2年生人権学習を11月30日金曜日に行いました。
3時間目のLHRの時間に本校講堂にて、兵庫県聴覚障害者協会の森本尚樹さんに「聴覚障がい者のくらしと社会」というテーマでご講演いただきました。手話通訳者の中西愛さんもご一緒でした。
森本さんが手話で自己紹介を始めると生徒は雰囲気が変わったことに気付き講義が始まりました。この始まりに生徒は自分たちと異なった生活をしている人達が社会にいるということ、その人達も一緒にくらしているということを認識しだしたようでした。
最初の講義は人が持っている五感について、どれかが欠けているとそれを補うために他の感覚が使われることを紹介されました。例えば耳が不自由でも視覚で聞くことができるのです。そして生徒の体験参加に移り口話体験をしました。
口話体験では舞台の上に5人の解答者の生徒が耳栓をして口の動きだけで言われている言葉を理解し書き留めていきました。口話は生徒・教員1人ずつと森本さんの3名がおこないました。第1問では生徒・教員の口話では解答者は難しかったようですが、森本さんの口話でペンが走り出しました。第2問目以降は口話者も伝え方を理解してきて、舞台下の生徒からも「ああ〜」など納得の声が出てくるなど伝わるようになってきました。
口話体験の後、再び森本さんが話を始められました。幼いとき両親が障がいに気がついたこと、小学校時の訓練が厳しかったこと、また授業で苦労したことなど。そして口話が出来るようになり、これで自分は話が出来ると嬉しかったそうです。しかし手話を学んでいる両親には通じなかったことで、それは思い込みであることを知り、再び手話を学びなおされたそうです。「他者とコミュニケーションを取れるようになって世界が広がり、訓練は厳しかったが今では感謝しています」とおっしゃっていたのは印象的でした。
人権の根本にあることは他者理解です。理解を通して自分の大切さとともに他の人の大切さを認めることです。生徒達は自分達の学校では出会わないような、しかし社会では見えていないだけで普通にある体験に関心を持ったようでした。
最後には挨拶やお礼、気持ちを表す手話をいくつか教えてもらい、質疑応答に移りました。突然ずっと耳が聞こえなくなったらこんな事に困るのではないかという生徒の質問にも丁寧に答えていただき、約1時間の講演はあっという間に終わりを迎えました。
今回の講演は生徒達の反応もよく良かったとの言葉も頂きました。たくさん考え、当たり前だと思っていた事に疑問をもつことが出来ました。この人権学習を踏まえ、小さなことからでも実践に移していけるようにしましょう。 ψ(^o^)ψ パチパチパチ(拍手の手話も教えてもらいましたね。)