京都市立学校・幼稚園
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11月5日(土)学校説明会のご案内

中学3年生対象探究科進学説明会 10:00〜12:30
中学1・2年生対象普通科・探究科学校説明会 14:00〜16:30

日程・内容などはこちらをご覧ください。
http://www.edu.city.kyoto.jp/hp/horikawa/entran...
 
それぞれの説明会の詳細な案内は
画面右下にある「配布文書」からご覧ください。
 

神無月

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 先週土曜日は10月1日。
 午前中,西京・嵯峨野・堀川三校の専門学科合同説明会を京都駅前のキャンパスプラザで開催しました。堀川からは21人の教員が行きました。京都新聞に大きく取り上げられたので,京都や滋賀にお住まいの方はご覧になったかも知れません。
 「京都の公立高 受験生に猛攻」という見出しで,記事には「私立高の学費負担は,ほぼ公立並みに軽減され,『もはや公立,私立の差はなく,同じ競合の土俵に乗った』との強い危機意識がうかがえる」とか,「府立高校と市立高校の共闘。関係者は『受験層が重なる公立3校のタッグで,より多くの中学生を集めたかった』と打ち明ける」とかと書かれていました。
 確かにそういうことも言えなくはありません。しかし,私たちが考えたのは,当日お話ししましたように,三校のどこかに合格する生徒は,基本的に三校のどこにでも合格する可能性を持っていますから,どこが自分にとっていちばん行きたい学校かを考えてもらうための情報を提供するということでした。
 
 午後には本能館で第3回探究道場がありました。8月2日に紹介した「数学で探究〜ハカリシレナイ測り方」の第2回。前回と同じ内容で中学生に悩んでもらいました。
 8月2日に,「道場は,PBL(Problem Based LearningあるいはProject Based Learning)の手法で行っています。問題を提示した後は,基本的に説明は行いません。自分の持っている知識や技術や経験に基づき,それらを活用して取り組みます。堀川の生徒が進行役や補佐役を務めますが,手を貸すことはしません。したがって,自分でよく考えるということとともに,他のメンバーとよく話し合うということが大切になります」と書きました。今回は,うちの生徒が前期末試験直前であったため参加していません。その代わり十数人の教職員が手伝いました。
 それで何をするかというと,課題は深泥池の面積を出すこと。机の上や教室の前後にはいろいろなものが置いてあります。
 まずは,深泥池の地図。それから,定規,タコ糸,ゴムひも,ゴム風船,セロテープ,方眼紙,はさみ,紙粘土,コピー用紙,マジックペン,精密なデジタルばかり,電卓など。この中には面積計算をするのに不必要なワナのようなものもありますので,師範を務める数学科の教師が「ゴム風船を膨らまして遊んでいてはいけませんよ」と声をかけますが,そんなことをする人は一人もいません。
 前回同様,実に面白い3時間でした。
 探究道場の合間,本能館のブリッジ(渡り廊下)から見上げると,空にはきれいなうろこ雲。神無月に入って,見えるものはすっかり秋です。

 月の異名はどれも味わい深いものですが,私にとって神無月は少し特別です。
 高校時代に睦月,如月……と教わったときに,古典の先生が「八百万の神々が出雲に集まるためにいなくなるから神無月。だから出雲は神有月」とおっしゃるのを聞いて,ナルホドと思いました。ヤオヨロズノ神々という非現実が,「だから出雲は神有月」という結びで,素朴な論理的処理を施されたからです。それがなければ,では神様がみんな集まる出雲はどうなのかと理屈好きの生意気な高校生たちは,さぞかしうるさかったことでしょう。
 数年前に島根県へ行ったとき,実際に出雲で神有月と呼んでいるかどうかを尋ねてみました。私が話した土地の方は「そう言うこともありますかね」と,どうということもない風でした。

 さて,いつの時代でも高校生は生意気です。生意気は高校生の特権ですが,それは成長過程に必要な性向だからです。生意気には素直な心もまた内包されています。したがって,高校生の生意気さは好ましくさえあります。
 素直とは,謙虚や敬意や感動を備えていることです。これらは人間の心の中の神様のようなものであると思います。素直さを失うと,生意気は剛情や傲慢,時には無理解や怠惰に変成します。
 おとなはそのバランスを保つ訓練を経ているはずですが,それができない人や,できない場合があります。特に,「立場」のある人や場合が要注意です。立場は人を成長させ,充実させもしますが,逆の働きをしてしまうこともしばしばあります。
 他の組織はいざ知らず,学校では,生徒と接する教員は気をつけなければいけません。そうだとすれば,校長がもっとも気をつけなければなりません。かく言う私はどうかというと,なかなか危うい状況です。神無月というのは,警句かも知れません。

