今回の台風により被災された皆様,またお亡くなりになられた方々に対しまして,心よりお見舞いとお悔やみを申し上げます。
さて,いよいよ明日,修学旅行に出発します。
今年度の修学旅行は,ここまで来るのに大変な思いを皆さんも,そして先生方もしてきました。方面や実施時期だけでなく,修学旅行そのものを「実施していいものかどうか」と悩み続けてきました。先生にとっては今回で15回目となりますが,これまでは修学旅行に行くことは当たり前と考えていました。しかし,今回の修学旅行については,「今,行ける喜び」を素直に感じています。だからこそ,この3日間をより大切にしたいと強く願っています。
当初,5月下旬に沖縄へ行く予定でした。コロナの感染拡大により,市内中学校の全校が2学期に延期となりました。自分の『命』,大切な人の『命』を守るために,明日からの3日間も感染症対策には万全を期さなければなりません。「新しい修学旅行のスタイル」を,「ウイズ・コロナ」を意識して,新たに創出していくことが皆さんに求められています。
その後,方面については「民泊と平和学習を経験させてやりたい」ということで,九州の佐賀県と長崎県を選択しました。しかし,出発直前の台風9号と10号の発生に心痛みました。大きな被害が出なければいいのだが…と祈るような気持でした。被害の状況によっては,「修学旅行の中止」も覚悟していました。そして更に,被災者や亡くなられた方々がおられる現在の九州を,修学旅行で訪れていいものかどうかとも考えました。修学旅行は,学びを修める校外での学習です。被災地や被災された方々の気持ちに,思いを馳せることができる3日間にしなければなりません。被災直後の九州を訪れることで,防災(『安全』)への意識を子どもたちと共に高めていきたいと考えています。
また,2日目に訪れる長崎の地では,戦後75年の重い歴史を学んできたいと思っています。今夏の8月9日に,「長崎を最後の被爆地に」という願いと決意を全世界に発信しました。節目の年に現地を訪れることで,平和への願い,『人権』の大切さについて学びを深めてほしいと願っています。
ここまで来るのに,本当に試行錯誤と紆余曲折の連続でした。だからこそ,「修学旅行に行けることの意味」をしっかりと考え,皆さん一人一人にとって「かけがえのない3日間」にしていかねばならないと,決意を固めたところです。『命・安全・人権』,この3つを今回の修学旅行の『学びの3本柱』にしてほしいと願っています。
保護者の皆様には,今回の修学旅行の実施につきまして,多大なるご心配をおかけし誠に申し訳ありませんでした。コロナ感染症対策に気を緩めることなく,事故や怪我のない安全・安心な修学旅行を実施してまいります。何卒ご理解とご協力をお願いいたします。
さあ明日,体調も万全に,爽やかな笑顔で元気に出発しましょう。
「行ってきます!」
令和2年度修学旅行出発前日
校長 浜矢 全
(※写真は本日の「修学旅行結団式」の様子です。)