京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2025/06/12
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昼間部と夜間部の良さを生かし、世代や国籍を超えてふれあい学び合う学校

「学校」

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 1組の教室で,このような詩を見つけました。調べてみると,これは東京の荒川区立第九中学校夜間部卒業生が書いた詩だそうです。

 『学校』という映画を見たことがありますか? 山田洋二監督の作品で,1993年から2000年まで4作が公開されました。その第1作が夜間学級を舞台に展開される物語です。
 孫もいて焼肉屋を経営する在日韓国人の女性「オモニ」,髪の毛を染めたツッパリ少女「みどり」,昼間は肉体労働に励む少年「カズ」,中国から移住してきたが日本の社会になかなか馴染めない青年「張」,中学校時代は不登校だった「えり子」,そして,長年の肉体労働で身体を酷使した競馬好きの「イノさん」(田中邦衛)らが登場し,それぞれに違った環境でそれぞれの悩みを抱えつつ夜間学級に通う生徒たちです。そのような中,突然「イノさん」が亡くなるという悲しい知らせが届きます。悲しむ生徒たちと黒井先生(西田敏行)は,不幸な生い立ちとその後の苦労,田島先生(竹下恵子)への恋心,そして突然病に倒れ,故郷の山形へ帰ったきり帰らぬ人となった「イノさん」の思い出を語り始めます。彼の人生を語り合ううち,いつしか「人の幸せ」って何だろうということについて話し合うようになっていきます。また,「えり子」は自分も夜間学校の先生になり,この場所に戻ってくるとの決意も語ります。学びたくとも学べなかった人が,または希望を失いかけている人が,本当に目を輝かせて,「学ぶ楽しさ」を分かち合い,「生きる喜び」を取り戻していく…そんな映画です。
 山田洋二監督は「“豊か”になっても夜間中学があるという日本の貧しさの現実と,夜間中学の教育に大きな誇りをもつ人たちと出会い,ありのままの夜間中学の姿を提起して,普遍的教育を考えてもらおうと映画をつくった」と語っておられます。点数で人生が左右されると考えたり,ありのままの自分が分からなくなったりするような生徒を育てることは「普遍的教育」とは言えません。

 夏休み前の校長講和で,夜間部の生徒に「あなたたちにとって洛友中学校は,この詩の「学校」になっていますか?」と尋ねたところ,大きくうなずいて「なってる!」と答えてくれました。本校夜間部の生徒は,想像を絶する背景を抱えている人も少なくありません。しかし,学校では生き生きとした表情で先生の話を聞き,一生懸命ノートをとり,問題プリントに臨んでいます。もちろん先生も,その姿勢に応え,言葉が通じにくくても,身振り手振りで分かるまで一生懸命に説明します。そして,「今日の勉強は難しかったわー。全然覚えられへん…」と言いながらも,満面の笑顔で「ありがとうございました」と帰っていく。
 「学校」というものは,先生と生徒それぞれが努力し,協力し合って創り上げられるものです。だから,「学校」は当たり前に存在するものではなく,必要とされてはじめて存在できるものなのかもしれません。学びたいから学校に来る。分かりたいから表情も生き生きとする。本来の「学校」とは,そういうものだと思います。

分かっているけど,ついしてしまう…その「つい」が命取り

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 6/27(水)下京警察署交通課の重松洋子巡査部長と生活安全課の岡田博美スクールサポーターに来ていただいて,「交通安全教室」を行いました。最初,岡田サポーターから自転車盗の被害に遭わないためにロックをしっかりすることや,振り込め詐欺などについて注意をしていただいたあと,重松巡査部長から交通安全について…
○自転車,三輪車,バイク,リアカーなどは,車の仲間?人の仲間?
○大宮通りのように横断禁止の通りやそのマーク。
○やってはいけない渡り方。
○自動車の運転手を信じてはいけないこと。
…などを教えてもらいました。
 自動車の運転手は,いつも見えていると思ったらダメです。自分の身は自分で守らなくてはいけません。昨日もらったシールを靴のかかとに貼ることも安全対策ですし,何よりも自分の目でしっかりと安全を確認しながら行動することが大事です。ケガをすると,大好きな学校へも来ることができません。

『学び』を楽しむ本来の姿を参観!!

オープンスクール(6/14公開授業)… 60名以上の方が来校

 お忙しい中,たくさんの人たちに来ていただき,ありがとうございました。中でも学校の先生方が40名以上来られ,夜間部の授業を熱心に参観されていました。『学ぶ』とは何か,人は何のために『学ぶ』のか…。以前にも書きましたが,本校には『学びの原点』があります。それを感じるために多くの人達が来られたのだと思います。
参観された方々の感想等を紹介します。