 あれこれと考えますが,この数日は空ばかり見上げてしまいます。
 神無月の四日。屋上に上がってみると北の空は青く,空気は清々しく,振り返れば南の空には絹の雲が高く。
 
                      23号(2011.10.04)……荒瀬克己

第4回探究道場のお申し込みについて

第4回探究道場の受付を10月24日(月)〜10月31日(月)に行います。

詳しくは画面右下にある「配布文書」の中の、「第4回探究道場案内」をご覧の上、下記のいずれかの方法でお申込みください。

1.FAX申込:「配布文書」の中の「第4回探究道場申込書」に必要事項をご記入の上、FAXしてください。

2.メール申込:必要事項をメールにて送付ください。

ホームページへの掲載が遅れましたことをお詫びいたします。

探究基礎 I 全体会(2011.9.28)

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 1年生の探究基礎が,第1段階の「HOP」を終え,第2段階「STEP」に入ります。本日の授業の前半は「情報を正しく読み取れるようになる」ことを目標に学習してきた「HOP」のまとめ(写真左)を行いました。第2段階の「STEP」では,「調査する手法を習得する」ことを目標に少人数のゼミに分かれて学習します。授業の後半は,ゼミの担当教員が各ゼミのプレゼンテーション(写真右)を行いました。1年生全員が,このプレゼンを参考に所属ゼミを登録,後期からゼミでの活動が始まります。

体育祭(2011.9.23) その1

本校嵯峨野グラウンドにおいて、体育祭が行われました。
台風の影響で一日順延となってしまいましたが、当日は天候にも恵まれ、青空の下に歓声が響き渡りました。

(写真上)地球はまわる(パン食い競争)
(写真中)借り物競走
(写真下)二人三脚
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体育祭 その2

(写真上)棒引き
(写真中)騎馬戦
(写真下)学年混合縦割りリレー
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体育祭 その3

(写真上)玉入れ
(写真中)ムカデ競走
(写真下)みんなでJUMP(大縄跳び)
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ソウル

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○写真左は,京丹後市の友人が送ってくれた今朝6時過ぎの南館
○右は,10時過ぎに屋上から見た比叡山と雲
 (カメラを持たないのでソウルの写真はありません。すみません)


 9月21日は,台風15号による暴風警報が発令されたため臨時休校。朝から教育委員会に用事があったので,私は午後から学校に行きました。文字通りガランとした学校に教職員だけが普通にいるというのは妙な感じです。アトリウムに行っても,生徒の声は聞こえないし,当然気配も感じません。なんだか不思議な空間。今年,臨時休校はすでに二度経験しています。しかし,生徒のいない学校もまたオツなものだとうそぶいてはみても,実際にはどうも落ち着きません。
 警報が解除されたあと,夕方になって2人の2年生が来ました。翌22日にある京都パレスライオンズクラブでの発表準備です。クラブのご厚意で,生徒にヨーロッパ研修の機会をいただきました。10月にストックホルムとロンドンに行くことになった2人が,翌日のクラブの例会で研修内容の説明をすることになっているので,一緒に行く教頭の指導を受けに来たのでした。どうぞと言われて,私も会議室で発表を聴きました。「それって,本当にそういうことが言えるの?」とか,「話に無理があるように思うなあ」とか,「どこで調べたの?」とか言って邪魔をしているようなものでしたが,2人は誠実に対応してくれます。そうこうしているうちに,PTA役員のみなさんがお見えになって定例の役員会。
 夜遅く,22日から2泊3日で韓国へ行くための準備をしました。23日は台風で順延になった体育祭でしたが,私はソウルで会議があって出られません。挨拶は副校長がやってくれました。体育祭にいないのは初めてです。この話を受けた時に,もしも体育祭が順延になったらと思ってためらったのですが,いろいろな方から勧められて引き受けました。予感が的中してしまったことを悔しく思います。

