京都市立学校・幼稚園
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11月16日(土)探究科進学説明会(午前:中3)、学校説明会(午後:中2以下)申込受付中!!(カテゴリ⇒「中学生のみなさんへ」をクリック!)

復活しました

 2月17日のグラウンド開きの様子を「学校の様子」でご紹介しています。懸案であった全面改修が完了しました。
 古い人工芝で怪我をしたサッカー部のOB諸君。やっと約束が果たせました。
 当日は午前中に教育委員会の検査が終わって工事完了が確認され,昼休みにグラウンド開きのセレモニーが行われました。
 卒業していく3年生にまず入らせてあげようという趣旨だったのですが,どんどん盛り上がって,紅白のテープやマイクやBGMまでが準備されました。寒い日でしたが,生徒たちも子どものように駆け回りました。
 こういう場面で「乗る」生徒と教職員。
 うれしい財産です。

 「1月17日」を出して以来,ながらく休んでいました。申し訳ありません。
 理由はいろいろありまして,それだけで延々と書かねばならなくなりそうです。よってやめにしますが,いちばん新しい理由だけをお知らせしますと,実はインフルエンザにかかっていました。月曜日に学校医の先生に診てもらい,リレンザを吸引して昨日までおとなしく療養していましたが,学校内外のみなさんにご迷惑をかけてしまいました。

 寒い日が続いています。でも,行きつ戻りつしながらも,春は近づいています。
 来週はもう3月で,1日は卒業式。堀川高等学校としては第64回卒業式になります。
 学年主任からメールがきて,「ゆっくりお休みになって,元気に戻ってきてください。卒業式,よろしくお願いします」。確かに,1週間後ろにずれていたら大変でした。

 午前10時の開式に先立って,卒業生たちは入学してきたときと同様に,アリーナ入口から舞台正面へ続くメインロードを,ホームルーム担任に先導されて入場してきます。その姿を,舞台の上の飾り幕の中央に刺繍された校章が見守ります。
 高校生が,もっとも華やかに輝くのが文化祭なら,もっとも静かに光るのは卒業式でしょう。かれらはこのとき,高校生活の最上の高みの中にいます。
 普段と変わらぬ着慣れた制服姿の胸には,後輩から贈られた心尽くしの花一輪。そして,新しい生活へのカウントダウンを待つ緊張感。
 いざさらば。われ行かん。
 いざさらば。健やかなれ。

 今年は11期生が卒業します。
 芽ぐむ11期生。空に向けて伸びる芽のしなやかに光る。
 1月13日に三年生激励会を行いました。その様子も「学校の様子」に紹介されています。
ところで今日25日は国公立大学前期試験。受験生の健闘を祈ります。
さて,激励会でかれらに伝えました。
 ……「芽ぐむ」のことだが,8期生は大地,9期生は光,10期生は炎,ときて(1999年に入学した1期生を第1ページとする『堀川高校物語』の,それぞれのページのタイトルのようにして「言葉」を贈ってきました),11期生からは名詞をやめて動詞に替えようということになった。学年主任と相談し,図書館長と図書館で辞典をひも解いた。8期生が大地だったこともあり,その卒業と入れ替わって入学してきた君たちに「芽ぐむ」というイメージをもった。「芽吹く」は枝から芽が出ること,「芽ぐむ」は地面から芽生えること。「萌む」,「恵む」にも通ずる。君たちは地面から空に向けて伸びる,輝く芽だ。
 (動詞にすることで,各学年をイメージする「言葉」が広がったかに見えたが)しかし,12期生が入学して,あれこれ考えた結果,どうも動詞は難しいということになり名詞に戻すことになって,「根っこ」にした。続いて13期生は「はがね」。だから,はるかな将来はわからないが(いつまで続くのだろうかと卒業生たちは思っているようだ),動詞の単語をイメージとして冠するのは,君たちだけだ。
 ……関係者以外にはどうでもよいような話ですが,当然ながら私たちには重要事項です。3月1日,その11期生たちが卒業します。

 式場の檀上ではさまざまなドラマが展開します。これまで8人の答辞をただ一人,面と向かって聴いてきました。まことに贅沢な経験です。
 可能性の荒野を見いだした3期生は情熱的に,木を植えた4期生(この年まで学年の「言葉」は後に贈られていました)はさわやかに,狩人の5期生はいつ終わるか分からずハラハラしました。風の6期生は思索的で,しずくの7期生は可憐に,大地の8期生は誠実で,光の9期生は夢見がちに,炎の10期生は実に朗らかでした。そして今年,芽ぐむ11期生の答辞を読むのは「ひま部」のメンバーです。

