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最新更新日:2025/06/12 |
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『東山を西に見て』![]() ![]() 7日は、第四十九回入学式。元気一杯の新入生140名を迎えて、平成23年度が本格的に始まりました。一番に登校する生徒を写真に収めようと校門で待っていましたが、その子が来たのは集合時刻の30分以上も前で、まだ「入学式」の立て看板が出されていませんでした。そこで、3番目に登校した生徒とその保護者の方に「本校のホームページに載せますよ。」と断って上の写真を撮影しました。 式辞では、前日の始業式で2・3年生に述べたことを新入生に分かりやすく話したつもりです。前回のエッセイで、「京都で1番の学校を目指すことを口にするには、その決断に勇気が必要でした」と書きましたが、私にそれをさせてくれたのは一人の卒業生です。彼との思い出を一つ紹介しましょう。高校受験の前日、彼が校長室に来てこう言いました。「先生、俺な、学校でも50分の授業を5時間もまともに受けられへんのに、明日の試験に耐えられると思うか。」「それに耐えることが、君の試験やと思ったらええやん。」私はそう答えました。卒業式の式辞の中でも、担任の先生のことを、「本気で叱ってくれるからエエ先生や」と言った生徒として取り上げもしました。 彼が離任式にやってきた時のことです。照れ隠しなのでしょう、体育館の戸口を出たり入ったりしています。離任される教職員の方々とどんな別れをしたのか、おそらく極めてドライな声掛けをしたのだろうと想像します。そんな彼が帰り際に私に言いました。「先生、後輩のこと、頼んだで! また、ちょくちょく見に来るし!」 校長室で、彼が「もっと、ちゃんとやっといたら良かった…」「勉強が分からんようになったら教室に居られんようになる…」等と言ったことを思い出します。そして、それはそのまま「ちゃんとさせておいてやったら…」「勉強を分からんようにさせていなかったら…」という反省になります。「後輩のこと、頼んだで!」彼がどこまで考えて言ったのかは分かりませんが、この言葉に背中を押されて生徒や保護者、地域の皆様の前での重大発言ができたことは間違いありません。 入学式の式辞の最後には、次のようにも付け加えました。 君たちの友達の中には、花山中学校に進学しなかった人がいるかもしれません。3年後、その子たちが『花山へ行ったら良かった』と思うような学年・学校をつくってください。それをつくるのは皆さんで、私たちは全力で応援します。 その瞬間、全員の目が一気に私に注がれ、新入生の座るあたりの空気が一瞬で変化したように感じました。卒業生たちに背中を押されて、新たな一歩を確実に踏み出せた瞬間だったと思っています。 8日は高校の入学式。真新しい制服に身を包んだ卒業生がたくさんやってきました。新しい年度、新しい生活、そして其々の新たな人生が始まっています。先に書いた子が後輩を見に来た時、変化を感じてくれるような学校に、みんなでしていきたいです。 入学式 式辞
平成23年度入学式 式辞を配布文書にて掲載しております。
学習指導部より・・・入学式での話し
入学おめでとうございます。入学式で話しました内容を掲載いたします。
1、「いい習慣を身につけさせる」…ちょっとしたことから始めてみて下さい。家庭での「会話のキャッチボール」です。今までの量を増やしてみてください。環境が変わるこの時期は、お子さんにとっても話題が豊富です。普段は口数が少ない男の子も、保護者の方から「今日はどんなこと発見した」「面白いことあったか?」と投げかけてみて下さい。すぐには会話ははずまないかもしれませんが、継続してください。ポイントは「聞き役」になること。「ふんふん、へーっ」「そうなん!」と相槌を打って。お子さんが話す内容にはいろんな情報が入っています。新しくできた友達のこと、部活のこと、教科ごとに変わる先生のことなど。もし、先生のことが出てきたら、お子さんはその先生に何かを感じたのでしょう。参観日などで来校された機会に、その先生にコンタクトを持ってみてください。それが家庭と学校のパイプを太くして、さらにお子さんの学校での頑張りにつながりますから。 2、「勉強しろと言わずに、興味・関心を持たせる」…会話のキャッチボールが行きかうようになれば、勉強の話も出てきます。