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最新更新日:2025/10/31 |
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芸術顧問 松田先生特別授業(2年生)
10月27日(月)、2年生を対象に芸術顧問・松田康子先生による特別授業が行われました。
松田先生は、本校17期卒の大先輩で、現在ドイツ在住の素晴らしいピアニストです。東京藝術大学・同大学院、ミュンヘン国立音楽大学をご卒業後、ドイツを中心にヨーロッパ各地で定期的にリサイタル、室内楽、オーケストラとの共演など演奏活動を行うとともに、リヒャルト・シュトラウス音楽院、京都市立芸大、ミュンヘン国立音楽大学で後進を指導、またピアノや室内楽の国際コンクールの審査などにも数多く当たっていらっしゃいます。 毎年秋にドイツから帰国され、本校の生徒たちを熱心にご指導くださっています。 今回は2年生の「総合的な探究の時間」特別編として実施されたもので、2週間後に迫っているヨーロッパ研修旅行先でのコンサートで演奏するグループの中で、ピアノデュオとホルン・トロンボーン・ピアノのトリオをご指導いただきました。(来週には、1年生と3年生それぞれに授業をしていただく予定です。) ピアノデュオでは「ピアニッシモをどこまで攻められるか」「演劇で暗い中に一本だけライトが当たっているような、そんな音を」「ピアノはフォルテの半分ではなく、声色が変わる。ホールの響きも含めて音をデザインする」など、全体のバランスや音の一つひとつの色彩や意味合いを丁寧に伝えていただきました。 たくさんの音が氾濫していたのがすっきりとし、あっという間に作曲家の色合いがとてもよくわかる演奏になったように思いました。 トリオでは、リズム表現が難しく「リズム感は体」「お腹で感じてお腹から出す」といった言葉とあわせて、ペダルの使い方や打鍵の速度、アクセントの位置など、細部にわたってアドバイスされました。 生徒たちはリズムをキープし合わせることに注力していた状態から、音の“流れ”を身体で感じながら演奏できるきっかけを得たように思いました。 また、生徒も先生も「とらえどころがない」と言っていた部分も「水が澄んでいてキラキラ」「山々の向こうに届くような響き」といった自然のイメージで情景を描くことで、一つの形を見つけられたのではないかと思いました。 本校ではアンサンブルはとても大切にしており、聴いている生徒たちにとっても、多くの学びがあったのではないかと思います。 まだ研修旅行まで間があります。今回得たことをしっかり自分のものにしてさらなる高みを目指してください。 ![]() ![]() オーケストラ3年生幹部、2年生へバトンタッチ
10月28日(火)の合奏の時間は、これまで1年間オーケストラを支え、引っ張ってきた3年生幹部から2年生への引継会がありました。
3年生の幹部の6名が後輩に向けて、時には涙をこらえながら一人一人がこれまでの歩みや想いを伝えました。 日々の授業だけでなく、演奏会、リハーサル、セッティング、パート間の連携、そしてオーケストラ全体の空気をつくる役割を担ってきた3年生。それぞれが、自分の役割に迷いや不安を抱えながらも、仲間を支え合い、音楽を通して深い絆を築いてきたことが伝わってきました。 一人が言っていた「不安だったソロの後に全員でTuttiで入ってきたとき涙が出るほど嬉しかった」という言葉に、オーケストラの素晴らしさの神髄を垣間見た気がしました。 また、セッティングや楽器管理、ホールでのマナーなど、音楽以外の“目に見えない部分”の大切さについても、次の世代へ丁寧に受け継いでくれました。 最後に「幹部になったことで自分も成長できたし、みんなのおかげでオーケストラをもっと好きになれました。みんな仲がいいのが取り柄なのでそれをもっと生かしていい音楽をつくっていってほしい」とエールを送り、全員から大きな拍手が贈られました。 続いて、2年生の新部長から3年生へ向けて感謝が述べられました。 「先輩の姿から、真剣に音と向き合うことの大切さと、音楽を楽しむことを同時に学びました。これから悩んだり、壁に当たったりすることもあると思いますが、そのたびに先輩方の姿を思い出して進んでいきます。」 「1年間、本当にありがとうございました。大好きです。」で締めくくられましたが、言葉の中に、先輩を慕うあたたかな気持ちと、背中を受け継ぐ意志がこもっていたように思いました。 3年生幹部の皆さん、1年間本当にお疲れさまでした。ありがとう。 ![]() ![]() 令和8年度 京都市立京都堀川音楽高等学校 教員公募募集要項2年生研修旅行最終説明会・結団式
