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最新更新日:2025/06/19 |
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『東山を西に見て』〜Make legend〜![]() 白川疏水にホタルの乱舞する季節がやってきました。「疏水へホタルを見に行かへんか。」昨晩、久しぶりに夕食を共にした下の息子に言いました。「ご飯食べてからやったらええで。3人で行こか。」3人目は妻です。思いがけず実現した夜の散歩でした。愛犬の檸檬も一緒に銀閣寺道から哲学の道を歩きます。道路の照明が届かないところまで来ると、『こんなにいたのか』と思うくらいたくさんのホタルが優雅に舞っていました。妻が一番楽しそうにしていました。 さて、1日の土曜日、休日参観の3・4時間目に「ふれあいドートク」を実施しました。2年前から力を入れている道徳教育と、地域の皆さまと共に取り組む「ふれあいトーク」とをドッキングさせた新しい取組です。先ずは、全体会で資料「スダチの苗木」を読みました。児玉先生の朗読に会場が静まり返ります。子ども達が資料に引き込まれていきます。12歳の子どもから80歳を越える大人が同じ場面に集まりました。600人に迫ろうとする人間が一つになって同じ資料を味わう瞬間でした。目頭を拭きながらプリントに見入る人もいます。生徒も誰一人微動だにしません。『そう簡単には実現しないことが、目の前で起こっている。』そんな情景を見ながら、私ひとり別の感慨に耽っていました。 「父は、なぜスダチの苗木をもっていたのか。」授業者からそんな問いが発せられます。すぐに何人かの手が上がります。1年生です。「息子が4年間お世話になった下宿。スダチには、息子の巣立ちの意味もあったのではないか。」「お菓子なら食べたら終わり。おばさんの家に、一生残るものを持って行きたかった。」子どもの感性に唸らされます。 今回の学習では、1年生の活躍が目立ちました。2・3年生の意見が少なかった理由はおそらく次のとおりです。1年生が素晴らしい意見を述べます。すると、2・3年生は、それ以上の意見を言わなければならなくなります。必死で考えているうちに時間切れになったか、あるいは諦めてしまったか、でありましょう。とにかく、他の生徒を黙らせるほど、この2つの意見は飛びぬけて優れていました。これまでも言ってきましたが、全校学習では3年生が主人公であって欲しいです。今後は、問いに対してあまり時間をおかず、先ずは3年生が意見を言うように心掛けてほしいものです。前から3年生の顔を見ていました。学習から逃げる者、諦める者は一人も見当たりませんでした。1年生の意見に驚きの表情を見せたり、悔しさを滲ませたりしている様子を嬉しくも頼もしくも感じたところです。 昨晩の散歩の途中、ホタルが何匹か川面から遊歩道へ舞ってきました。優雅な飛び方なので、簡単に片手で捕まえられます。小さな子を見つけます。「ぼく、おててを出して。帰るときには逃がしてやってや。」そう言って子どもの小さな手のひらにホタルを載せました。子どもの目がホタルのお尻よりも光りました。小さな子も中学生も感受性は変わりません。その目を輝やかせるための材料を提供できるかどうかです。「ふれあいドートク」の際、資料に食いついた生徒の表情が、ホタルを手に載せた子どものそれに重なりました。 |
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