京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/06/26
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第12回卒業証書授与式を挙行しました

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3月1日(火)

午前10時より、第12回卒業証書授与式を本校音楽ホールで挙行し、第73期生39名が巣立ちました。

コロナ感染拡大防止のため、国歌・校歌は放送を聴くだけにしたり、ご来賓の皆様からの祝辞をなくしたりといった措置がとられましたが、校長先生の式辞や送辞・答辞が、共通の思いが響き合うようなメッセージとなって、参列者の胸を打ちました。

以下、校長先生の式辞です。

式辞

今年の冬は寒さの厳しい日が続きました。そんな寒さの中、本校東門にある梅もようやく花が咲き、春の兆しが感じられるようになってまいりました。
(中略)
ただ今、第73期生 39名に卒業証書を授与いたしました。めでたくこの日を迎えた卒業生の皆さんに心からお祝いの言葉を贈ります。

卒業おめでとうございます。

また、これまで本校の教育にご理解・ご協力を賜りました保護者の皆様方にも、心よりお祝いを申し上げます。本日は大学入試受験のため、この場に出席できない生徒もおりますが、ここでその卒業を祝福し、それぞれの皆さんの健闘を祈りたいと思います。

さて、卒業生の皆さん。皆さんにとってこの京都堀川音楽高校での高校生活はどんなものでしたか。新型コロナウイルス感染症の影響で臨時休校があり、楽しみにしていたヨーロッパ研修旅行にも行けませんでした。文化祭は時間短縮で、各種コンサートも中止となったもの、無観客や客席を半分に制限して行われたものがほとんどでした。振り返れば悔しかったこと、残念だったことばかりが思い出されます。

私自身は皆さんとはこの一年間のお付き合いになるのですが、校長としての初めてのコンサートは4月13日、ヨーロッパ研修旅行の代替行事として開催された、73期コンサートでした。あの時、自分たちの手でコンサートを成功させようと動き回る皆さんの姿に、ありきたりな言葉ですがとても感動したことを覚えています。しかし一方で皆さんのコンサートの成功に向けた一生懸命な姿の裏側に皆さんのヨーロッパ研修旅行に行けなかった無念さも見えました。皆さんの高校生活最後の一年を何とか思い出深いものにしてあげたかったのですが、その後も新型コロナウイルスのため、させてあげられないことも多く、結局、皆さんにはがまんばかりをさせてしまったように思います。

緊急事態宣言が出され、オーケストラ定期演奏会も延期の決定をした頃であったと思います。皆さんの代表が「合唱・合奏」の授業再開を求めて校長室に来てくれましたね。授業を実施するために、自分たちに何ができるのかを考えるだけでなく、全校集会を開き、すべての生徒に声掛けを行い、当番を組んで感染防止活動を続けてくれました。皆さんの姿に私たち教職員も背中を押され、様々な制約はあるものの、感染対策を行うことで「合唱・合奏」の授業を再開することができました。皆さんにはがまんばかりをさせてしまった。先ほど私はそう言いました。しかし、その中で皆さんはそれぞれに学び、考え、着実に力をつけてくれたとも思っています。

卒業生の皆さん、皆さんがこれから立ち向かっていく世界はさまざまな混乱に満ちています。新型コロナウイルスの脅威は依然として収まらず、世界情勢は不安定さを増しています。エネルギーや食糧に関しても解決すべき課題が山積しています。そんな中に皆さんはこれまで学んだ「音楽」で、皆さんの愛する「音楽」でどのように立ち向かえばいいのでしょうか。答えは簡単には出ないでしょう。それでも何ができるのか考え続けてください。ショパン国際ピアノコンクールで入賞するような大きなことを目指すことも、すぐ身近にいる人の不安を癒すこともその答えの一つであるかもしれません。皆さんはこの先もまだまだ多くの先生方のご指導を仰ぐことが多いとは思いますが、その中でも自分で考え続け、求め続けてそれぞれの答えを探していってもらえればと思います。

皆さんが進もうとする道にはいろいろな困難もあるでしょう。時に不安に打ちひしがれることも、自らの限界を感じて努力の意味が見えなくなることもあるかもしれません。それでも進み続けてください。これまでお世話になった保護者の皆様、お世話になった先生方、皆さんに関わってくださったすべての皆様への感謝の気持ちを忘れずに進んでください。まっすぐでなくてもいいのです。自分で考え、自分が求める方向に自分の責任として進み続けてください。進み続けたその先に、きっと皆さんにしかたどり着けない何かが待っています。困難の多かった高校生活を自分たちの力で切り拓くことができた皆さんなら、成し遂げられることだと信じています。

私の好きな小説には、集中豪雨のため体育館に避難してきた人々の不安がピアノの演奏によってかき消されるというくだりが描かれています。あくまでもフィクションではありますが、皆さんが音楽の力を信じ、進んでいったならそんなこともできてしまうのではないかと期待してしまいます。自分を、音楽の力を信じて頑張ってください。
(後略)
 
令和4年3月1日
京都市立京都堀川音楽高等学校 校長 北村光司
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