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最新更新日:2025/06/16 |
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心と心の交流![]() ![]() ![]() 本校の夜間部と千種小学校とが交流を始めて4年目になります。毎年,京都に修学旅行に来られた際に本校に寄られます。今年も,6月7日に交流を行い,先日その時の感想文をいただきました。 ○京都の洛友中学校に行きました。最初に,校長先生と教頭先生のお話を聞きました。生徒さんの平均年齢は64歳だそうです。全国に夜間中学校は35校しかなく,学校へ行きたくても行けなかった人が通っているそうです。洛友中学校のみなさんは仕事が終わったあと,しんどいはずなのに,それでも学校に行きたいと思えるのはすごいと思いました。「勉強は血となり肉となる」と教頭先生が言っておられました。私が教えた方は,少し難しそうにされていましたが,問題が分かると,「分かるって何でこんなにうれしいんやろ」と言っておられました。洛友中学校のみなさんは勉強を真剣に一生けん命にとても楽しそうにされていました。 ○夜間中学校に行っていろいろな事を学びました。どのクラスの人もあまり日本語がうまく話せない人がいたけど,みなさん一生けん命で,表情がとても明るく,「勉強ができる!」ということがとてもうれしそうでした。今,洛友中学校で勉強されている人達は,小さい頃からいろいろと苦労されていて,学校に行きたくても行けない人がいたり,やりたい事もがまんしてきて辛かったと思います。今,私達がふつうに学校に通えて,やりたいことが出来て,好きな物を食べれることが,どれだけ幸せなのかを知ることが出来ました。みなさんの一生けん命の姿を見て,「私もがんばらないと!」と思いました。 ○このたびは,ありがとうございました。1組の先生が「分からん字や読めん字があったら教えてな」と言われたけど,逆にぼくたちが洛友中学校のみなさんに教えられました。何かというと,分からない人がいると,みんなで教え合ったり,いっしょに読んであげたりもして,とても感動しました。生徒さんに「学校は楽しいですか?」と聞くと,「学校は楽しい。落ちつく」と言って,うれしそうにぼくの顔を見て,にっこり笑っておられました。みなさんを見て気づいたことがあります。「協力」「仲間」が大切ということです。これは洛友中学校のみなさんが教えてくれました。 ○僕は勉強がきらいです。学校へ行きたくない時もあります。宿題もめんどうくさくてやりたくない時もあります。でも,洛友中学校のみなさんは,昔に戦争や家庭の事情などで学校に行けなかった人達です。中にはかん国語でしゃべっている人もいて,とつぜんとなりの人とかん国語でしゃべったりしてびっくりしました。2組で僕が漢字を教えると,「ありがとう」と笑顔で言ってくださったので,僕も笑顔になってしまいました。僕は洛友中学校のみなさんが一生懸命勉強している姿を見ていると,自分が学校へ行けて,勉強できる僕は幸せなんだなと思いました。 心と心の交流
○お別れの時,私たち6年生が「夢見るジャンプ」という歌を歌いました。「この歌は,洛友中学校のみなさんが夢に向かって,苦しい中でものりこえられるような感じのする歌です。しんどいときや苦しい時はこの歌を歌ってほしいです。みなさんの授業を見せていただき,ありがとうございました。私たちも勉強をがんばっているから,一緒にがんばりましょう。たぶん,来年は私の妹がいますので,よろしくお願いします。
○洛友中学校のみなさんは,勉強をとっても楽しそうにしていました。みなさんの勉強している姿を見ると,先生の話をしっかり聞きながら,本当に楽しく勉強していました。私の場合,話をちゃんと聞いていなくて何をしたらいいのか困ったことがありました。字の読み方を教えると,「ありがとう」と言ってくださったのでうれしかったです。みなさんに,最後,歌のプレゼントをしたとき,泣いていらっしゃった方もいて,私も泣きそうになりました。わたしたちの歌を聞いて,泣いてくださってうれしかったです。私は洛友中学校の授業を見れてよかったです。 ○バスに乗ってホテルに帰ろうとしたら,みなさんが手をふって見送ってくださいました。洛友中学校のみなさん,これからも授業やいろいろなことをがんばってください。見学させてくださって本当にありがとうございました。 ほんの少しの時間だったけど,この短い時間にこれだけたくさんのことを感じてくれた千種小学校6年生のみなさんもすごいと思いました。心と心の交流ができたことをとてもうれしく思います。 ![]() ![]() ![]() 校外学習(ブルーメの丘)
5月26日校外学習として,滋賀県のブルーメの丘に行き,スケッチやメロンパン作りなどに挑戦しました。
天候にも恵まれ,様々な場面で多くの笑顔に出逢いました。昼間部と夜間部の生徒の交流も見られ,それぞれの関係はより深まったのではないかと思います。 生徒同士の「絆づくり」は日常の様々な場面でもできますが,やはりこのような非日常的な空間でより深まるものです。 これからも生徒同士,生徒と教職員との絆をより深めていくことにより,「学びたい」という生徒たちの意欲をより高め,全国唯一の「学び直しのできる学校」として,「学ぶ楽しさ,分かる喜び,そして笑顔あふれる学校」づくりを目指して取り組んでいきたいと思います。 ![]() ![]() ![]() 校外学習(ブルーメの丘)![]() ![]() また,下京・南支部のPTA親まなび委員さんたちも,共に楽しんでいただきました。 人権尊重の精神は「見えない根っこ」
