「平和な世の中」なのです。
 けれども,世界では今なお,飲み水や食べ物がなく,飢えに苦しんだり,家族のために働き,学校に通うことすらできなかったり,戦争で大切な家族を失ったり,未だ撤去されずに残っている地雷で腕や足に大けがを負ったりする子ども達がたくさんいます。また,日本も含めて,大地震や津波,大雨による洪水といった災害によって,あたりまえの生活をある日突然奪われた子ども達がたくさんいます。そんな子ども達もまた,「私」と同じ地球に生まれ,同じ時間の流れの中で過ごし,当然のことながら「あたりまえ」のことを望んでいるのです。そして,「私」にとってあたりまえのことが,あたりまえでない現実があるのです。
 「自分」にとって「自分」は一番大切です。だから「自分が大切であるのと同じように,自分の周りにいる人を大切にする。」あまりにも「あたりまえ」のことですね。しかし,そんな「あたりまえ」に,なかなか気づくことができていない「私」がいるというのもまた事実です。
 新型コロナウイルスの影響で,生活が一変した約2年間,「あたりまえ」と思ってきた生活がどれほど貴重で尊いものであるかを,私たちは身に染みて感じることになりました。まだまだ,安心できない状況は続きそうです。けれども,「あたりまえの幸せ」を大切に思える「今」だからこそ,「自分に何ができるか」を改めて考える良い機会ではないかと思います。折しも5月は憲法月間です。憲法は「私」と「あなた」一人一人の「あたりまえの幸せ」を守るためのきまりです。「あたりまえ」のことを大切にできているか,自分の心をじっくりと見直す(自分と向き合う)機会としてとらえ,自分の中でしっかり考えてみましょう。

風を凌いで 高く泳ぐや こいのぼり

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 甍(いらか)の波と 雲の波      
 重なる波の 中空(なかぞら)を    
 橘(たちばな)かおる 朝風に     
 高く泳ぐや こいのぼり

 「こいのぼり」の歌の歌詞です。
 凌風学園のグラウンドにある校旗の掲揚ポールに昨年度京人形青年会の皆様から寄贈していただいた「こいのぼり」が天気の良い日には青空を悠々と泳いでいます。

 さて,「こいのぼり」の歌と言えばすぐに出てくるのが「屋根より 高い こいのぼり」で始まる歌だと思いますが,「甍(いらか)の波と 雲の波」の方は,大正時代から歌われているものです。みなさんのお家の方はご存じかと思いますので,一度歌ってもらってください。「聞いたことある!」という人もいるかもしれませんね         

 歌詞の意味は次のとおりです。

 かわら屋根(いらか)が波のように重なり雲も波のようだ
 その重なっているかわらの波と雲の波の間,空の中ほどに
 橘の花(ミカンの仲間で5〜6月に白い花が咲く)の香りがする
 朝の風に吹かれて
 こいのぼりが高く泳いでいる

 5月の青空を泳ぐこいのぼりの情景が目に浮かびましたか?
「こいのぼり」には,子どもが様々な困難に出会っても,それを乗り越えて成功できますように,また,滝を登る鯉(こい)のように元気でたくましく育ちますように,という願いが込められています。そんな大人の願いとともに,5月5日の端午の節句(子どもの日)には「こいのぼり」を飾るようになりました。

 凌風学園の校名の「凌風」にも「風を凌ぐ」,つまり困難(風)にあってもそれに耐え,乗り越え進んでいける子どもに育ってほしいという願いが込められています。なんだか,学園生の皆さんの姿と滝を登る鯉の姿が重なってきますね。

 いよいよゴールデンウイークに突入し,新緑がまぶしい時季を迎えます。五月晴れの下,2年ぶりの部活動の春季大会で後期課程の学園生の皆さんの輝く姿を期待しています。コロナの状況は未だ安心はできませんが,「あせらず,あまえず,あきらめず」今できることに精いっぱい取り組んで,凌風学園の空に泳ぐ「こいのぼり」のごとく,この難局をみんなで乗り切っていきましょう。

風を凌いで高く高く 風を凌いで遠く遠く

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 美しいピンクの花びらをまとい始めた校庭のソメイヨシノに暖かな日差しが降りそそぐ中,令和4年度の春を迎えました。
 コロナ禍の中で生活したこの2年間は学校でも家庭でも社会でも,だれもが多くの困難に立ち向かわなければならない日々でした。しかし,「新しい生活様式」という言葉のもと,私たちはコロナ禍の中でどう生活すべきかを常に考えてきました。そして,そこから多くのことに気づき学ぶことが出来ました。それまで当たり前に過ごしていた毎日が当たり前ではないことに気づかされ,当たり前の「ありがたさ」を強く感じました。新型コロナウイルス感染拡大の中, 命を守るために我慢をすることを覚えました。これまでだれも経験したことのなかった時間を過ごす中で, 私たちは, さまざまな「つながり」に支えられて「今」を生きていることをしっかりと感じることができました。今まで誰も経験したことのない困難を一つ一つ乗り越えてきた中で培われた力はまさに「風を凌ぐ」力です。

 学園生のみなさん,凌風学園はこの春から開校11年目の時を刻みます。
3つのステージで1年生から9年生まですべての学園生が同じ校舎で共に学び合い,高め合いながら,これからの社会に必要な力を身に付け,困難にあってもそれを乗り越え,風を凌いで大きく羽ばたくみなさんの姿を願っています。
 皆さんがこれから進んでいく社会や世界は,皆さんがこの2年間で経験したコロナ禍がそうであるように,これまで誰も経験したことのない状況の中で,答えのない問いに向かって,より良い答えを探し求め続けることが要求される社会や世界です。そして,皆さんは, そんな社会の担い手なのです。どうぞ, しなやかに,たくましく生き抜いてください。
 「自らを高め 共に生き 希望を抱いて未来を拓く」という学園教育目標は,まさしく予測不可能なこれからの時代を生き抜くための指針と言えます。これまでの卒業生が凌風の伝統として受け継いできた「心を一つに」「つながり」を大切にし,「新たな未来」をみんなで切り拓いていきましょう。
 
 保護者の皆様,地域の皆様には日頃より凌風学園の教育活動に多大なるご理解とご協力をいただき誠にありがとうございます。今年度も登下校の見守りをはじめ,まだまだ予断を許さないコロナウイルス感染拡大防止をふまえた日々の生活など様々な場面でご協力をいただかなければなりませんが,何卒,よろしくお願い申し上げます。学園教育目標のもと,みんなが誇りをもち,新しい時代に向かって伸びゆく学園となるよう,義務教育学校の強みを最大限に生かし,教職員一同,「チーム凌風」を合言葉に精一杯取り組んでまいります。今年度も凌風学園の教育に,ご理解とご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。
                    
                        令和4年 4月1日
                        学園長 岩佐 武司



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