京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/06/11
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ハートフルマーク
北にそびえる 鏡山   西に連なる東山 松のみどりに 包まれて 白くあかるく 照りはえる 希望あらたな 学び舎は 我らの 花山中学校

『東山を西に見て』

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「厳しい状況でこそ」
 去年の暮に切った蝋梅の花が、約一月経った今も色々なところで咲いています。家の中では、玄関とLDKと私の書斎に、学校では玄関と校長室に飾りました。校長室では本棚の上と窓辺に置いたのですが、窓辺のそれが先にダメになりました。本棚の上のものも先週末から時折ポロっと花が落ち、その場に居合わせた人を驚かせています。家のLDKの蝋梅もとうとう元気がなくなってきました。ところがどうでしょう。私の書斎に置いたものが、部屋いっぱいに芳香を漂わせ、写真の通り今も満開なのです。
 学校が始まって以来、私は書斎を使っていません。家に帰ると、風呂と食事だけで“バタン、キュー”の状態だからです。(笑)
 私の書斎を訪問されたことのある人はご存じでしょうが、古い木造建築のため、冬場は暖房を入れないと外気と変わらないほどに寒いです。そこに置いた蝋梅が一番美しく咲いているのは一体どういうことでしょうか。冬の時期に咲く花は、寒い所でこそ、その美しさを発揮するのではないかと思います。
 今の子どもたちの生活を見ると、守られているというか、甘やかされているのではないかと思える部分が多いです。現状を受け入れられず、すぐに不平や不満を言う者が気になります。核家族化と少子化の影響もあって、私が子どもの頃と比べると、親や教師は格段に子どもへ関わるようにもなりました。皮肉にもこのことが悪影響を及ぼしているのかもしれません。生活レベルも随分豊かになりました。朝起きる頃にはエアコンが効いて部屋はすでに暖かいです。スウェトスーツだけで居られるほど暖かい部屋で勉強する子がいるようにも聞きます。そういえば、私は中学生の頃、「足温器」という足の裏の部分を電気で温め腰から下だけの寝袋のようなものに入り、毛糸のセーターの上に祖母に作ってもらった“どてら”を着て勉強しました。朝、部屋が寒くてなかなか布団から出られなかった経験もあります。みんながそうであったから、特に不満も不自由も感じませんでしたが…。
 一昨日、横綱白鵬が、見事に6場所連続優勝を果たしました。
「巨人・大鵬・卵焼きの、尊敬する大横綱大鵬関の記録に並んだことを誇りに思う。」とインタビューで語っていたましが、私はいつも白鵬の言葉に、どこかしら懐かしさを感じます。今のモンゴルの状況は、私の育った頃の日本と似ているのでしょうか。「運は、努力した人間にしか来ない。」「勝ちにはいかない。結果を求めない。」「勝てば勝つほど苦しくなる。」など、他にも昭和の時代を生きてきた者に心地よく響くコメントを残しています。その晩のスポーツニュースでも、「稀勢の里関に敗れたときに体調を崩していたとか?」と聞かれ、「そんなこと(を答えたら)、勝った人に失礼ですから…」と返していました。
 冬の花が寒い所でこそ美しく咲くように、厳しい環境の中で鍛えられたものは強いです。厳しい状況だからこそ学べることも少なくありません。目の前の子どもたちにこのことをしっかり伝え、そして、この心構えで子どもの指導に当たりたいものです。