○ 生徒さんの生き生きとした取組がすばらしいと思いました。
○ 学ぶことは,難しいことも多いと思いますが,一生懸命,意欲的に取り組んでおられる生徒の方々の姿に感動しました。
○ 人はなぜ学ぶのか…。中学校で習得する学習とは何かが,少しわかったような気がします。
○ 外国人の方や若い方も多くおられ驚きましたが,このような学校で学べることがとても励みになるのではないかと思います。授業を公開していただき,実際の様子を見せていただき理解が深ました。ありがとうございました。
○ 学ぶという本来の勉強を楽しむ姿を久しぶりに感じました。また,一人一人を大切にしている先生たちの姿にも久しぶりに感じました。自分をもう一度見つめ直したいです。
○ “教師の熱い姿勢”と”“生徒の高いやる気”が合わさってとても良い環境だと感じたと同時に,もっと多くの方に知ってもらいたいと思っております。
○ 二部学級の特徴,それが洛友中とともに,他県のそれも含めて広く知らされる機会であればと願う。
○ 教育の機会が得られるというのは,すごく貴重なことで,全国でもその数が少ないだけに,その存在は大きいものだと思いました。こうして授業を公開して見れるのもありがたいと感じました。
○ 全国的に洛友中学校が広がればいいと思いました。
○ 生徒さんたちの授業を受ける姿には,いつも熱意を
感じます。初心を思い出しました。
○ 明日の球技大会の内容が気になります。健康面に気をつけながら行ってください。

 公開授業を見られた方々から,とてもうれしい感想をたくさんいただきました。翌日の球技大会では,はじめのあいさつで「みなさんは私の誇りです」と言いました。子どもの頃,行きたくても行けなかった学校に毎日来て,いくつになっても学び続けようとする夜間部のみなさん,今まで学校に行こうとしても行けなかったけど,今は毎日のように登校し続けている昼間部の子どもたち,そして,その生徒たちを見守り,寄り添い支えようとする教職員。ここは地域に,全市に,全国に自慢できる『学校』です。

みんなで元気に「球技大会」!

 6/15には,恒例の球技大会を開催し,1〜5組,女性会,教育委員会のそれぞれのチームに分かれて,「ペットボトルボーリング」「カーリングゲートボール」「玉入れ」の競技を楽しみました。
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心と心の交流

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〜兵庫県宍粟市立千種小学校6年生のみなさんと〜
本校の夜間部と千種小学校とが交流を始めて4年目になります。毎年,京都に修学旅行に来られた際に本校に寄られます。今年も,6月7日に交流を行い,先日その時の感想文をいただきました。

○京都の洛友中学校に行きました。最初に,校長先生と教頭先生のお話を聞きました。生徒さんの平均年齢は64歳だそうです。全国に夜間中学校は35校しかなく,学校へ行きたくても行けなかった人が通っているそうです。洛友中学校のみなさんは仕事が終わったあと,しんどいはずなのに,それでも学校に行きたいと思えるのはすごいと思いました。「勉強は血となり肉となる」と教頭先生が言っておられました。私が教えた方は,少し難しそうにされていましたが,問題が分かると,「分かるって何でこんなにうれしいんやろ」と言っておられました。洛友中学校のみなさんは勉強を真剣に一生けん命にとても楽しそうにされていました。

○夜間中学校に行っていろいろな事を学びました。どのクラスの人もあまり日本語がうまく話せない人がいたけど,みなさん一生けん命で,表情がとても明るく,「勉強ができる!」ということがとてもうれしそうでした。今,洛友中学校で勉強されている人達は,小さい頃からいろいろと苦労されていて,学校に行きたくても行けない人がいたり,やりたい事もがまんしてきて辛かったと思います。今,私達がふつうに学校に通えて,やりたいことが出来て,好きな物を食べれることが,どれだけ幸せなのかを知ることが出来ました。みなさんの一生けん命の姿を見て,「私もがんばらないと!」と思いました。

○このたびは,ありがとうございました。1組の先生が「分からん字や読めん字があったら教えてな」と言われたけど,逆にぼくたちが洛友中学校のみなさんに教えられました。何かというと,分からない人がいると,みんなで教え合ったり,いっしょに読んであげたりもして,とても感動しました。生徒さんに「学校は楽しいですか?」と聞くと,「学校は楽しい。落ちつく」と言って,うれしそうにぼくの顔を見て,にっこり笑っておられました。みなさんを見て気づいたことがあります。「協力」「仲間」が大切ということです。これは洛友中学校のみなさんが教えてくれました。

○僕は勉強がきらいです。学校へ行きたくない時もあります。宿題もめんどうくさくてやりたくない時もあります。でも,洛友中学校のみなさんは,昔に戦争や家庭の事情などで学校に行けなかった人達です。中にはかん国語でしゃべっている人もいて,とつぜんとなりの人とかん国語でしゃべったりしてびっくりしました。2組で僕が漢字を教えると,「ありがとう」と笑顔で言ってくださったので,僕も笑顔になってしまいました。僕は洛友中学校のみなさんが一生懸命勉強している姿を見ていると,自分が学校へ行けて,勉強できる僕は幸せなんだなと思いました。

心と心の交流

○お別れの時,私たち6年生が「夢見るジャンプ」という歌を歌いました。「この歌は,洛友中学校のみなさんが夢に向かって,苦しい中でものりこえられるような感じのする歌です。しんどいときや苦しい時はこの歌を歌ってほしいです。みなさんの授業を見せていただき,ありがとうございました。私たちも勉強をがんばっているから,一緒にがんばりましょう。たぶん,来年は私の妹がいますので,よろしくお願いします。

