日本経済新聞によりますと、文部科学省の問題
行動調査から、昨年度の全国小学校児童の暴力
行為発生件数が前年度比572件増で1万1468件と
なり、4年連続で増加。過去最多を更新したと
しています。
その中でも、「児童間の暴力」が7113件で最も
多く、「教師への暴力」が2151件、「器物損壊」
が1997件で続いているとしています。
特に注目すべきは、小1が06年度に比べると約5倍に、小2は約4
倍に増え、小5の約3倍、小6の約2倍に比べると低学年の増加傾
向が顕著であるとしている点です。
NHK ニュースウェブによりますと、文教大学の成田奈緒子教授が
「家庭や学校で何らかの不安やストレスを抱え、ささいなことでも
攻撃的になる子どもが増えているのではないか。ただ叱るのではな
く、不安の原因を探り自分の気持ちをことばで表現できるように手
助けすることが重要だ」と話されています。
私は今までの経験から、すぐに暴力をふるう子どもは、自分の想い
を言葉で伝えることに苦手意識を持つ傾向があると思います。
言葉で表現できない分、暴力という形で表出しやすくなるのです。
開校以来、本校では、言語活動を取り入れた授業づくりに取り組ん
できました。先日も全国学力・学習状況調査の結果についてお知ら
せいたしましたように、問題解決型といわれる学力に強みを持つ子
どもが多いからか、本校では、年々暴力行為発生件数は減少してい
ます。
子どもたちの心理的なストレスを問題視する専門家もおられますが、
それは大人においても同様であり、これから子どもが歩む社会は決
してノンストレスの社会ではありえません。時間をかけて、人権を
大切にし、また大切にされる社会を目指して一人一人が努力してい
かなければなりません。
私は、むしろ子どもたちの育ちの中で、顔を見て(フェイス・トゥー
・フェイスで)遊んだり喧嘩したりする体験が不足し、人間関係がう
まくつくれない環境こそが大きな課題であると思います。
そこに、学校が家庭や地域と手を携えて改善に取り組む余地があるよ
うに思うのですがいかがでしょうか。