校長先生より「式辞」
生徒会長Mくんより「旅立ちの言葉」
冬の寒さも和らぎ、春をより一層感じるようになった今日この頃、私たちはこの大枝中学校を卒業します。
大枝中学校でかけがえのないときを過ごしてきました。ここでのときとは、場面によって瞬間であったり、時間であったりします。この大枝中学校で過ごしたさまざまな瞬間を、少し振り返ってみたいと思います。
三年前の春、ぶかぶかの制服に身を包み、緊張しながら校門をくぐったことが、まるで昨日のことのように思い出されます。
そこからの日々は辛く苦しい時もあったけれど、さまざまな人の支えもあり、乗り越えることができました。迷惑をかけることもたくさんありましたが、みなさんのおかげで、当時は大きかった制服が小さく感じるくらい成長することができました。
このかけがえのない時間を作ってくれたのは、家族で会ったり、先生だったり、後輩だったり、もちろん友達だったりします。一つ一つに感謝の気持ちを持って今日このとき、私たちは旅立ちます。
私たちが、今、旅立つにあたり、一つの決意があります。それは、時間を大切にしないといけないということです。
卒業までに用意されていた時間が急に短くなり、あと2週間あるという事実に甘えていた自分に気づきました。もっとしたいこともたくさんあったし、友達と過ごす幸せな時間や、先生に感謝を伝える時間、家族に一人前になったことを見せる時間、後輩との名残惜しい時間、すべてが急になくなってしまい、喪失感に襲われました。当たり前だと思っていたことは当たり前ではないと、身をもって感じました。これから私たちは別々の道を歩き始めます。進む道は違うけれども、それぞれが、この経験を活かし、自分の瞬間(とき)を大切に、悔いのない人生を生きていきます。水滴が石を穿つように、時間はかかるかもしれないけれど、私たちは決して成長という歩みは止めません。
最後に、私たちは終わりのない線路を歩いていきます。これからその線路を引くのはもちろん自分たちです。この先、支えてもらう場面もあると思いますが、今まで私たちを支えてくれた、すべての人々に感謝して、旅立ちの言葉とさせていただきます。三年間ありがとうございました。
令和二年 三月十三日