 6期生が卒業を間近に控えていた2月。卒業準備委員会の生徒たちから,式の最後に合唱する歌を,感謝を込めて保護者に歌いたい,ついては,後ろの保護者席に向かって歌いたい,という話が出ました。相談を受けて準備委員会が開かれている教室に行くと,20人ほどの生徒たちがいました。
 「卒業式は卒業証書授与式で,学校長が主催する儀式である。生徒会が主催する文化祭とは,いずれも生徒が主役であることは変わらないが,趣旨が異なる。卒業式は君たちの発表会ではない。その点を理解しているか」と尋ねました。
 「保護者に感謝するというのは,もちろんよいことだ。しかし,前方には君たちの卒業を祝うために来てくださった来賓もおられるし,3年にわたって愛情と労力を注いできた担任も座っている。卒業生全員が合唱する歌を,感謝を込めてと言うならば,どのように歌えばよいのか考えてほしい」と伝えました。
 その上で,「どうするかは君たちに任せる。答えは当日に見せてくれればいい」。
 生徒たちは,じっと聞いていました。
 考えさせたかった,というのが生徒に話した理由です。どっちを向いて歌っても,誰も気分を害しはしないでしょうし,式の厳粛さが損なわれるものでもないでしょう。ただ,さまざまな条件のもとで,よく考えた上で行動するという経験をしてほしかったのです。
 第59回卒業式。最後の合唱。生徒たちは前を向いて歌っていました。そわそわした様子もなく,落ち着いて歌い続けます。このままずっと前向きのままなのか,どこかで後ろを向いてもいいと言っておけばよかったか,と気を揉んでいると,ほとんど最後になって,全員が音もなく回転して保護者席を向きました。音楽に乗せて発する,短い感謝の言葉が聞こえてきました。
 私は,生徒たちの背中が揺れるのを見ていました。
 ややあって,また音もなく,一糸乱れることなく正面に向き直る。
 そうか。これが君たちの答えだったか。
合唱が終わる。大きな拍手。生徒たちを包みこむように。

 昨年の10期生も感謝の言葉を会場に響かせました。
 今年の11期生も何か考えているということです。
 その年にしかない,その学年の卒業式。
 他の誰でもない,その人の卒業式。

 さて,書くかどうか迷ったのですが,もう一つ,書かないでいた理由を挙げますと,ある誠実な指摘を受けたことがあります。簡単に言えば「出来事を単に書いてあるだけではないのか」というもので,特に「1月17日」はまったくそのとおりでしたから,まさに一本取られたように思ったのでした。
 出来事を淡々と連ねて読者をうならせることができるほどの筆力をもちたいと思いました。志賀直哉をうらやましく思いましたが,一朝一夕にはどうにもならないことを改めて知るのみでした。そして,そういうことを考えていることこそが自分の乗り越えるべき弱点ではないかと気付きました。
 いつまでも隠れていても仕方がないと思いました。
 これは一つの開き直りです。ただし,気分はすがすがしい開き直りです。
 きっとこれまで自分の中に,何かいいことを書こうという姑息な思いがあったのでしょう。それが洗われたような気がします。憑きものが落ちたような。肩の力を抜いて,見たものや感じたことを,ただただ書こうと思うようになりました。すなわち「出来事を単に書く」ことを追究しようと思ったのです。
 書けるか,という思いがもたげてきます。それに対しては「さあね」というような感じです。書けるかどうかというのは結果で,その結果をうんぬんするよりも,書こう。そう思っています。
 これからもどうぞよろしくお願いします。

                      38号(2012.02.25)……荒瀬克己

ポスター発表会(2012.2.21)

普通科1年後期で行われる総合探究IのB-stageでは、各自の興味関心に応じた8つの少人数講座(ゼミ)に分かれ、その中の小グループで探究活動を行い、研究内容をレポートにまとめました。そして、本日、その集大成であるB-stageポスター発表会が行われました。各自が作製したポスターを用いて、パネルの前の聴衆とコミュニケーションをとりながら発表しました。保護者や教育関係者、本校教職員が多数参加し、活気のある発表会になりました。
写真:ポスター発表の様子
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本館グラウンド新調