 2011 International Forum on Creative School Managementという催しに出席しました。日付のおかしくなった9月15日の19号の「月」で,「少々多忙にしていました」と書いたのは,この会議での発表原稿を用意するのに手間取っていたからです。なかなかのハードスケジュールでしたが,大変刺激的な経験をしました。会議の詳細については,いずれどこかで発表したいと思っています。
 主催は,韓国政府の教育科学部とKEDI(韓国教育開発院)。日本で言えば,文部科学省と国立教育政策研究所ということになるでしょうか。会議に招かれた外国人は4人。ロンドン大学の教授,イギリスのロバートクラーク学校とアメリカの「壁のない」学校の校長,そして私です。韓国からはポサン高校という全寮制の高校の校長。さらに,OECDの上席研究員がパリからの同時中継で参加しました。教育活動と学校経営について発表し,そのあとでパネルディスカッション。
 発表のはじめに,東日本大震災の被災地に向けた支援に対するお礼を言いました。最初から言おうと思っていたのではありませんでした。ただ,欧米のゲストと会って握手をしたときに,「元気を出してほしい。日本に期待している」と言われたことが強く印象に残っていました。緊張していたのに,自分でも思いがけないくらい自然に言葉が出ました。すると,会場の人たちから大きな拍手が起こりました。驚きました。これをどんなふうにして被災された方に届ければよいのかと戸惑うほどでした。
 ソウルの人たちに,とてもよくしてもらいました。日本が好きだと微笑むKEDI院長。23日の朝から夕食会まで一緒だった2人の同時通訳。3日間随行して日程管理をしてくれたKEDIの研究員。休日なのに,金浦空港近くの学校を案内して韓国の高校事情を説明してくれた温和な校長。お昼においしい韓国料理をご馳走になりました。
 行かなければわからないことがある,話さなければわからないことがある,という素朴な感動を覚えました。
 そんなふうに感じることができたのは,行くにあたってさまざまに力を貸してくれた英語の教員や世界史の教員のおかげです。副校長や教頭も,「留守は大丈夫ですから楽しんできてください」と送り出してくれました。数多くの教職員から「気をつけて行ってらっしゃい」と声をかけてもらいました。いろいろな人に支えられているということを改めて実感した韓国行きです。

 明日28日に探究基礎の全体会があります。半年間やってきた第1ステージHOPのまとめの会です。昨日のこと。「探究基礎委員が話したいと言っていますが,いいでしょうか」。担当している1年生の副主任がにこやかに言います。4人の1年生がやって来ました。
 「全体会で話していただきたいのですが」
 「どんなことを話しましょうか」
 「ええっと,モチベーションを上げてもらえるような」
 「ほう。だいたい何分くらいですか」
 顔を見合わせて相談が始まりました。
 「11時20分に終わる予定なので」
 「でも時間が押したら」
 「11時30分には終了しないと」
 「そしたら5分くらいか」
 「5分くらいです」
 あれあれ。5分でモチベーションの上がる話。そういうことができれば,本が書けそうです。生徒は屈託なく難問を出してくれます。それはそれとして,1年生の講演会に来ていただいた鷲田清一先生の言葉,先輩たちの話,震災のこと,聞いてきたばっかりの韓国の高校生のことを4人に話しました。
 「こんな話をしたら30分くらいはかかるね」

 学校を出たら門の前で3年生と一緒になりました。台風が来なければ21日の放課後に話すことになっていた数人の生徒たちの一人です。
 「今回は流れたから,また日程調整してね」
 「はい」
 「体育祭はすみませんでした。どうでしたか」
 「とってもよかったです。優勝したんですよ」
 「そうか,君,5組か」
 「はい。球技大会も文化祭も賞をとれなかったので,最後に優勝できて」
 「それはよかった」
 「先生,質問があるんですが」
 「どうぞ」
 「韓国へは,どういう用事で行かはったんですか」
 「実はね……」
 説明しながら堀川通りを歩いて四条堀川で別れるとき,
 「3年生のアセンブリに話しに来てくれはるのはいつですか」
 卒業式までにもう一度君たちに話したいと言ったのを覚えてくれていました。
 ありがとう。たそがれ時に聞く君の言葉が心にしみます。

 「月」で,高石ともやさんが紹介された江幡玲子さんのことを書きました。江幡さんはおっしゃったそうです。
 「待っていてくれる人がいるから,人は希望を持って生きられるのよ」
                      22号(2011.09.27)……荒瀬克己

