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最新更新日:2025/03/06 |
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『東山を西に見て』〜Make legend〜![]() 先週の金曜日、3年生が卒業していきました。我が校のことながら、とても立派な卒業証書授与式が挙行できたと思います。 さて、あの子たちは、実に多くのものを残していってくれましたが、後輩や我々教職員にとって最も大切だと思うのは、真面目に一生懸命やることの尊さです。彼らは、何事に対してもたいへん真面目に取り組んできました。中学生にとって、真面目に取り組むことは、時として照れ臭かったり馬鹿らしく見えたりするものです。しかし、彼らは、そんな気持に打ち勝ち、真面目に誠実に取り組むことで、感動や真心、共感、賞讃などの、今の時代に簡単には手に入らない尊いものが得られることを、自分たちの姿を通して示してくれました。 私は式の前日に、卒業証書授与式では合唱の歌声と、担任の先生の呼名に対する返事の声に力を入れてほしいと伝えました。果たして、式ではその通りにしてくれました。呼名に対する何人かの大きな声での返事は、それだけでたいへん感動的でした。合唱については、合唱コンクールや卒業生を送る会での姿からの期待を裏切らないものでした。 彼らは、自分たちの力で、最後の学習である卒業証書授与式を実に感動的に、一生の思い出となるものに作り上げたのです。 多分、彼らはよく知っているのです。先生を信じて、先生の言うことに一生懸命に取り組んでいれば、成功や感動が得られることを。そのことは、彼らと彼らを担当してきた教職員とが、3年間かけて結んできた強い信頼関係にしっかりと裏打ちされています。彼らは、信頼関係の大切さも改めて教えてくれました。 もうひとつ、卒業生から学んだことがあります。それは、日々の学習の大切さです。 昨日、公立高校の合格発表がありました。これで、全部の高校の発表が一通り済んだことになります。ほとんどの生徒が志望する高校に合格しましたが、残念ながら思った通りの進路につけなかった者も何人かいます。その子たちも、それはそれは一生懸命に努力してきました。しかし、結果はあまりにも無常です。そういう子たちに対して、私はかける言葉を見つけることが出来ませんでした。 今後、1・2年生の諸君には、教師の責任として思いっきり勉強させたいと思います。来年度から、公立高校の入試制度が大きく変わり、これまで以上に実力がものをいうようになってきます。あんなに真面目に頑張ってきた3年生でさえ苦しんだ進路の問題が、来年度は今の2年生の課題になります。そして、誰もが決してそこから逃げることはできないのです。だからこそ、生徒やその親との信頼関係を大切にし、学習や進路について、お互いが、素直で誠実に話し合える関係を育てなければならないと思います。 今年も卒業生が、ちゃんと私たちに「学び」を与えて巣立っていってくれました。学んだことを次に生かしてこそ、彼らを真に大切にしたことになります。 『東山を西に見て』〜Make legend〜![]() 昨日、生徒会主催の「卒業生を送る会」が行われました。様子については後に記しますが、とても感動的で、卒業生にとっても1・2年生にとっても強く思い出に残るものになったと思います。 ところで、ここ数年「この会の主体は、一体どっちにあるのか」と考えています。もちろん、主人公は卒業生です。多分、元々は卒業生が“招かれるお客さん”で、1・2年生が、取り組んできたことを発表してお客さんを満足させる会であったはずです。ところが、昨日の会もそうでしたが、近頃は、卒業生が、在校生にその圧倒的な力の差を見せる場になっています。そう言えば、以前にいた学校でもそうだったことを思い出します。 それでよいのだと思います。いや、そうでなければいけないのだと思うようになりました。卒業生が、在校生にとって「あんな風になりたい」という具体的な目標になることで、学校が進化し発展していくのです。そして、それが何年か続いた時に「伝統」と呼べるものに育つのでしょう。我々教職員が、何度も抽象的な話をするよりも、「去年の学年を越えろ!」と発破をかければ、その方が子ども達にはずっと分かり易いのですから。 「卒業生を送る会」の位置づけについても考えてみました。 年度最後の生徒会行事であり、新しい役員が主催する最初の大きな行事です。また、“別れ”という要素があることで、この行事は、企画段階から否応なく盛り上がります。取り組み甲斐があり、成功の可能性もすこぶる高いです。