 新しい校舎とグラウンドになって13年目、グラウンドは多くの生徒が体育の授業や部活動などで使ってきました。地域の方々にもたくさん使っていただきましたが、ずいぶんと痛みが目立つようになり、昨年秋にグラウンド全面張替の工事を開始、そして先日緑鮮やかなグラウンドが蘇りました。
 2月17日(金)昼休み、グラウンドの新調を記念して「グラウンド開き」を行いました。学校長あいさつ(写真上)、テープカット(写真中:左から3年生徒代表・生徒会長・学校長・体育科教員代表)のあと、生徒たちは新しくなったグラウンドの感触を存分に楽しみました(写真下)。
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コミュニティーカレッジ講座(2012.1.28)

 1月28日(土)、校内でコミュニティーカレッジ講座を2つ開講しました。堀川高校コミュニティーカレッジについてはこちらをご覧ください。http://www.edu.city.kyoto.jp/hp/horikawa/
 1つめの講座は、毎年好評の「人間行動学入門」(写真左)。毎年3回シリーズで立命館大学文学部教授、精神分析学がご専門の山本昌輝先生に来ていただいています。今年度第2回の28日は心理テストや箱庭療法について教えていただきました。第3回は3月17日です。
 もう1つは、昨年度4月からの通年講座、岸本久美子先生の「原文で読む源氏物語」です。28日に最終回の27回目を迎え、源氏物語五十四帖を読み終えました(写真右)。岸本先生には、来る2月25日に「文学歳時記」特別講演もしていただきます。講演のテーマは「源氏物語 ―その罪の世界」、普段はあまり古典になじみがないのだけれど…という方のご参加もお待ちしています。詳細はこちらからご覧ください。http://www.edu.city.kyoto.jp/hp/horikawa/commun...
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12期生総合探究II C-Stage発表会(2012.1.27)

 普通科2年間の「探究活動」のまとめにむけ、それぞれがゼミで探究してきた研究テーマについて、ポスター形式での発表会を行いました。今年度は、「茶わんの湯ゼミ」「これからの京都を考える京未来ゼミ」「くうねるところにすむところゼミ」「比較文化ゼミ」「ワンワールドゼミ」「心理・コミュニケーションゼミ」「シェイクスピアゼミ」「日本學ゼミ」にわかれて活動しています。
 「住居における光について」「根と葉は糖を吸収するのか」「京都の交通渋滞を緩和するためには」「対象年齢と絵本の関係性」「国際支援の問題点」「日本のイメージと”笑いのツボ”比較」「日本刀に於ける成立の概要」「シェイクスピアが現代の英語に与えた影響について」……。 2年生普通科全員が、自分の研究を1年生普通科生徒や連携校の中学校の先生方に発表、その場での質問にもしっかりと答えました。


写真上中:ポスター発表
写真下:シェイクスピアゼミ 原語による「ロミオとジュリエット」上演

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SSH運営指導委員会(1月25日)

京都市立堀川高等学校「スーパーサイエンススクール」
第16回運営指導委員会を行いました。
堀川高校のSSHの取組をご説明し、運営指導委員の先生方から貴重なご指導やご助言をいただきました。

ご出席いただいた運営指導委員の先生方をご紹介します。
(外部委員は50音順)
塩瀬 隆之氏(京都大学総合博物館准教授)
高須 秀視氏(ローム株式会社常務取締役 研究開発本部長)
山折 哲雄氏(元 国際日本文化研究センター所長)
生田 義久氏(京都市教育委員会教育政策監)
清水 稔之氏(京都市教育委員会指導部担当部長)

会の中で、この3月に行われるJST主催「第1回科学の甲子園」に、京都府代表として出場する堀高チームのメンバーによるプレゼンテーションも行いました。運営指導委員の先生からの「探究活動でのどんな経験が京都府予選の役にたちましたか?」という質問に、チームのリーダーは「グループで問題に答える場面で、探究活動で培った人と話し合う力が役にたちました」と答えるなど、探究活動の意義を再確認した様子でした。

写真上:開会挨拶 写真中:生徒によるプレゼンテーション 写真下:取組説明

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探究基礎 ゼミ間交流会(2012.1.21)