5 月は「憲法月間」
5 月3 日は憲法記念の日。昭和22年5月3日に日本国憲法が施行されたことにちなんで,国においては5月1日から7日までを憲法週間,京都市では5月を憲法月間と定めています。 憲法には人間が人間として尊ばれ,人間らしく生きるために誰もが生まれながらにして持っている権利「基本的人権」は侵すことのできない永久の権利として保障されています。そして,この「基本的人権の尊重」は国民主権・平和主義とあわせて日本国憲法の三つの基本原則とされています。 しかしながら,私たちの身の回りには,基本的人権が十分に尊重されていない現実があります。身近にある様々な人権問題に気づき,それを解決し,みんなが幸せに暮らすことのできる世の中を創るための知恵と行動力を身につけていってほしいと思っています。 相田みつおさんが 花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 根は見えねんだなあ という詩を書かれています。人権尊重の精神は「見えない根っこ」と同じで,「根っこ」は見えないけれど,大地から養分や水分を吸い上げて幹を支え,幹は枝をさせる。そして,その枝は美しい花を咲かせる。つまり,私たちがその「根っこ」をいかに自らの中に,日々どのように育んでいくかということを常に考え,具体的に行動していくことが大切なことではないでしょうか。 体験入学を終えて![]() 4月10日〜13日の4日間,昼間部の体験入学を行いました。普段と同じ授業時間で,5人の在校生に交じって,4人が体験をしました。教科の学習はもちろん,実技教科では卓球バレーや茶わんづくり,夜間部との合同学習ではフェルトの小物入れづくりなどを行い,図書室の本を選ぶ「選書会」,そして地域女性会会長の加納時子さんを講師に招いて「茶道」も体験しました。体験生はもちろん,在校生も少し緊張しながらのスタートでしたが,3日目〜4日目には,ちょっとは互いに緊張もほぐれてきたのではないでしょうか。5月には,新しい仲間を迎えることになると思います。楽しみですね。 不登校というものを経験してきたけど,回り道をしたかもしれないけど,洛友中学校の生徒は昼間部も夜間部も,「学び直したい」という強い意欲を持っている生徒ばかりです。校庭のしだれ桜の枝のように,「しなやかな強さ」を身につけていってほしいと願っています。暴風に逆らって無理に踏んばると,ポキッと折れたり,根元から倒れたりしてしまうかもしれないけれど,風が吹いたら揺られてしまっても,風がやんだらすぐに立ち直る。過ぎ去ったことにこだわらず,「普段の自分」,「本来の自分」に素早く戻るという「しなやかな強さ」を身につけていこうではありませんか。 学校教育目標
自ら考え,自ら行動する力と,人権を大切にし,感性豊かな生徒を育成するとともに,「学びたい意欲」の初志貫徹を図る。
目指す生徒像 1.主体的に学習に取り組み,初志貫徹を目指す生徒。 2.違いを認め合い,互いを尊重し,支え高め合う生徒。 3.喜びや感動,悲しみや苦しみを分かち合い,共に生きることを大切にする生徒。 4.生命を尊重し、健康で安全な生活を心掛ける生徒。 ごあいさつ
学ぶ楽しさ,わかる喜び,そして笑顔あふれる学校に!!
今年度,新しく洛友中学校の校長に就任いたしました岡田敏之です。よろしくお願いいたします。私は今からちょうど30年前,1982年(昭和57年),この洛友中学校の前身である郁文中学校に数学の教員として採用されました。当時も昼間部と夜間部があり,昼間部には通常の学齢期の地域の子どもたちが,夜間部には様々な理由で義務教育を終えることができなかった人たちが通っていました。私は昼間部の教員でしたが,夜間部の授業を初めて見せてもらったときの光景は教師になりたての私にとって衝撃的でした。60歳,70歳にもなっても一生懸命勉強しておられる。昼間の生徒より熱心に頑張っておられる。今までいやいや勉強してきた自分自身をふりかえると,とても恥ずかしく思えてくる。そして,“人が「学ぶ」とは,どういうことなのだろう。人は何のために「学ぶ」のだろう”という疑問が湧いてきました。彼らはきっとその答えを知っていたと思います。 この学校には,郁文中学校から受け継いだ「学び」の原点があります。そして,5年前,郁文中学校は「洛友中学校」として生まれ変わり,昼間部には不登校を経験した中学生が通い,夜間部の生徒と共にふれあいながら「学び直し」をする全国で唯一の学校になりました。人が「学ぶ」とは,どういうことなのか。人は何のために「学ぶ」のか。これから一緒に考えていきたいと思います。 生徒と教職員が一丸となり,この学校を「学ぶ楽しさ,わかる喜び,そして笑顔あふれる学校」にしていきましょう。 ![]() |
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