だから、新生徒会役員にとっては大きな自信にもなります。最後の行事ということで、年度を締めくくるにもうってつけです。 昨日の本校のものはどうだったでしょうか。 1年生。練習ではなかなか全体がピリっとせず、本番直前まで上手くいくかどうか心配されました。しかし、これが行事のもつ力なのでしょう。先輩や教職員が揃ったところでは、緊張感をもってよい発表ができました。リーダー層のゆるぎない力が際立ってもいました。 2年生。経験を積んできた分、1年生よりも素晴らしい発表になりました。特に男子の声が大人のそれに変化していることもあって、群読、合唱共により格調の高いものに感じられました。1・2年生とも、十分に成長の跡が見られました。 最後に3年生。圧巻でした。まったく照れることなく、腹の底から出す大きな声と微動だにしない態度での群読が始まるや否や、聴く者の胸に感動の波が寄せてきて思わず背筋が伸びました。次々と言葉が進みます。それが一つひとつ心に沁み込んでいきました。続いて合唱。大きな声と美しいハーモニーは聴く者の魂を揺さぶります。「この瞬間が終わらないでほしい。」そう思ったのは、おそらく私だけではないでしょう。「3年生、カッコよかった〜!」会が終了したとき、ある2年の女子から聞いた言葉です。 卒業生が素晴らしい目標になってくれました。同時に、明日の卒業証書授与式への期待を大きく膨らませてもくれました。明日が、楽しみで仕方がありません。自然と気合も入ります。 『東山を西に見て』〜Make legend〜![]() かつての学校での教え子が、奥さんと二人の子供を伴って訪ねてきました。以前に会ったのは4年ほど前でしょうか。(上の)子どもが生まれたと言って教育委員会に電話をかけてきました。当時と比べて、やや荒んだ感じがしました。突然学校に現れ、中学生の頃のように肩をいからせて出会う人たちに対してツッパッテいます。「校長先生、ちょっと変わった方がお見えになっていますが…」会議の最中に呼ばれました。玄関まで行って「15分待ってくれ」と言うと、大きな声で「会議と俺とどっちが大事やねん!」とワザと人に聞こえるように言います。後から聞いた話ですが、学校へ入るなり、何人かの体格のよい男性教師に対して「お前か。体罰したんは!」「絶対にアカン。俺が許さんぞ!」などと息巻いていたということです。突然そんなことを言われた本校の先生にしたら、何のことだか分からなかったと思いますが、本人はそんなことは一向にお構いなしです。 奥さんと子どもとを別室で待機させ、二人で校長室に入ります。先ほどまでの厳めしい態度が一変し、すぐにヤンチャな中学生とその先生のような関係になりました。要は、私を心配して訪ねてくれたのです。心の優しい奴なのです。「新聞、TVを見てびっくりした。」「その教師に説教したいけど…、」そんな言葉を何度も吐いていました。 少年院や刑務所にも厄介になった若者です。まだ29歳ですが、もっと年上に見えます。残念ながら豊かな人生を送っているとは言い難い雰囲気を身にまとってもいました。初対面の人に対して、威嚇するように居丈高に振る舞う彼の言動は、学歴がなく前科のある者が生きていくために自然と身につけたに違いありません。彼を知っている私にはそう理解できますが、果たして昨日彼と接した教職員にそれが分かったでしょうか。 さて、本校で実地研修をした京都教師塾の塾生が感想を残してくれたので抜粋します。 授業を見学させていただき、どの先生も面白い工夫をされており、生徒への思いがたくさん詰まった授業で、すごく参考になりました。−略− 毎日充実感に満たされ、楽しい思い出も作りながら花山中学校が大好きになった研修となりました。共に学ぶ教師を目指して今後も努力したいと思います。【河野大将】 私自身この花山中学校出身で、6年ぶりに帰ってきました。その頃から変わらぬ伝統も多くあり、さらに新しい花山中のKasan`s Prideをたくさん見せて頂きました。卒業生としてとても嬉しく思います。−略−「今」という時間は、すべて未来と繋がっています。一人ひとりの時間の内容は違いますが、その「今」という時間を大切にしてほしいなと思います。【井上莉佳子】 物心両面での生活の豊かさが、人格形成に大きく影響することは分かっています。それにしても、そのことをこうもハッキリと気づかされると言葉が出ません。 出会った生徒一人ひとりにきちんと向き合い、せめて心の豊かさをもたせたいと改めて思います。二人の塾生さん、是非とも「教師になる」という尊い夢を叶えてください。 |
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