1年生の探究基礎は、昨年10月からゼミ活動が始まっています。
これまでに学んだことを、他のゼミの生徒に対して発表する「ゼミ間交流会」が行われました。

探究基礎委員長のことば
「今日は、ゼミ間での交流が深まり、それぞれが新しい視点を得たと思います。この経験を今後の探究活動に活かしていきたいです。」

写真は当日の様子です。
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1月17日

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ライトアップされた東寺五重塔



 昨日は1月17日。1995年のあの日から17年が経ちました。
 朝,5時前に起きて,新聞を取りに。京都版を開けて,まず京都市長選挙の特集。16日の夕方に朝日新聞社から明日掲載するという連絡が入っていました。
 記者の方に尋ねました。
 「高校入試や学級定員などの制度に関することや,統廃合とか耐震対策とかといったことや,また,教職員や教育委員会に関すること,まさに昨日出ていましたが,国旗国歌関係の問題であるとか,教職員数のこととか,そういったことなら市長選挙の争点になるかもしれないけれど,とりわけ義務教育ではない,しかもこれだけ学校の特色化が進んでいる状況で,高校の取り組みが選挙の話題になるのでしょうか?」

 中学生がどの高校に行くかを選択する際には,その機会が平等でなければなりません。現在京都市および隣接する乙訓地区の普通科第1(本当はローマ数字なのですが,このソフトでは使えません。以下同様)類(学力充実コース)で実施されている総合選抜は,どの高校に行くかを選択しないという条件で,中学校の学習状況と入学検査の成績によって,高校入学が可能になります。しかし,この「どの高校に行くかを選択しない」ということに対して賛否両論があります。普通科第2類(学力伸長コース)や第3類(個性伸長コース),また専門学科は,すでに単独選抜(行きたい学校を受けて合否が決まる)になっています。
 これまでも普通科第1類の入試制度には変更が加えられ,特色選抜(定員の15%を学力検査なしに面接等で合否決定)や特別活動・部活動による入学者枠(定員の20%を総合選抜による合格者の中から決定)によって,行きたい学校を選べるようにしてきました。このような選抜制度は全国的に見てもわずかで,そのあり方についての検討が現在行われています。

 さて,記事は「教育モデル校」に対する賛否という構図になっていました。堀川は高校改革の「パイロット校」ですので,必ずしもモデル校ではありませんし,また,私としては高校教育がどのようにあるべきかについて話したつもりでしたが,対比ないしは対立する形を作らなければなりませんから,仕方ないのでしょう。こうは言っても,文句をつけているのではありません。記者の方もさまざまですが,今回のインタヴューは実に誠実に行われました。しかし,明示されたテーマに沿って直接議論をしたのではなくて個別の取材に基づく記事ですから,話がかみ合っているとは言えません。編集をされた方々のご苦労を思いました。
 私の1月17日は,こうして始まりました。

 朝,8時過ぎに学校へ。
 進路指導主事(進路部長)からセンター試験の集計結果の報告。全国平均予想はまだわかりませんが,堀川としてはほぼ例年どおりだろうということです。
 何人かの3年生とやりとり。「もうすでにセンター試験は過去のもの。行きたいところに行くことが基本。事情があって対応を変更するにしても,データを見てから。一喜一憂をしていないで,前を向きなさい」。

 3年生の担任と立ち話。「これからですね」。
 よかったにせよ,よくなかったにせよ,多くの生徒が揺れるこの時期。我に返ることを促すのが担任の重要な役割。

 企画会議。将来構想についての議論。選抜制度の変更があった場合,堀川はどのように対応していくか。
 「カンカンになって進めていく人が必要になりますよ」。
 もちろん,その人とは別に,冷静に,むしろ逆に批判的に意見を展開する人も。

 来年度人事異動について副校長と打ち合わせ。校内人事についても。遅ればせながら,各教職員のキャリア計画を参考にした校内人事を行うために,教職員からの提案に基づき「キャリアプラン申告書」を作成中。申告書の様式について提案者と相談。

 進路部長に,新学習指導要領実施後の大学入試センター試験について高校としての意見集約を月末の進路指導研究協議会で行うよう依頼。
 「ただし,すでに考えているカリキュラムを入試対応で変更するといったことは本末転倒。教育課程は学校の教育方針を具体化したものだから,入試対応も考慮する必要はあるが,本来どういう教育をしてどんな生徒に育てたいかということをぶれさせてはいけない」
 「わかっています」
 「『はい』だけでよろしい」
 にやりとして,
 「はい」

 英語科主任と新学習指導要領に基づく英語授業についての打ち合わせ。
 「何もかも,寝ている生徒を起こすのも,文法の説明も,すべて英語でやるように」
 「え? そうなんですか?」
 「ということが重要なのかどうか,All Englishの趣旨を正確に」
 「はい」