○洛友中学校のみなさんは,勉強をとっても楽しそうにしていました。みなさんの勉強している姿を見ると,先生の話をしっかり聞きながら,本当に楽しく勉強していました。私の場合,話をちゃんと聞いていなくて何をしたらいいのか困ったことがありました。字の読み方を教えると,「ありがとう」と言ってくださったのでうれしかったです。みなさんに,最後,歌のプレゼントをしたとき,泣いていらっしゃった方もいて,私も泣きそうになりました。わたしたちの歌を聞いて,泣いてくださってうれしかったです。私は洛友中学校の授業を見れてよかったです。

○バスに乗ってホテルに帰ろうとしたら,みなさんが手をふって見送ってくださいました。洛友中学校のみなさん,これからも授業やいろいろなことをがんばってください。見学させてくださって本当にありがとうございました。


ほんの少しの時間だったけど,この短い時間にこれだけたくさんのことを感じてくれた千種小学校6年生のみなさんもすごいと思いました。心と心の交流ができたことをとてもうれしく思います。
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校外学習(ブルーメの丘)

5月26日校外学習として,滋賀県のブルーメの丘に行き,スケッチやメロンパン作りなどに挑戦しました。
天候にも恵まれ,様々な場面で多くの笑顔に出逢いました。昼間部と夜間部の生徒の交流も見られ,それぞれの関係はより深まったのではないかと思います。
生徒同士の「絆づくり」は日常の様々な場面でもできますが,やはりこのような非日常的な空間でより深まるものです。

これからも生徒同士,生徒と教職員との絆をより深めていくことにより,「学びたい」という生徒たちの意欲をより高め,全国唯一の「学び直しのできる学校」として,「学ぶ楽しさ,分かる喜び,そして笑顔あふれる学校」づくりを目指して取り組んでいきたいと思います。
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校外学習(ブルーメの丘)

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教育委員会の方々も応援に駆けつけていただき,夜間部の生徒の支援をしていただき,
また,下京・南支部のPTA親まなび委員さんたちも,共に楽しんでいただきました。

人権尊重の精神は「見えない根っこ」

5 月は「憲法月間」
5 月3 日は憲法記念の日。昭和22年5月3日に日本国憲法が施行されたことにちなんで,国においては5月1日から7日までを憲法週間,京都市では5月を憲法月間と定めています。
憲法には人間が人間として尊ばれ,人間らしく生きるために誰もが生まれながらにして持っている権利「基本的人権」は侵すことのできない永久の権利として保障されています。そして,この「基本的人権の尊重」は国民主権・平和主義とあわせて日本国憲法の三つの基本原則とされています。
しかしながら,私たちの身の回りには,基本的人権が十分に尊重されていない現実があります。身近にある様々な人権問題に気づき,それを解決し,みんなが幸せに暮らすことのできる世の中を創るための知恵と行動力を身につけていってほしいと思っています。

相田みつおさんが
花を支える枝
枝を支える幹
幹を支える根
根は見えねんだなあ
という詩を書かれています。人権尊重の精神は「見えない根っこ」と同じで,「根っこ」は見えないけれど,大地から養分や水分を吸い上げて幹を支え,幹は枝をさせる。そして,その枝は美しい花を咲かせる。つまり,私たちがその「根っこ」をいかに自らの中に,日々どのように育んでいくかということを常に考え,具体的に行動していくことが大切なことではないでしょうか。

体験入学を終えて

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 洛友中学校の校庭には,少し遅咲きのしだれ桜が一本あります。今年も見事に花を咲かせました。ピンクの花を満開に咲かせた,柳のようにしなやかな枝は,青い空をバックに春風に揺られています。
 4月10日〜13日の4日間,昼間部の体験入学を行いました。普段と同じ授業時間で,5人の在校生に交じって,4人が体験をしました。教科の学習はもちろん,実技教科では卓球バレーや茶わんづくり,夜間部との合同学習ではフェルトの小物入れづくりなどを行い,図書室の本を選ぶ「選書会」,そして地域女性会会長の加納時子さんを講師に招いて「茶道」も体験しました。体験生はもちろん,在校生も少し緊張しながらのスタートでしたが,3日目〜4日目には,ちょっとは互いに緊張もほぐれてきたのではないでしょうか。5月には,新しい仲間を迎えることになると思います。楽しみですね。

 不登校というものを経験してきたけど,回り道をしたかもしれないけど,洛友中学校の生徒は昼間部も夜間部も,「学び直したい」という強い意欲を持っている生徒ばかりです。校庭のしだれ桜の枝のように,「しなやかな強さ」を身につけていってほしいと願っています。暴風に逆らって無理に踏んばると,ポキッと折れたり,根元から倒れたりしてしまうかもしれないけれど,風が吹いたら揺られてしまっても,風がやんだらすぐに立ち直る。過ぎ去ったことにこだわらず,「普段の自分」,「本来の自分」に素早く戻るという「しなやかな強さ」を身につけていこうではありませんか。
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