京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/11/01
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10月26日(土)の京都城巽音楽フェスティバルへのご来場、本当にありがとうございました。とても多くの方にお越しいただいたため、お席を譲り合いながらお聞きくださいましたことに、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

はなむけ。

 昨夜までの雨があがり、弥生3月となったこの日、本校ホールにて午前10時より、京都市立京都堀川音楽高等学校 第14回 卒業証書授与式を挙行し、75期39名に卒業証書を授与することができました。

 ご多忙のなか、ご臨席を賜りました、京都市教育委員会学校指導課指導主事 田中佑明様、城巽自治連合会会長 香川史朗様、京都堀川音楽高等学校PTA音友会会長 石原かおり様 他役員の皆さま、京都・堀音同窓会会長 塩見亮様、堀音父母の会会長 樋口千鶴様、また多くの卒業生の保護者の皆さまに、心より御礼申し上げます。おかげさまで、温かで引き締まった式となりました。

 在校生全員が参列する本校の卒業式。3学年が心を合わせて歌う校歌合唱は、胸に響くものがありました。京都・堀音同窓会長の塩見先生のお祝辞では、ピアニストとして、また、本校や京都市立芸術大学などでも生徒・学生をご指導なさっているお立場から、若き音楽家としての卒業生に、お心のこもったエールを頂戴いたしました。2年生の生徒代表の送辞は、本校の縦のつながりの強さが垣間見える、先輩方への感謝にあふれるものでした。語り終わると、卒業生たちから自然に大きな拍手が起こったのも、堀音らしい瞬間でした。

 卒業生代表の答辞は、この3年間の「宝物」と言える時間を振り返り、最後に、3年次の文化祭で取り組んだ「レ・ミゼラブル」の作者、ヴィクトル・ユゴーの言葉「人間は、鎖を引きずって歩くためにではなく、翼を広げて天翔けるためにつくられているのです。」を紹介し、「何にも縛られず、人間が自由を謳歌できる社会を作るため、私たちは音楽でできることを考え続けていく」と抱負を述べました。

 以下、本日の学校長式辞の一部を掲載いたします。長くなりますが、お読みいただけますならば幸いです。
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 この4月からあなた方とこの校舎で過ごす時間の中で、ある一つの言葉をしばしば思い出しました。大学では哲学を専攻していたという前任校の国語の後輩教員が、ある時私に教えてくれた言葉です。それは「ヴァルトアインザムカイト」。「ヴァルト」は森、「アインザムカイト」は孤独。単純に日本語に訳せば「森の孤独」となります。「孤独」というとネガティブな印象を抱くかもしれませんが…とその後輩教員は次のように説明してくれました。
 この言葉はドイツ語ならではの意味の拡がりを持っている。森の中にひとりたたずんでいるとき、私たちの心に往来するさまざまな気持ち、寂寥感や哀愁、そういう気持ちのみならず、豊かで恵み深い森に包まれる安心感や、再生の場としての森からエネルギーを得る高揚感をも含む、独特で複雑なニュアンスを持つ言葉、そんなふうな説明でした。

 「ヴァルトアインザムカイト」ということばを教わったときに、私は「ことば」「言語」というものを考えるときに有効な単語だと思いました。例えば、私たちは同じ日本語を使って、お互いのコミュニケーションをとっています。自分の思いや考えも、ことばを選びながら、なんとか伝えようと努めます。しかしそれが本当に相手に届いたのか、自分の思っているとおりに受け取ってもらえたか、これは厳しく言えば何の保証もありません。
 一方で、作り手が「言葉」の持つ孤独に耐えて、もしくはそれに後押しされて、そうして紡ぎ出した文学作品は、人々の多様な受け止めの豊かさを身にまといながら、名作、古典となっていくのでしょう。
 あなた方が音楽に対して、こう表現したい、こんなふうにこの音楽を伝えたいと演奏するとき、どこまでも楽譜を読込み、表現したいことが表現できるよう練習を重ねる。アンサンブルや合唱・合奏では、まず仲間同士で相互理解が必要、先生方がご教示くださることはたくさんあっても、最後は自分の音楽。そして、さきほどお話した「ことば」と同じようにそれを聞き手がどうけ取るか、どのように感じるかはきっと何の保証もない。趣味の音楽は自分さえ楽しければそれで問題ない。しかし、音楽に志すということは、その「孤独」を道連れにする、厳しいことなのだ、と感じることが、この数か月で何度かありました。
 しかし、「孤独」であって、「孤立」ではない。「音楽」そのものが恵み深くエネルギーをもたらす「森」として人を包みこむこと、また、その「孤独」を内に抱える仲間の存在があること。「孤独」を引き受けるがゆえに、人は本当の意味でつながることができる、引き合う引力を持つ、そんなこともあなた方は自然に会得していっているように思えました。