『東山を西に見て』

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「403人のきょうだい」
 自分の口から出た言葉にハッとさせられることがあります。先週の金曜日のこと、場所は校長室です。私はその日、全市校長会の新年会があったのでバスと地下鉄を乗り継いで出勤しました。私が歩いているのを見ていたのか、ある生徒が尋ねました。以下は、その時の会話です。
「先生、何で今日はバイクちゃうのん?」「今晩、校長先生の新年会があって、お酒を飲むしな。」「そーか。先生、飲酒運転したらアカンで!」「当たり前やん。それはないワ。だって、君らが他の学校の子らから『お前とこの校長、飲酒運転したんやてなあ』なんて、笑われたら絶対嫌やし。」「ふーん」「それは、うちの息子らが友達から『お前のお父さん、飲酒運転で…』て言われるのがカナンのとおんなじ気持ちや」その時部屋にいた子らの顔は、妙に納得したような、満足したような表情に思えました。普段からそんなことを考えていたわけではないのですが、上手く言ったものだと思います。
 さて、現在3年では面接試験の練習が行われています。3年生担当の教職員は評価を担当し、主に質問をするのは3年生以外の者です。本番さながらに行う面接に、子どもたちは緊張した面持ちで真剣に臨んでいます。私も行いました。普段はフランクに話す子どもたちがしっかりと敬語で話します。校長室に入る際に「失礼します」と言って深々と頭を下げます。質問に対して一生懸命に考えた答えを一生懸命に返します。30秒以上も答を考える者もいました。その間、私たちも無言でじっと待ちました。あの沈黙と緊張感がたまらなく心地よかったです。そして、そういう子どもたちの真摯な姿に感動すらしました。
「本校を志願した理由を述べてください。」「中学校時代の一番の思い出は何ですか。」お決まりの質問のほか、「本校は規則が厳しいです。守れますか。」「3年間、精一杯努力することを約束できますか。」など、生徒の覚悟を確認する質問もしました。この場面が有効な指導のときと考えるからです。そして、最後は全員に同じ質問をしました。
「これまでの人生で、一番大切にしてきたもの(こと)を教えてください。」
 私の受け持ったほぼ全員が、“家族”“友達”、あるいは、その両方を答えました。最近の中学生は真の友達を求めないと聞くことがあります。家族関係の不安定さが中学生の問題行動を生んでいるということが話題になったりもします。そんな時代にあって、本校の子どもたちが、人間関係を大切に思っていることに安心し、今後に期待もします。
 以前、校長は中学校全体の担任だと書いたことがありましたが、花山中学校が一つの大きな家族で、そこに403人の兄弟姉妹がいると考えるのは可笑しいでしょうか。どの家族にもトラブルが起こることはあります。しかし、兄弟げんかや親子げんかの度にその関係を強めていくものでもあります。冒頭の校長室での会話と、面接練習での子どもたちの答を思うとき、ふとそんな風に考えました。
 ところで、すべての面接練習は、次の同じ言葉で結びました。
「これまでの関係を大切にしつつ、高校でも新たな良い関係を結んでください。」

『東山を西に見て』

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「褒めて伸ばす」
 左の写真は1月7日(金)の朝8時前に、本校校舎の4Fから撮影したものです。前夜からの降雪で路面の凍結が危ぶまれ、その日は自転車通勤を敢行しました。雪の舞う九条山を越えるために必死でペダルを踏みました。意外にもバイクで来るのと10分もかわりません。おまけに顔と指先以外、身体はポカポカと暖かくなります。『冬場はチャリ通もいいかな』と思ったぐらいです。そうそう、写真の話題でした。いい気分で学校に到着し、北方に目をやると、鏡山の雪景色を背景に、朝日を浴びて東海道線の電車がひっきりなしに行き交います。そして、目前のグランドではサッカー部と陸上部の生徒たちが元気に活動していました。何とも美しく活力に満ちた光景だと思い、4Fまで上がって撮影しました。カメラが良くないため、目に映ったままを残せないのが残念ですが…。
 年末に紹介したクリスマスツリーに、その後の物語があります。
 最終的にツリーは右の写真のようなアリサマになりました。枝におびただしい数の短冊が付けられたのです。『それは違うやろ?!』みな初めはそう思いました。でも、内容をよく見ると納得します。「志望校に合格できますように!」「残りの生活を友達と仲良く楽しめるよう」など、この時期ならではの言葉が下がっています。後になって聞いたのですが、女子たちによってツリーが飾られた翌朝、さっそく調子乗りの男子がそれを担いで廊下を走りました。「進路決定懇談の時期のピリピリした雰囲気を和ませたい」とある女子が短冊を付け、「我もわれも」とそれが増えていってからは悪戯をする者がなくなったそうです。ツリーが片付けられた今後は、模造紙に描かれたツリーにこの短冊が貼られる予定です。
 ツリーは、12月27日の夕刻に一人の女子によって片付けられました。毎週校長室に花を生けに来てくれる女の子が、やってきました。「先生、花、花器と一緒に一旦家に持って帰るわ!」言うなり手際よく片付け始めました。年を越して一週間も放っておけないらしいのです。よく気の利く子だと思います。校長室に湯飲み茶わんが使ったままになっていると洗ってくれたりもします。花を片付け終わると、クリスマスツリーも片付けようかと言いました。別の子が短冊を絵のツリーに貼ろうとしている話を伝えると、微笑んで軽く頷き、丁寧に短冊を集めだしました。
 短冊付きのツリーを考案した子と、生け花を片付けに来てくれた子。二人の女子は、苦手なことも少なくありません。これまで、親や担任の先生に心配をかけもしてきました。でも、“いい面”も本当にたくさんあります。じっくり話すとそれがいっぱい見えてくるのです。私のことで言えば、この子たちの“いい面”に気づけた時から関係が一気に好転したように思います。忙しい毎日の中で、なかなか難しいことでしょうが、子どものいい面をたくさん見つけ、それを褒めて伸ばす指導を心掛けたいものです。短冊の付いたツリーの写真を見て強く思います。

