先週8日の6限に、皆さんは地震に関する“防災学活”を行いました。その中で、地震が起きたときの実際の映像を見たり、先生の話を聞いているときの君たちの反応を見ていると、地震の怖さや備えの必要性を実感してくれたのではないかなと思っています。
明日の震災20年を前に、校長先生からのメッセージを伝えたいと思います。
1995年1月17日午前5時46分、マグニチュード7.3、震度7を記録した“阪神・淡路大震災”での地震は、負傷者4万人以上、そして6500名近くの人たちの命を奪い、一時期は30万にを超える人たちが避難をしなければならないほどの大きな被害を出しました。
明日17日には、震災から20年という月日が経過します。ここまでの20年間で、様々な人たちの努力のお陰もあり、神戸をはじめとするの街は徐々に復興を遂げることができました。
今年、そのときに生まれた子どもたちは20歳(はたち)を迎えていました。彼ら、彼女たちはどんな思いで今年“成人の日”を迎えたのでしょうか。
先日、ある新聞に「ママ、美容師になったよ」という記事が出ていました。震災で母親を亡くした当時6歳の娘さんが、幼い頃の母親との記憶(髪の毛を洗ってもらったり、乾かしてもらったとき、その時間がとても温かかったということ)と、震災後一緒に暮らした祖母に髪の毛を切ってもらったときに感じたこと(気持ちが暗くても、髪の毛を触ると人は笑顔になる)がきっかけで、美容師になりたいという夢をもち、美容専門学校に進学、卒業後、美容師の国家試験に合格し、その夢を叶えた、という内容の記事でした。26歳の今、彼女は「夢があるから前に進めた」と震災後の20年を振り返っているそうです。
“阪神・淡路大震災”についてお話ししてきましたが、君たちがまだ生まれていないときの話なので、ピンとこないという人もいるかもしれませんね。
先生はそのころ大阪に住んでいたので、地震の影響を直接受けました。あまりの強い揺れに、かべは軋み(きしみ)、2階のベットの中で寝ていた先生は、この後、きっと床が崩れ、ベットごと下に落ちると覚悟を決めていました。事故等に遭いそうになったときに、「もうダメだ」と思うことがありますが、まさにそれと同じようなことを感じました。
時とともに、“阪神淡路大震災”(という甚大な自然災害)を体験した人が少なくなり、体験した人もその記憶が薄らいでいっています。
しかし、ニュース等でも取り上げられている“南海トラフ巨大地震”のように、今後も同様、またはそれ以上の“地震”が起こり得る可能性があるという中、“阪神淡路大震災”や“東日本大震災”の教訓を活かすことは、とても大切なことだと思います。
明日1月17日の前後に、新聞記事やテレビ等のニュースの中で、20年前の震災のことが取り上げられることがあると思います。ぜひ皆さんには、これらの記事やニュースに目を向け、“阪神・淡路大震災”の教訓を忘れず、地震に対する意識や備えをもってほしいと思っています。
震災の経験が活きるように、私たちにできることをやっていきましょう。