10月27日(月)、保護者も交えた研修旅行最終説明会と結団式が行われました。
説明会としては、校長挨拶、担任からの「有意義な研修旅行」見向けての諸注意と心構え、保健部より旅行中の健康管理についての話の後、お世話になる旅行社より行程の詳細や注意事項、現地の状況などを説明いただきました。 その後、結団式として、現地で行うコンサートで演奏する合唱の3曲(『生命の奇跡』『故郷』『O be joyful in the world』)を保護者のみなさんの前で披露しました。 その後研修旅行委員長と副委員長から研修旅行のテーマである「Regalo(贈り物)」と5つの目標を紹介し、決意表明をしっかりと行ってくれました。 いよいよ2週間後に迫った3年間での一番大きなイベントになるだろうヨーロッパ研修旅行ですが、本番さながらに合唱し、改めて目標を声に出して表明したことで、2年生みんな研修旅行に向けて気持ちがまた一段上がったのではないかと思います。 まだまだ準備することも、また準備できることもあると思います。いい研修旅行になるようこの2週間取り組んでください。 ![]() 京都城巽音楽フェスティバルが開催されました。
10月25日(土)「第19回京都城巽音楽フェスティバル」が行われました。地元城巽自治連合会と本校との共同開催の演奏会で、本校の移転が決まってから、一緒に「音楽の街城巽」を作り上げていく目的で続きている演奏会です。
出演は、本校生徒のオーケストラと合唱、本校のPTA音友会コーラス、地元の方々の城巽コーラス、堀音の校舎でご一緒している京都市少年合唱団と京都子どもの音楽教室の皆さまでした。 それぞれが、日頃から音楽を愛して、楽しんで、そして真剣に取り組まれている様子がよくわかる演奏会でしたし、音楽は本当にいろいろな素晴らしさを持っているんだということを実感しました。 また、例年にもまして聴きに来られる方がいっぱいで、とても嬉しく思いました。それぞれの団体の関係の方が多かったですが、それぞれの出演が終わると入れ替わる形で常に満席の状態で、演奏者にとっても聴きに来られた方にとっても、とても貴重な時間になっているのだなぁと改めて感じました。 音楽は演奏者と聞き手とのつながりがあって初めて成り立つ芸術です。一所懸命演奏すること、精いっぱい自己表現すること、それらをしっかりと受け止め心を動かす人がいる、そんなつながりの中で、それぞれが思うこと感じることがホールの中にいっぱいに広がって、幸せな時間を作り上げているように思います。 そんな演奏会をこれからも続けていけたらと思います。 本校生徒たちにとっても、オーケストラ定期演奏会が終わってからの大きなステージでした。この間取り組んだことをしっかりと出せて、いい本番になったのではないかと思います。同じ曲を今度は11月23日(日)のKyoto Music Caravanでも演奏しますので、さらなる高みを目指して1ヶ月間取り組んでほしいと思います。 【写真】 上3枚 独唱:声楽専攻3年生 中上3枚 指揮:指揮専攻3年生 中下3枚 ソリスト:2名の本校教員 下5枚 合唱(ピアノ伴奏:3年生) ![]() ![]() ![]() ESSハロウィンパーティー
10月23日(木)昼休み、ESSの活動として会議室でハロウィンパーティーが開かれました。