『東山を西に見て』

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「新年のごあいさつ」
 明けましておめでとうございます。
 私にとって50回目という区切りの今年のお正月を、とりわけ新鮮な気持ちで迎えました。校長という自覚と責任がそうさせているのだと思います。また、珍しく大晦日から降り出した大雪で、京都の街がすっかり雪化粧したことも、演出効果を高めたのかもしれません。
 例年なら10時頃まで寝ているのに、元旦の朝は、7時前に起きて付近を散歩しました。自動車で鴨川の風景を見にも行きました。まだ人や車があまり通っていない街の角角は、空気が澄んで張りつめ、寒さと雪景色も相まって清々しい緊張感を感じさせてくれました。
 先月29日からは、完全に学校を離れて過ごしました。夏休みや春休みと比べ、この期間の休みが1年間で一番ゆっくりできるように思います。家族や親戚の者と過ごした時間が充実もしていました。例年のように蝋梅の花を切りました。今年は母も一緒です。昨年、母の入院する病院へ切った枝を届けましたが、今年は校長室でいい香りを漂わせています。大晦日の朝、小雪がちらつく中を墓掃除に出かけました。花を挿すところに固い氷が張っていて、家まで熱湯をとりに戻らなければなりませんでした。地面が凍てて雑草が抜けません。こんな経験も初めてでした。とても寒かったですが、正月に家族とともに参ったとき、行っておいて本当によかったと思いました。妻と年末恒例の買い物にも出かけました。今年は2度行ったのですが、荷物を持って妻に付いて歩いていると、2度とも鏡山小学校の吉田校長先生ご夫妻と出会いました。吉田先生も私同様荷物を持って奥様の後に付いて歩いておられ、お互い笑い合ったのが何ともいえず可笑しかったです。
 さて、3年生の卒業まであと71日。登校日だけだと、たった48日です。1・2年生の修了式まででも51日しかありません。この間に一体どれだけのことをしなければならないのか。どれだけのことができるのか。そのことを考えるたびに心身の引き締まる思いがします。特に3年生には、卒業後に自分の足で立って生きていける力をつけなければなりません。温かく包むことも厳しく鍛えることもどちらも大切な教育です。
 6日間の休みを終え、校長室の机に向かって学校のことを考えると、様々な顔が浮かんできます。あの子にこの子、あの先生、あの保護者にあの地域の方々、実にたくさんの顔です。『どんな風に過ごしているのか?』『どういう働きかけをしようか?』学級担任だった頃のお正月に、よく似た気持ちになったことを思い出します。教頭時代や指導主事のときには感じなかった気持です。冒頭に「校長の自覚と責任」と書きましたが、その一つがこういうことかもしれません。花山中学校の校長とは、花山学級の担任の気持ちで居てよいのかもしれないと思えてきました。403名の生徒、35名の教職員、保護者・地域の皆様、対象は実に多いですが、皆様から信頼される先生でありたいと思います。
 今年も何卒よろしくお願い申し上げます。

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