感嘆符 あらら

 さきほど,9月15日に掲載した「月」の最後にある署名の位置を訂正しました。その際に掲載順序を変えないよう,「アップの時間を変更しない」チェックをするべきところ,やり忘れて更新してしまいました。
 その結果,9月15日の記事が20日と21日の記事よりも新しい記事として掲載されました。
 順序を正しくするためには,記事を差し戻してアップし直すしかないとのことで,そのようにしましたが,その結果15日の記事も20日の記事も,21日にアップしたことになってしましました。
 変な感じになって申し訳ありません。
                               ……荒瀬克己

SWIM−2−

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○上の写真は群読の本番。下は奮闘する調整室の様子


(昨日のSWIM−1−の続きです)

 本番が近づいていました。どうするかと考えあぐねて,生徒の練習場所となっている小ホールに行きました。生徒たちは細かな調整をしていました。やりとりをしばらく聞いていて,そして決めました。
 こうしてここまで来た生徒たちだからこそ,変更の意味を理解できるだろう。たとえ誰かが本番でしくじったとしても納得してくれるだろう。また,来てくださった方にも,この子たちの思いは十分に伝わるはずだ。いまは,しないで後悔するよりも。万が一失敗したとしても,こうしたいと思うことをこの12人と2年生のリーダーたちにぶつけてみよう。しかし,それは単なる自己満足ではないのか。もう一度自問自答しました。自分の思いを確かめて,私としてはすっきりした気持ちで生徒たちに賭けることにしました。

 趣旨を説明した後,何度も変更箇所の読み合わせ。一人の生徒の一音の調子を繰り返します。思うような声が出るまで,表現の流れができるまでやり続けます。
 ずっとまっすぐに立って声を出し続けるのは体力を消耗します。考えてみたら,説明会の群読にこれほど生徒が努力する必要があるのかというと,確かに不必要かも知れません。「ムダ」と言えばムダ。しかし,必要な「ムダ」もまたある,と考えるのが学校です。
 昨年,朝日新聞の天声人語にジャン・ギットンという人の言葉が引用されていました。「直線は2点を結ぶ最短距離だが,学校は1点から1点への最長距離を教えるところだ」。この言葉は説明会の挨拶でも紹介しました。不必要に見える回り道で,本当に必要な力を身につける。堀川もそういう学校でありたい。生徒諸君,だからやってみよう。

 本番。舞台袖ではなく,調整室に上がって正面から彼らを観ることにしました。小さな照明だけがともる暗い調整室には,担当者以外にも多くの生徒や教員がいました。
 音響と照明への注文もいろいろと出しました。いま操作卓の前で緊張する音響係や照明係の持っているシナリオには,書き込みがいっぱい入っているはずです。
 舞台のスクリーンでは順にスタッフの名前が紹介され,終わると最後のアナウンス。緞帳が下り,スクリーンが上がり,客席の照明が暗くなる中で音楽が高まり,再び緞帳が上がっていく。三分の一ぐらいまで上がったときから,一斉に重なって客席に飛び出す声の勢い。バックのホリゾント幕に薄い青緑の光。浮かぶ12人の影絵。
 静かに,そして激しく,また穏やかに響く言葉。最後に,高々とまっすぐに伸ばした指のさす先を見上げるまなざし。まばゆい光に包まれて輝く12人。

 F先生は今年70歳。哲人の風貌です。以前,師匠と呼んでもいいですかと尋ねたら,「あほか」とおっしゃいました。「では勝手に呼ばせていただきます」と言って,それ以来F先生は私の師匠です。「言葉の海を泳ぐ」,「記号の海を泳ぐ」,「魂の海を泳ぐ」という言葉は,許しを得て師匠から頂戴しました。
 そこから着想した群読の台本が「SWIM」です。

…………………
  今まで生きてきた時間のすべてを自らの力にして,
  呼吸を整え,さあ出発だ。
  たくましさを知り,しなやかさを学び,
  静かに心を見つめ,
  あるいはゆるやかに,あるいは激しく,
  眼前にたゆたう海に,
  言葉の海に,記号の海に,たましいの海に,
  海に向かう。

  言葉の海を泳ぐ
  記号の海を泳ぐ
  たましいの海を泳ぐ
  はるかな陸地をめざして
  あこがれの陸地をめざして
  すべての力を尽くし
  かつて父がそうだった
  かつて母がそうだった
  静かに呼吸を整え
  懸命に腕を伸ばし
  高らかに波を蹴り
  ひたすら夢に向かって
  泳ぎつづける