その中で「そんなん習ろてんにゃ」とか「どんなとこが面白かった」というようにボールを返してみてください。「それは間違い」などと否定してはいけません。「ふんふん」と会話を通して復習させるように「どういうこと、もう一回言うて」とか「もっと聞きたいわ」というように掘り下げてみてください。やみくもに「勉強しろ」と言うよりも長期的な伸びが違います。「へえーっ、すごいな」と肯定的・受容的に話を聞いておだてて伸ばす。そして、自分の目標を持たせて、進路につなげていく。学校生活を前向きに頑張り、伸びていく生徒へと変容していくでしょう。 3、「朝ごはんは絶対に抜かない→夕食後の間食は控える」…朝ごはんは一日のエネルギーの源です。十分でないとお昼前にボーッとします。脳が十分に動かない状態での学習は効果がありません。朝ごはんが勉強のエネルギーなのです。しかし、前夜の就寝が遅かったり、夕食後に間食をしすぎてしまいますと、「むかついて、食べたくない」となります。朝ごはんを十分食べさせるためには、前夜に夕食を十分食べさせる。規則正しい「食生活」が学力を伸ばすのです。学力向上はまず食生活から。ご家庭での協力をお願いいたします。 『東山を西に見て』![]() ![]() 平成23年度が始まりました。感動の卒業証書授与式、完璧な修了式から約3週間。長らく子どもたちと離れていたせいもあって、早くこの日を迎えたいとの思いが強くなっていました。始業式に先立って実施した着任式では、生徒と教職員、保護者や地域の方(今年度から案内を出して、参観して頂いています)など、そこに集うすべての者の新着任教職員を心から歓迎するムードが、体育館をたいへん温かな雰囲気にしました。 「可愛い子たちですね。純粋というか、無邪気というか、素直に自分を出せる子どもの姿に驚きました。」今年来られた先生の言葉です。新着任の教職員は、以下の通りです。 ☆新着任の先生方☆ ○塩見晃之教頭先生 修学院中から来られた新任の教頭先生 ○山口 功 先生 桂川中から来られた社会科の先生 ○乙部和幸 先生 西京附属中から来られた数学の先生 ○鍋澤篤美 先生 高校・小学校と経験されている理科の先生 ○今出絵里佳 先生 白河総合支援学校から来られた音楽の先生 ○阿部成晃 先生 西陵中から来られた保健体育科の先生 ○藤原有佐 先生 勧修中から来られた英語科の先生 ○山本真紀子 先生 数学の新採指導の先生 ○中嶋千陽 先生 スクールカウンセラーの先生 始業式では、今年度からの目標として「京都で1番の学校を目指す」ことを生徒諸君に伝えました。もちろん、職員会議で確認もしました。既に私の中では1番の学校ですが、客観的にそう言われる学校にしたいとも語りました。実は、この決断には勇気も必要でした。しかし、何年懸けてでもそれを目指して取り組むことには意義があるだろうと考えたのです。もちろん、保護者や地域の皆様の前での発言ですから重く受け止めてもいます。不退転の決意をもって取り組むつもりでいます。 具体的な取組として、「しっかり学び、しっかり鍛え、思いっきり楽もう。」と伝えました。「学ぶ」の場面で強調したのはこうです。よい学びは、一生懸命に教えようとする授業者と、一生懸命に学ぼうとする学習者との間に生まれます。先生は工夫を凝らした楽しい授業をするから一生懸命に学ぼうとしてください。「鍛える」の場面では、部活動のことに触れました。部活動を通じて心と身体を鍛えて欲しいということです。そして「楽しむ」のところでは、行事等に全力で取り組むことで、本当の楽しさを経験してほしいと伝えました。京都で1番の学校になれる日を信じ、コツコツとこれらを実践して欲しいと思っています。 今回の私の話では、生徒会本部の子たちにフラッシュカードを貼らせたり、或る生徒に突然“3年生になっての抱負”を述べさせたりもしました。本部の子たち、突然当てたにも拘らず見事に話したA君、本当にありがとうね。君たちのお陰もあって、平成23年度はとてもよいスタートが切れたと思っています。 さあ、明日は入学式。新入生を含めて422人がそろいます。それに教職員35名と保護者・地域の皆様が一緒になって、京都で1番の学校を目指しての歩みを始めたいと思います。ワクワクして仕方がありません。 |
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