 メールを読み,一部に返信。電話を2本。かかってきたのも2本。

 2時間目が終わった後にやっている教職員連絡会で,センター試験集計結果報告を受けて,教職員に感謝。「結果はみなさんの尽力のたまもの」。
 さらに,「どこそこ大学に何人といった数値目標は設定しないが,センター試験は数値目標設定ができる標準的問題。目標に達しなかった教科・科目の担当者は分析を。また,標準単位数を超えている教科や習熟度別授業を行っている教科も効果測定を」。
 堀川の最高目標は「自立する十八歳の育成」。その達成のためにも,そこにつながる学力向上は第一優先事項。

 1年生の海外研修のことで,学年主任と一緒に旅行会社の方と打ち合わせ。なぜ円高が旅行費用に直接反映していないのか理由を確認。保護者への説明文書を依頼。

 朝日の朝刊を読んだという保護者から連絡。
 1月17日であったことをあらためて認識。去年の1月17日は月曜日。子息が去年,前日の日曜日から神戸に入って,慰霊の竹筒の灯を準備するボランティアに参加。少し仮眠をした後に,何食わぬ顔で登校したことを知り,感激したことを思い出す。
 奇しくも副校長が,「彼は今年どうしたでしょうか」。

 書きかけの「校長室から」を断念して食堂へ。居合わせた教員と,カレーと餃子の店についてあれこれ。後から来た教員が「生徒が新聞に校長先生が出てはったと言ってましたよ」。そのあと廊下ですれ違った教員も,「今日は朝一番に新聞でお会いしました」。

 昼休み,研修旅行委員会の生徒男女2人ずつが,旅行の冊子への原稿依頼に。
 「残念ですが,まだ実感のない人もいるので,もう目の前に迫っているぞ,というように活を入れる文章をお願いします」
 それぞれの将来の夢を聞く。
 「君たちの話を聞いて,共通して大事になることを三つ考えました。国際社会との関わりと,経済学的視点と,そして哲学。哲学というのは,自分としてどのように考えるかという軸」

 午後に洛陽工業高校である生徒指導研究会に出席するためバスの系統を確認。副校長が,「四条堀川から特13番です」。
 洛陽工業高校の恩田徹校長にこれから伺うという電話をしたら,今日は日経の佐藤編集委員の総合的な学習の時間の授業があるとのこと。副校長に,「会議に出て挨拶して,そのあと授業を見せてもらって,生涯学習部の会議に行って,今日はもう戻りません」と告げて外出。

 1時29分のバスに乗るべく四条堀川で信号待ち。お年寄りと一緒の女性が,「2年生でお世話になっている○○です。お父さん,堀川高校の荒瀬先生」。ご挨拶をしたら,「私も堀川高校。同窓会長の市田ひろみさんと同じ2期生でした」。

 バス停で待っていると,東の方から盲導犬。ハーネスに「お仕事中」,「訓練中」と書いた札。道理でビデオを回している人もいて,総勢5人。
 研修会で聞いた松永さんのお話を思い出す。「盲導犬は数が少ないから,めったに会わないと思います」。
 バスが来て乗ってからも,松永さんの声。「目をつぶるとバランスがとりにくくなります。だから,バスに乗ると怖い。立っているのは,空席がわからないから。視覚障害者を見かけたら,空席を教えて座らせてあげてください」。

 バスの中は暖か。風もなく日差しもあって春を感じさせるような。旅行者みたいな気分でいるうちに西大路駅前。
 洛陽工業高校の門を入ると生徒部長さんのお出迎え。グラウンドでは体育の授業。旧知の先生と挨拶を交わして校長室へ。隣の会議室が生徒指導研究会の会場。時間があったので少し授業を拝見したあと会議室に。
 会場校の恩田校長のご挨拶。「いろいろと問題が起こってその対応に追われることもあるが,後追いにならない,キャリア教育につながるような生徒指導を」。
 私も会長として挨拶。堀川の組織改編の予定,研究会の体制について。
 その後,3階に上がって「創造基礎」の授業見学。ティームティーチング形式。30数人の1年生たちに日本経済新聞社編集委員の佐藤徳夫氏が質問中。全員が机の上に朝日新聞を広げている。あれ,日経じゃないの? 「新聞は毎回違います。今回は先週金曜日に朝日を渡しています。今朝の先生の記事もつけましたよ」と恩田校長。見学者は,下京中学校長と,教育委員会の首席指導主事がお二人と私。