 もうひとつ、「ヴァルトアインザムカイト」ということばから辿って、思ったことがあります。後輩教員が教えてくれたように、この言葉にはドイツ語ならではの意味の拡がり、文化の背景があり、日本で、日本語で暮らす者には、その言葉の持つ真の意味をとらえることは難しいかもしれません。
 しかし、音楽は、言葉や文化の壁を超えていく。その確信が、大きな戦争が終って、人々の日々の生活も、日本の国としての国際社会での立場も、たいへん困難な状況にあった、昭和23年というあの時代に、新制高等学校に西洋クラシック音楽を専門に学ぶ、音楽課程を作ろう、という、常識の枠外の悲願を生んだのではないかと思います。そうして堀音を誕生させた、京都の先人たちの卓越したセンスに、私は圧倒されます。
 今、私たちの回りには、人類の、「進歩」「発展」ゆえに、人が、世界が、請け負うことになった、複雑な課題が多く横たわっているように思います。そんな中で、あなた方が言葉や文化の壁を超えることのできる音楽に志していくことは、とても確かで深い意味があると、私は思います。堀音の先輩方が、また多くの西洋クラシック音楽を愛した方々が、東洋人の誇りをもって、また先ごろ逝去された小澤征爾さんのお言葉を借りれば、「外様にしか見つけられない本質」を求めて、壁を突破し続けていらしたことの恵みを受けて、あなた方のくもりなき眼(まなこ)でことの本質をみつめ、音楽を通して多くの人とつながりあって、ご自分の、また周囲の人々の幸いを探り当てていってほしいと願います。

 あなた方の堀音での時間の傍らにあって、今お話ししてきたように、音楽の力を私なりに感じとることができました。音楽というものを本気で追究するなら、音楽の悦びを感じ続けるなら、変化のスピードが激しく、先行き不透明なこれからの世界を、ヒトが人たる神髄を大事にしながら、多様な人々と互いを受容しながら、ときにはやりすごしながら、前に進んでいく力と知恵を、得ることができるのだと、あなた方から教わったように思っています。
 だから、「大丈夫」。そう言って、あなた方を送り出せます。
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卒業生のこれからの日々が、生み出す音楽が、豊かなれ、と願うばかりです。
校長 中村 陸子


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2月から3月へ。

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今日は4年に1度の(正確にはそうでないこともあるそうですが)うるう日2月29日(木)。教職員の朝の連絡会で校長から、この貴重な一日を大事に過ごしましょう、と話がありました。

7時間目が終了してから、全教職員で、いよいよ明日に迫った卒業式のための会場設営を行い、音楽ホールのステージが、式典のしつらえに整いました。

京都市立京都堀川音楽高等学校 第14回 卒業証書授与式は、明日3月1日(金)午前10時開式です。

春 遠からじ。

今日2月28日(水)は、数日ぶりに、美しい青空を見ることができました。この季節らしい、静かな美しい青空。

玄関前の桜の木には、小さな花芽がついていました。桜の花びらを使っても、決してピンク色に布を染めることはできない。花が咲く前の、ちょうど今ぐらいの季節の桜の樹を使うと、上品な桜色に染め上がる。桜は、花を咲かせるその日まで、じっくりと樹木の中に色を貯めているかのよう…そんな染色家の文章を読んだことがあります。

75期3年生の何人もが、大学という次のステージを目指して、奮闘中です。堀音でじっくりと蓄えた力を全て発揮でき、自らの夢の第一歩を踏み出せるよう、願うばかりです。


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イタリア語 ディクション講座

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2月26日(月)12月から放課後の特別講座として始まった、イタリア語ディクション講座が第3回最終回を迎えました。音楽でのディクション(歌唱発音)とは、声楽に必要なスキルで、聴衆にはっきりきこえるように、正しく美しい発音で歌うことを目指すものです。

第1回から第3回まですべて、大阪音楽大学でディクションのご担当の非常勤講師ジュリオ・デ・パオリス先生(イタリア ローマのご出身)のご指導、イタリア歌曲のご指導は毎回異なる大阪音楽大学の先生にお越しいただくという展開の講座でした。今回は大阪音楽大学教授の田中 勉先生が講師としてお越しくださいました。直接ご指導を受けるのは、3年生の声楽専攻の生徒たち。1、2年生の声楽専攻の生徒たちは聴講。持ってきた楽譜に先生方のご指導を熱心に書き込んでいました。

