式辞
新入生の皆さん,ご入学おめでとうございます。
中学校への入学は,「自分を変える」いい機会になります。小学校で,「頑張った」と思えるところは,更に伸びるよう,もうひと工夫加えてください。また,小学校の時に,「もう少し頑張れたかな…」と思うことのある人は,課題の克服に向けて,粘り強くチャレンジしていってください。
さて,「入学」という今日の佳き日に,皆さんに,次の3つの言葉を贈ります。
1つ目は,「自分を大切に,人を大切にする」ということです。
自分がされて嫌なことは,絶対に人にはしないでください。「いじめ」は,絶対に許されません。その逆に,自分がしてほしいことは,進んで他の人にしてください。そのことが,自分を高め,人を大切にすることにつながっていきます。藤森中学校の各学年の11組は,一人一人の成長に合わせた指導を行うために,少人数で毎日の学習を行っています。自分の気持ちを伝えることが苦手なお友達もいます。また,自分のペースを大切にしながら,ゆっくりと学習しているお友達もいます。これからは,行事や交流学習を通して,共に学び合い・協力し合う関係をつくっていってください。
2つ目は,「なりたい自分の姿をイメージする」ということです。
中学校は,義務教育9年間の総まとめの三年間という,大切な意味があります。そこでまず,義務教育が終了する三年後の「なりたい自分の姿」を,しっかりとイメージしてください。人と比べるのではなく,まず今の自分を大切にしながら,過去の自分と比較して,昨日よりも今日,今日よりも明日と,少しずつでも日々成長していけるよう,自分を鍛え続けていってください。日々輝きを増していく皆さんの姿を期待しています。
3つ目は,「心の強さを持つ」ということです。
義務教育終了の三年後には,自分の将来を自らの力で切り拓いていかねばなりません。中学校は,大人になるための準備をするところです。近い将来が,予測困難な時代と言われています。その様な社会を「生き抜いていく」うえで,最も大切なこととは一体,何でしょうか。それは,「心の強さを持つ」ということです。思い通りにならないことがあったとしても,その状況に耐え,人のせいにせず,自分を見失わず,それを乗り越えていく,このような「心の強さ」を持った人として成長していってください。これからの中学校生活で,迷い・悩み・苦しむことが出てくるかもしれません。そのような時には,「人として何が正しいのか」を判断基準として,「強い心」を持って,その壁を乗り越えていってください。
保護者の皆様,お子様のご入学,誠におめでとうございます。義務教育,総仕上げの三年間を,教職員一同,責任を持って担当させていただきます。何かご心配なことがありましたら,担任をはじめ学年に,お気軽にご相談ください。私たち教職員とご家庭が,同じ方向を向いてお子様の成長を支えていくことが,何よりも大切であると考えております。
尚,新型コロナウイルス感染防止に向けて,昨日,4月10日から一斉休校するとの通知がありました。今後も一層危機感をもって,「命・健康・安全」を最優先した教育活動を行ってまいります。
最後に,新入生の皆さん,皆さんはこれまでお家の方をはじめ,たくさんの方々から支えられ,今日という日を無事,迎えることができました。皆さん一人一人の「生かされている命」に感謝し,これからもその「命」を大切にし,そして「人を助けることのできる人」へと成長されますことを祈念して,式辞とさせていただきます。
令和2年4月7日
京都市立藤森中学校
校長 浜矢 全