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最新更新日:2025/06/26 |
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子どもたちが育つために![]() 「週刊火曜日」のはずが水曜日になってしまいました。どうもいけません。 先週土曜日,琉球大学附属中学校の研究集会に伺いました。附属中学校は琉球大学のキャンパスにあります。琉球大学はずいぶん以前に一度行ったことがあるのですが,あんなに広いとは知りませんでした。 授業をいくつか拝見し,研究協議も拝聴し,午後の出番に備えました。まとまらない話でしたが,熱心に聴いていただいたおかげで,なんとか務めを終えることができました。夜には慰労会があり,お招きを受けて参加しました。附属中学校の先生方のエネルギッシュなこと。昼間も夜も,本当に楽しい時間を頂戴しました。勉強になりました。心から感謝します。 1年生の男子生徒が面白い作文を書いていました。数学の先生が授業中に何度「な」という確認の言葉を使ったかを記録し,それが時間の経過とともに変化していったのを分析したものです。「これはこういうことだ。な」,「わかったよね。な」といった「な」です。 5月ごろには数十回発しておられたのが9月になると十数回になったそうです。それは,入学してきたばかりの自分たちに何度も確認する必要があったのが,しだいにその必要がなくなったので回数が減ったのではないか,という分析でした。 作文コンクールの審査員になったつもりでクラスメートの作文を評価しようという授業で,いくつかの視点が挙げられていて,その中に,「事実や具体例が示されてわかりやすいか」というものがありました。この視点から選ばれた作文が,「な」の分析です。 慰労会で,その数学の先生にお会いしました。若くて快活な方です。「生徒が先生の『な』を分析していましたが,実際はどうなのでしょうか」と尋ねると,「いやあ,生徒の言ったとおりですよ」と笑ってお答えになりました。 その様子から,生徒と教員の間に生まれている信頼を感じました。 昨日,学校の廊下で若い英語の教員とすれ違ったときに声をかけられました。 「私,小学校の時に肥後守を使っていました。学校で全員が持たされたんです。砥いだりすることはありませんでしたが」 「え,どこの小学校?」 「向日市の……」 京都の小学校でもそういう学校がありました。知らないことだらけです。 その話を職員室でしていたら,化学の若い教員が,「ぼくも使ってましたよ」。 彼の場合は肥後守ではなくて鞘に入った小刀でした。それで工作をしたとのこと。はさみを振り回す子どもがいたそうですが,小刀を振り回すことはなかった,と言っていました。 英語の教員がまっすぐにこちらを見て, 「刃物って使うときに緊張するというか,とっても怖かったのを覚えています」。 保護者の方からメールをいただきました。 ……時々,ピアノのお稽古の帰り道のことを思い出します。子どもの足で歩いて20〜30分かかるところへ習いに行っていました。冬の寒い日,先生の家を辞して歩き始めると,ほどなく日が暮れ始め,手足の先から寒さがしみ込んできます。でも,歩かなければ家には帰れない。ポツリポツリついている人家の灯りを見れば一層心細く,泣きそうになりながらも,家までてくてく歩きました。歩かなければ家には帰りつけなかったからです。 そうして玄関に立ち,家の明かりの中に飛び込んだとき,むっとした蒸気の中で,台所の母が「おかえり」と言ってくれました。そのとき安心感と嬉しさは他に代えがたい喜びでした。でも,母は,私の心細さと寒さを知っていても,そんな贅沢は許されるわけもなく,「送迎」などは絶対してくれませんでした。 国民全体の生活レベルが上がり,生活そのものの質の変化も加わり,世の中の危険が犯罪の増加や常識を超えたものとなり,現在の子どもたちを守り育てる環境は,大事に育てるあまり,実はその思いとは逆に,もしかしたら,子どもたちを知恵と心の貧しい者につくり上げているのかもしれません。私の子どもたちも然りです。…… 「でも,歩かなければ家には帰れない」という言葉が印象的です。寒さや心細さの中で,それでも「歩いた」という経験を重ねることによって,人は深く広くなるのでしょうか。 「泣きそうになりながらも,家までてくてく歩きました。歩かなければ家には帰りつけなかったからです。」 「歩く」理由が,歩かなければ家には帰りつけないからだ,ということにもまた心打たれました。冬の夕暮れを足早に,けなげに歩く少女を思いました。「家」は帰らなければならないところというよりも,なんとしても帰りたいところであり,そこには温かさと安らぎと確かさがある。待っていてくれる人がいる。 そういう場所があってこそ,安全と安心と愛情に支えられてこそ,危険と不安と試練が子どもを大きくするのでしょう。そのことを思うにつけ,現実に気持ちがふさぎます。 「大事に育てるあまり,実はその思いとは逆に,もしかしたら,子どもたちを知恵と心の貧しい者につくり上げているのかもしれません」。 その思いを持ちつつ,私たちはどうすればよいのか。子どもたちを取り巻く現実がよりよいものになるために,私たちは何をすればよいのか。突き付けられている問いは重く,容易に解を見つけることはできません。しかし,その問いに向き合っていくのが私たちおとなの務めです。 18日金曜日は堀川高校の第12回教育研究大会です。生徒との信頼や成長過程の体験の重視を前提に,公開授業と各教科や探究,学校改革の分科会で,教育の「いま」と「これから」について,全国のみなさんとご一緒に勉強したいと思います。 28号(2011.11.16)……荒瀬克己 2年生人権学習
11月11日(金)LHRの時間に2年生人権学習(講演会)を行いました。森本尚樹氏(兵庫県聴覚障害者協会)と手話通訳者の方をお招きして、「聴覚障がい者のくらしと社会」という演題で講演をしていただきました。
森本さんは生まれながら聴覚に障がいをもっておられ、現在は大阪の会社に勤務されています。2009年に台湾・台北で行われたデフリンピック(聴覚障がい者のオリンピック)ではテニス競技の日本代表監督として出場されました。生徒たちは事前学習で森本さんのプロフィールを知り、講演を聴きました。 講演では、聴覚障がい者のコミュニケーションの方法を学びました。耳が聴こえない代わりに目で聞いている実例として、簡単な手話を教えていただいたり、読話(口で読み取ること)の体験をしました。また現状では、まだまだハード面、ソフト面で聴覚障がい者の暮らしに苦痛や問題があることを話され、東日本大震災の時にも、様々な困難があったことを教えていただきました。 今回の講演を通じて、2年次の人権学習のテーマである「コミュニケーション」「自己理解・他者理解」「障害を持っている方への理解」について、生徒自身が自分の考えを深めていける良い機会となりました。 11月21日(月)の事後学習では、福島智氏(東京大学先端科学技術研究センター教授 盲ろう者)のことを紹介した新聞記事や視聴覚教材を使用して、さらに障害者問題について学習していく予定です。 ![]() ![]() ![]() 京都市立堀川高校教員公募制度による募集要項について
平成24年度 京都市立堀川高校教員公募制度による募集要項を
定めましたので,ご覧になりたい方は,右下の配布資料をご覧ください。 11月よりスクールカウンセラーの先生が代わりました。
11月より新しいカウンセラーの先生が来られています。
それに伴いまして,11月のスクールカウンセラー来校日が 変わりましたので,行事予定を更新しました。ご確認ください。
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