 黒板には,「何のために勉強しているの?」。そのあとに,「自立すること」,「社会のためになること」。
 阪神淡路大震災の日ということで,震災に関する授業。6時間目は佐藤氏の講義。7時間目はグループワーク。実に面白い。(詳細は,いずれ洛陽のHPに出るかと思いますが,過去のものは,
https://cms.edu.city.kyoto.jp/weblog/index.php?...
 見せてもらってよかった。「地震の影響は何県にまたがっていたか?」という佐藤氏の質問に,生徒の一人が「全国」。「全国って,そうか?」。「だって,原発の影響が……」。
 この「だって」が特によかった。自分の思いや考えを伝えようとしている。すばらしい。
 もう一つ驚いたのは,休憩時間。佐藤氏が,席から離れた生徒の椅子に座って私と話しておられたときのこと。始業のチャイムが鳴って,戻って席に着こうとした生徒の椅子には佐藤氏が着席なさったまま。するとその生徒,全く自然に,教室の後ろにあった椅子を持ってきて座った。なんと状況に応じた行動か。あとから彼を称賛したら,その照れるところがまたよかった。
 終了後,毎回あるという別室での補習に私も参加。3人の生徒が出席。佐藤氏と恩田校長と,こちらも3人でスタート。このやりとりもとても面白かったが,詳細は割愛。

 5時半ごろに大変興味深い経験をした洛陽を辞して,九条通りに沿って東へ。途中で副校長に電話。学校の様子を聞いたあと,歩いて九条大宮まで行くと言ったら,「ウォーキングですか。気をつけてくださいね」。
 冬至から間もないのに,すでに長くなっている夕方の洛南をテクテク。
 九条坊城。国道1号線の曲がり角。前方に東寺の塔が見える。携帯電話でカシャッ。あっ,ぶれた。
 大宮通りを渡って進むと,東寺駅手前に九条近鉄のバス停。九条大宮のバス停は大宮通りだったか。戻ろうかとも思ったが,よし,地下鉄京都駅まで歩こう。

 四条駅で降りて歩いていると,地下道を向こうから女子生徒。会釈する彼女らに「さよなら」,「さよなら」。
 四条通りに上がると,今度は男子生徒が二人。「さよなら」。びっくりしたのか,「あっ,こんばんは」。
 室町通りを北に曲がって気がついた。迷わずに歩いている方向は堀川高校。今から行くべき場所は富小路蛸薬師アガル。反転して蛸薬師通りを東へ。暑くなって,途中でマフラーを取り,手袋をはずし,6時半の会議の5分前に無事到着。
 人づくり21世紀委員会。会議中なにも発言せずにずっと考えていたのは,「人づくり」ってどういうことかなあということ。

 8時に会議が終わって,再び地下鉄四条駅へ。
 阪急電車のほうから地下鉄に下りる階段辺りで誰かに呼ばれたような気がして,でも違っていたら恰好悪いので,そのまま改札口に向かって歩いていたら,前に回り込むように二人の女子生徒。元気に笑いながら,はあはあと息が荒い。
 「あ,校長や,と思って追いかけて」
 「先生と言いなさい」
 「校長先生がおられると思って走って来ました」
 「何していたの?」
 「ご飯食べて,もうおなかいっぱいで」
 「走ったから苦しいです」
 「どうぞお大事に」
 少し歩いて,
 「どこまで帰るの?」
 「私は宇治です」
 「私は北大路まで。先生と近いですよ」
 「ふうん。ではさようなら」
 健康のために私は階段を。気にする必要のない彼女らはエスカレーターで。
 竹田行きが来て,一人が「さよなら」。
 「気をつけて」
 国際会館行きが来て乗り込む。夜の電車は車輪の音を響かせて揺れる。
 北大路で降りてもう一人と改札口で,「さよなら。気をつけて」。
 この飽き飽きする日常が,かけがえのないものであることを知っているかい?
 地上に出ると,夜の冷気。
 ポケットから歩数計を出して街灯にかざしてみたら,13,120歩。

 長い一日。こうして今年の1月17日が終わりました。

                      37号(2012.01.18)……荒瀬克己

2月,3月行事予定を掲載しました。

 2月,3月の行事予定を掲載しました。
右の月間行事予定をクリックすると,
それぞれの月の主な行事予定をご覧になる
ことができます。

3年生(11期生)激励会(1月13日)

 卒業後の進路にむけて奮闘する3年生を激励する会を講堂で行いました。
1・2年生の気持ちのこもったメッセージと折鶴による激励(写真上),続けて進路部長・担任団(写真中)・11期生有志・学校長(写真下)から次々と激励メッセージが送られました。
 土日のセンター試験を受験する生徒たちが、力を出し切ってくれることを願っています。
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京都市立堀川高等学校
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