  ずいぶん時間が経った。
  なつかしい日々が浮かんでくる。
  いまどの辺りにいるのだろうか。
  孤独が水よりも冷たい。
  淋しさが波よりも暗い。
  疲れが鉛の雲よりも重い。
  陸地なんて見えないじゃないか。
  いったいいまどこにいるんだ。
  戻りたい,あの頃に帰りたい。
  苦しくてしかたがない。
  もう手が動かないのに,もう脚が伸びないのに,
  どうして誰も助けてくれないんだ。

  いまの声は何だ。
  そこにいるのは誰だ。
  君は……。
  君も泳いでいたのか。
  この暗い海の中で自分だけしかいないと思っていた。
  ひとりだけが苦しいと思っていた。
  君もいたのか。泳いでいたのか。この暗い海の中を。
  みんなそれぞれにもがいていたんだ。
  疲れたら休めばいい。
  力を抜いて漂えばいい。
  空にちりばめられた星を仰いで,
  ゆるやかにたなびく雲を眺めて,
  そう。そして,また泳ぎ始める。
  腕と脚を伸ばし,泳ぎ始める。

  光に向かって,夢に向かって,行くよ。
  この光る海を,泳いでいくよ。

  言葉の海を泳ぐ
  記号の海を泳ぐ
  たましいの海を泳ぐ
  はるかな陸地をめざして
  あこがれの陸地をめざして
  すべての力を尽くし
  かつて父がそうだった
  かつて母がそうだった
  静かに呼吸を整え
  懸命に腕を伸ばし
  高らかに波を蹴り
  ひたすら夢に向かって
  泳ぐ
  泳ぐ
  泳ぐ
…………………

 「陸地なんて見えないじゃないか」の最後の「か」もまた,本番直前の練習で何度も繰り返しました。「もっと吐き捨てるように,叩き切るように」。「か」,「か」,「か」,「か」,「か」,「か」……。
 本番前,最後の練習を終えた小ホールで,休憩していた生徒たちが面白いことをやり始めました。円陣を組んで右手を中央で低く重ね合わせ,「泳ぐ」,「泳ぐ」としだいに声を大きく,手を高く伸ばしていって,最後の「泳ぐ」で決める。試合前の気合。「そうや,これ伝統にしよ」。「来年もやってね」。はじけるような笑い声。
 「先生も一緒に」
 「ありがとう。でも,君たちだけでやるほうがいいよ」
 明るい声で「泳ぐ」が繰り返されていました。負荷を乗り越えようとする生徒たちのまぶしさ。

 説明会のアンケートには,さまざまに動いていた生徒たちをほめてくださる内容がどっさり。本当にありがとうございます。
 生徒諸君,ホメ言葉ヲ正シイ自信ニシテ,厳シイ言葉ヲ本物ノ勇気ニシテ,明日ニ向カッテイクンデスヨ。
 早く入ったのに座席が奥の後ろになって聞きづらかった,というご指摘がありました。ご事情も丁寧にお書きでした。本当に申し訳ありませんでした。ご趣旨は必ず今後に活かします。
 このページのことを書いてくださった方もいらっしゃいました。過分のお言葉に感謝します。ただ,私は「イイトコドリ」をしているだけです。見えないところで悩み考え,ためらいつつ次の一歩を出そうとする生徒たちと,やはり見えないところで彼らを支えて寡黙に仕事をする,まさに本物の現場で堀川をつくっている教職員たちに,いただいた評価をそのまま贈ります。

 さて,グラウンドの状態が悪く,明日に予定していた体育祭は23日に延期となりました。生徒会執行部と3年生には伝えてありますが,ソウルでシンポジウムがあるため,残念ながら私は出席できません。
 秋の澄みわたった空の下で,生徒たちの清新躍動を期待しています。
                      21号(2011.09.21)……荒瀬克己

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行事予定
3/3 PST(9:30〜16:00)
3/5 1年学年末考査
2年:短縮45分授業(1,2,5,6限の授業)
一斉清掃
生徒校内立入禁止(13:30〜)
3/6 生徒校内立入禁止(終日)
3/7 2年学年末考査
1年研修旅行結団式
3/8 2年学年末考査
1年代休(マレーシアコース)
1年代休(ボストン,ワシントンコース)
1年研修旅行(ヨーロッパコース)(〜15日)
3/9 1年研修旅行(マレーシアコース)(〜14日)
1年研修旅行(ボストン,ワシントンコース)(〜17日)
中学生及び保護者
3/6 入学者選抜学力検査
京都市立堀川高等学校
〒604-8254
京都市中京区東堀川通錦小路上ル四坊堀川町622-2
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