京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/07/19
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昼間部と夜間部の良さを生かし、世代や国籍を超えてふれあい学び合う学校

「学校」

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 1組の教室で,このような詩を見つけました。調べてみると,これは東京の荒川区立第九中学校夜間部卒業生が書いた詩だそうです。

 『学校』という映画を見たことがありますか? 山田洋二監督の作品で,1993年から2000年まで4作が公開されました。その第1作が夜間学級を舞台に展開される物語です。
 孫もいて焼肉屋を経営する在日韓国人の女性「オモニ」,髪の毛を染めたツッパリ少女「みどり」,昼間は肉体労働に励む少年「カズ」,中国から移住してきたが日本の社会になかなか馴染めない青年「張」,中学校時代は不登校だった「えり子」,そして,長年の肉体労働で身体を酷使した競馬好きの「イノさん」(田中邦衛)らが登場し,それぞれに違った環境でそれぞれの悩みを抱えつつ夜間学級に通う生徒たちです。そのような中,突然「イノさん」が亡くなるという悲しい知らせが届きます。悲しむ生徒たちと黒井先生(西田敏行)は,不幸な生い立ちとその後の苦労,田島先生(竹下恵子)への恋心,そして突然病に倒れ,故郷の山形へ帰ったきり帰らぬ人となった「イノさん」の思い出を語り始めます。彼の人生を語り合ううち,いつしか「人の幸せ」って何だろうということについて話し合うようになっていきます。また,「えり子」は自分も夜間学校の先生になり,この場所に戻ってくるとの決意も語ります。学びたくとも学べなかった人が,または希望を失いかけている人が,本当に目を輝かせて,「学ぶ楽しさ」を分かち合い,「生きる喜び」を取り戻していく…そんな映画です。
 山田洋二監督は「“豊か”になっても夜間中学があるという日本の貧しさの現実と,夜間中学の教育に大きな誇りをもつ人たちと出会い,ありのままの夜間中学の姿を提起して,普遍的教育を考えてもらおうと映画をつくった」と語っておられます。点数で人生が左右されると考えたり,ありのままの自分が分からなくなったりするような生徒を育てることは「普遍的教育」とは言えません。

 夏休み前の校長講和で,夜間部の生徒に「あなたたちにとって洛友中学校は,この詩の「学校」になっていますか?」と尋ねたところ,大きくうなずいて「なってる!」と答えてくれました。本校夜間部の生徒は,想像を絶する背景を抱えている人も少なくありません。しかし,学校では生き生きとした表情で先生の話を聞き,一生懸命ノートをとり,問題プリントに臨んでいます。もちろん先生も,その姿勢に応え,言葉が通じにくくても,身振り手振りで分かるまで一生懸命に説明します。そして,「今日の勉強は難しかったわー。全然覚えられへん…」と言いながらも,満面の笑顔で「ありがとうございました」と帰っていく。
 「学校」というものは,先生と生徒それぞれが努力し,協力し合って創り上げられるものです。だから,「学校」は当たり前に存在するものではなく,必要とされてはじめて存在できるものなのかもしれません。学びたいから学校に来る。分かりたいから表情も生き生きとする。本来の「学校」とは,そういうものだと思います。
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