このイベントは、ALTの先生が中心となって会議室の飾りつけやお菓子の準備をしてくださり行われました。ESS以外の生徒にも参加を呼びかけられていたせいか、中の様子に興味津々ながらも、最初は会議室の中に入ることを躊躇するような生徒もいましたが、中に入ると"Trick or Treat"などと言いながら、皆で仲良くお菓子を一緒に食べていました。 また、生徒と先生が一緒に「Word Collection」や「Uno」といったゲームを楽しむ姿も見られました。「Word Collection」はホワイトボードに不規則に書かれたアルファベットの中から英単語を見つけるゲーム。Unoはゲーム中はできるだけ英語で話しながらプレイしていきました。 短い時間でしたが、少しでも英語を話す機会となればと思いますし、また、他国の文化に触れる機会になればと思います。 ![]() ![]() ![]() 時代祭&能楽鑑賞会
10月22日(土)は京都三大祭りの一つである時代祭が行われました。本校の地元の城巽学区は9年に1度「藤原公卿参朝列」を担当することになっているのですが、今年度がその年となり、本校から祭りの行列が出発しました。
早朝から、馬3頭が本校のグラウンドに登場し、それに続いて城巽地域の方々が本校に集まってこられました。そして、城巽地域の方々は平安時代の装束に着替えてられ続々とグラウンドに出ていかれました。登校してきた生徒はその様子を興味津々に見ていました。 様々な着物に加え、トラやヒョウの毛皮、弓矢など多くの宝物を持った長い行列が本校を出発する際には、その様子を多くの生徒が教室の窓を開け、歓声をあげながら眺めていました。 また、放課後に1年生は、金剛能楽堂で行われた「市立高校伝統文化体験 能楽鑑賞会」に出かけました。この会は、京都市教育委員会が主催し、一般社団法人京一商西京倶楽部の協賛で京都市立高校生を対象にした能と狂言を鑑賞する伝統文化体験事業です。 演目は、狂言の「柿山伏」と能「船弁慶白波之伝」でした。 先週の歌舞伎に引き続き、日本の伝統文化をたっぷりと体験した生徒達。自分たちがどのような文化の中で生きているのかということをしっかりと意識しながら、鋭い目線で西洋音楽と向き合ってほしいと思います。 ![]() ![]() 城巽音楽フェスティバル最後の合唱・合奏練習
10月21日(火)は、今週末に迎える「第19回京都城巽音楽フェスティバル」の合唱・合奏の最後の練習でした。
オーケストラは3曲演奏します。3曲はそれぞれ趣向があり、1曲目は3年生の声楽専攻の生徒のソプラノ独唱でオーケストラをバックにアリアを歌いあげてくれます。 2曲目は3年生の指揮専攻の生徒が指揮をします。普段はピアノを演奏してもらうことで指揮の勉強をしていますが、実際のオーケストラを振れることは、本当にいい経験だと思います。 3曲目は本校の音楽科教員2名がピアノのソリストを務めます。(先日記事にしました‥) 今日の練習は、弦楽器・管楽器ともにエキストラさんが入ることで、音も豊かになり、楽譜本来の形になったうえで、最後どう整えるかという段階だったのかなと思います。さすがに本番直前ということもあり、キュッと気持ちが引き締まって練習に取り組めていたように感じました。 合唱も3曲演奏します。イギリス、アメリカ、日本の作曲家の曲で、それぞれ違った色合いを持つ曲でに取り組んでいます。 それぞれの曲の雰囲気をどう声で表すかがとても大切なのだと思いました。音楽と色は演奏するうえで曲のイメージを持ったり、共有したりするのにはよく使われており、曲全体の色合いや、特定の音の色を意識しながら歌うことで、ぎゅっと一体感が増したように思いました。 今日の練習の後は、おのおのの練習と当日午前中のリハーサルで本番を迎えることになります。 本校がある城巽地区の大切な演奏会です。皆さん、ラストスパートしっかり集中して頑張ってください ![]() ![]() 南座での歌舞伎鑑賞を通して日本の伝統文化にふれる(後編)〜團十郎さんとの共演、舞台の熱気〜
今回のラストでは、市川團十郎さんによる『暫』の拵え(こしらえ)が舞台上で行われました。