ジュリオ先生は、生徒がイタリア歌曲の歌詞をイタリア語で朗読するのを聞いてくださり、良い発音のところを褒めながら、改善点をご指摘くださいました。何度も実際に発音してくださるのと同時に、その単語の母音と子音の関係、口の形や舌の位置などわかりやすく説明されました。生徒たちの吸収力や対応力を感心してくださることが嬉しいことでした。ジュリオ先生にご指導いただいたことを活かして、実際に歌うところからが、田中先生のご指導です。ジュリオ先生のご指導とつなげて、イタリア語を大事にしながら、またユニークな語り口で指導をしてくださるので、生徒たちの理解が早く、どんどん表情豊かな、イタリア歌曲らしい歌になっていくのがわかりました。

受講した3年生の3名は、これから受験の生徒もいて、今回の講座はたいへん有意義であったようです。最後に、お二人の先生方は、聴講の1、2年生も含めて質問に答えてくださいました。生徒たちは、今勉強している中で疑問の思っていること、迷っていることを積極的に先生方に質問していました。来年度もこのような機会を持つようにしていきたいと考えています。


第18回 ピアノコンサート開催

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三連休の中日、2月24日(土)は久しぶりに雨があがり、気温は低いものの、春を予感させる日の射すお天気となりました。この日の本校ホールは、2つの催しが行われ、たくさんの方のご来場をいただきました。ひとつずつブログにあげていきます。

まずは14時開演の第18回ピアノコンサートの話題からです。このコンサートは、本校ピアノ専攻の生徒8名(1年生3名、2年生5名)が選抜され、ソロの演奏を披露します。多くの方のお申込みをいただき、はやばやと定員まで埋まりました。ご来場くださった方へのお礼とともに、いらしていただけなかった方々へのお詫びを申し上げます。3月21日京都コンサートホールでの第14回卒業演奏会はまだチケットがございますので、どうぞお申込みください。

ピアノ専攻以外の1年生4名が、会場ボランティアスタッフとして受付や会場整理に活躍してくれました。演奏した生徒たちは日頃の成果を思い切って発揮してくれたと思います。

以下、当日プログラムの学校長ご挨拶(抜粋)を紹介します。
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暦の上では、雨水の候を迎えています。降る雪が雨へと変わり、雪解けが始まる。山に積もった雪もゆっくりと解け出し、田畑を潤す。雨水は農耕を始める時期の目安とされてきたようです。(中略)

ピアノは鍵盤を押せば、ともかくも誰にでも音が出せます。しかし、いえ、それゆえに、ピアノ専攻の生徒たちの、その生徒のその曲のその時に求める音色の、また表現の追究に、私は心を揺さぶられます。門外漢の私にも、生徒たちひとりひとりのピアノの演奏は、音の肌理(きめ)というようなものを感じさせてくれます。

本校のピアノ専攻の全ての生徒たちは、ソロの他に、クラスメイト(時には学年の枠も越えて)の伴奏、合唱の伴奏を経験します。それらを良い勉強の機会と捉えて、手を抜かずに取り組んでいる生徒たちに頭が下がります。今日ステージに上がる生徒たちとともに、ピアノ専攻全ての生徒に敬意を表したいと思います。

生徒たちがこれまでの学びを糧に、のびやかに演奏してくれることを期待し、また、本日が雨水の候にふさわしく、それぞれの生徒の次のステップへのスタートラインとなることを願っています。(後略)
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令和6年度前期選抜 合格発表

本日2月22日(木)の14:00〜16:00、過日実施した前期選抜検査の合格発表を行いました。例年は、音楽ホールのホワイエを合格発表の会場としていましたが、今年度は101教室を使用し、発表を見に来られる中学生・保護者の方々と本校生徒の動線とが全く重ならないような工夫をして実施しました。

東側昇降口で靴を履き替え、101教室に入り、受付番号の掲示を確認。合格者は受付に向かい、受検票を出して、合格通知書と種々の書類の入った大きな封筒を受け取る。後方の机で封筒の内容を確認。成績開示を希望する生徒は、その列に並ぶ。という手順で、スムーズに進行しました。

合格者の皆さんは、残り少なくなった中学校での学びの時間を大切にしながら、3月19日の合格者登校日までに、保護者の方のご協力も得ながら、すべきことを計画的に漏れなく行ってきてください。