幕が上がると、舞台中央の少し高くなった台の上に鏡が置かれ、その一角だけにスポットライトが当たっていて、そこへ團十郎さんが客席へ話しかけながら登場し、鏡の前に腰を下ろされました。そこに三味線一挺の音が流れだし、解説も加えつつ團十郎さんはゆっくりと化粧を施していかれました。音と動きが呼応し、まるで音楽そのものが所作を支えているようでした。 化粧が整うと一度幕が引かれ、お囃子が加わって再び幕が上がり、今度は立ったまま後見の方々に衣裳を整えてもらう場面でしたが、ここでも解説やおしゃべりをしながら鎌倉権五郎景政へとなっていく様子を見ることができました。 そして、すべてが整うと中幕がすっと落とされ、舞台は一転して『暫』の世界へ。堂々と舞台中央に立ち、見得を切るその一瞬の迫力に、客席全体が圧倒されました。 生徒たちは、その目力と動きに込められた圧倒的な存在感から、舞台芸術の「生きた力」を全身で感じ取っていました。 実はこの日、本校にとってはとても大きなサプライズがありました。「藤娘」の次の「ご挨拶」では、観客の中から希望者を1名募って『暫』の衣裳を着せてもらうという企画が組み込まれていて、なんと本校の1年生が選ばれ、舞台に上がりました! 團十郎さんと同じように後見の方々に着せていただけました。舞台にも満員の観客にも臆することなく、團十郎さんとの軽妙なやり取りの中、落ち着いて受け答えする姿に、客席からは大きな拍手が送られていました。 この時、会場から質問を受けられて、本校3年生が質問の機会を得ました。「今後どんな作品を歌舞伎で取り上げたいですか?」という問いに、團十郎さんは「特にないですね。音楽高校ですよね?どんなものを取り上げてほしいですか? 提案してもらって南座でかけましょう」とユーモアを交えて返答されて、会場は温かい笑いに包まれました。 終演後、スタッフの方に生徒が舞台に上げてもらった時のことをお聞きすると、「10月初めの博多から続く公演の中で、この日が一番盛り上がりでした。舞台に上がった生徒と團十郎さんの波長がぴったり合っていたように思います。」とのこと。舞台の時も團十郎さんも「今までの中で一番似合っている」とおっしゃっていました。本当にいい経験をさせてもらえたと思います。 今回の団体鑑賞を通して、生徒たちは音楽という枠を超え、日本の芸術の深さと多様な表現の力を肌で感じることができたのではないかと思います。 まさに“本物と出会う”時間となったのではないかと思います。 ![]() 南座での歌舞伎鑑賞を通して日本の伝統文化にふれる(前編)〜息を呑む美しさと、舞台芸術の力〜
10月17日(金)、今年度の団体鑑賞でした。南座で行われている市川團十郎特別公演の夜の部「Invitation to KABUKI 歌舞伎の世界」を全校生徒で見に行きました。
演目は、「二人藤娘」「ご挨拶」「菅原伝授手習鑑 車引」「荒事絵姿化粧鏡(はなのえすがたけわいかがみ)市川團十郎『暫』の拵えを舞台にて相勤め申し候」でした。 普段は西洋音楽を学ぶ生徒たちにとって、日本の伝統芸術の真髄にふれる本当に貴重な機会となりました。 最初の『藤娘』は、真っ暗な舞台に音だけが響き渡る中で始まり、照明が一気に灯る瞬間に現れる華やかな舞台に客席全体が息を呑みました。繊細な踊り、鮮やかな舞台装置、そしてお囃子の美しい響き。音楽を日々学ぶ生徒たちは、その「音の演出」にも心を動かされたのではないかと思います。また、「車引」の荒事の立ち回りの迫力や場面転換の鮮やかさなど、伝統美と舞台技術の高さに圧倒される時間となりました。歌舞伎役者の方はもちろんのこと、囃子方も含めて、その所作の美しさもとても印象に残りました。 演出は、歌舞伎通の観客にも初めて観る人にも楽しめる構成でした。休憩中には、幕を閉めずに舞台転換の様子がそのまま公開され、普段は見られない“裏方”の動きに生徒たちはとても興味をひかれていました。コンサートの舞台転換を日常的に行う生徒たちにとって、プロの動きから多くの学びを得ることができたのではないかと思います。 また、ロビーでは『暫(しばらく)』の衣裳と同じ重さの装具(約60kg)を背負う体験もあり、多くの生徒は立ち上がることができませんでした。挑戦した生徒たちは「これで演技をされるのか」と驚きの声をあげていました。 他にも大きな演出とサプライズがありましたが、それは後編で。 今回生徒たちは「自分たちの世界をどれだけ広げられるか」を感じ取っていたのではないかと思います。 ![]() ![]() |
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