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75期 弾き合い会

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2月21日(水)9:00〜13:00、本校ホールにて、大学入試実技試験を直前に控えた3年生の希望者による、弾き合い会が行われました。本日ステージにあがったのは、声楽専攻3名 ピアノ専攻6名 ヴァイオリン専攻2名 ホルン専攻1名、の合わせて12名でした。

音楽科教員である担任の他に、副担任や、他の音楽科教員も応援に駆け付け、譜めくりや伴奏を引き受ける、贅沢な会となっていました。生徒たちは、受験する大学の試験曲を、広い空間で演奏し、動画を撮って自分でチェックしたり、聴いてくださった先生方にアドバイスをもらったりしていました。どの生徒も緊張や不安はあるでしょうが、自分の積み重ねてきたことへの手ごたえを持っているようで、笑顔でのびやかに演奏する姿が愛おしく思えました。

国公立大学前期日程が始まる2月25日から、本校の生徒が受験する大学でも順に試験が始まっていきます。

通常授業、再開!

2月20日(火)

2月13日(火)から5日間にわたり実施された1、2年生進級実技試験が終わり、今日から通常授業が再開されました。3月初めの学年末考査まで、あと少し。それぞれの科目で、今年度のラストに向けて内容濃く、密度の高い授業が展開されていきます。

朝のショートホームルームでは、実技試験の結果が返され、担任・副担任の先生からの厳しくも温かいお言葉とともに神妙に厳粛に受け止めて、来年度の前期実技試験に向けて(新3年生は特に大切な「公開実技試験」となります)に向けて、気持ちを引き締めていたようです。

休み時間になると、多くの生徒が、進級実技試験の講評を聞きに音楽科の先生方のもとを訪ね、良かった点や惜しかった点、今後に向けてのアドバイス等を熱心に伺っています。
授業やレッスンの一瞬一瞬を大切に、しっかり学んで、来年度につなげていってほしいと思います。

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Kyoto Music Caravan 2023 合唱合同練習

今年度1年かけて京都市立芸術大学新キャンパス移転&文化庁京都移転 記念事業として行われてきた、Kyoto Music Caravan(主催: 京都コンサートホール 京都市、京都市立芸術大学、京都市交通局)のラストを飾る、「スペシャル・コンサート」が3月30日(土)、京都市立芸術大学の新キャンパス 堀場信吉記念ホールにて行われます。京都市立芸術大学音楽学部・音楽研究科有志、京都市少年合唱団、京都子どもの音楽教室、京都市ジュニアオーケストラ有志、そして本校堀音の生徒たちが合同で演奏を行う、華やかなステージとなる予定です。

その合唱のプログラムの初めての合同練習が、2月19日(月)17:30より本校のホールで行われました。それぞれの学校での授業などを終えて集まった児童・生徒・学生の皆さんに、京都コンサートホール プロデューサー 高野 裕子さんから練習を始めるにあたって、本番まで体調管理に気をつけてがんばってほしいとご挨拶があり、その後本校校長と合唱指導の先生方、ソロを担当する京都市立芸術大学の学生の方々などをご紹介くださいました。

合唱をメインで指導するのは本校教員、ピアノ伴奏は京都市少年合唱団の指導をなさっている先生。引き締まった、そして丁寧な指導で、年齢や経験の異なるメンバーたちのまとまりが、徐々に出てきているようでした。

次の合同練習は3月22日(金)、もう一度本校ホールで行われ、その後は本番まで京都市立芸術大学での練習が続きます。本校の生徒は、合唱だけでなく、オーケストラの合同演奏にも出演します。令和5年度、最後の最後まで仲間とともに挑戦を続ける堀音生です。

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紅梅が咲いています。

まだまだ寒い日もありますが、暦の上では立春を過ぎ、空の色や日中の日差しに、春を感じられる季節となりました。本校の油小路通りに面した東門を入ったところには、城巽校の沿革の碑とともに、梅の木が植えられています。今日はちょうど満開といえるような状況で、傍を通るとほんのりと梅の香りがしていました。

今週火曜日、専攻ピアノから始まった進級実技試験は、声楽、管打楽と進み、副専攻ピアノ、声楽の試験も含めて1名の欠席者もなく週末を迎えています。土日を挟んで19日(月)にクラシックギターと弦楽の生徒の試験を残すばかりとなりました。

生徒の成長をはっきりと感じさせてくれる進級実技試験は、緊張感とともに、なんとも清々しい気持ちをもたらしてくれます。生徒たちの“本気”の演奏に、また、これまでの専攻の先生方のご指導に、心から御礼を申し上げます。

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