最新更新日:2024/11/05 | |
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『東山を西に見て』
「この時期の三者面談」
20日、遅ればせながら3Fのフロアーにクリスマスツリーが飾られました。今回は、このツリーについての話からはじめたいと思います。 「家に使わなくなったツリーがあるし、廊下に飾るか?」11月の終わり頃、よく校長室を訪ねる3年の女の子らにもちかけました。彼女らは大喜び。上の子が物心ついた頃、150センチメートルのツリーを購入しました。子どもたちの成長と共に家の中にものが増え、やがて飾る場所がなくなって何年間か物置にしまい込んだままになっていた代物です。学校に持って行くという私に妻が言います。「家が広くなったから、飾るのを楽しみにしてたのに!」大いに困った私は、12日に何軒かの店を回りましたが、時すでに遅く、大きなものは完売したということでした。『3年生の女の子たちに何と言って謝ろうか』困惑していた私は、たまたま訪ねて来られたPTAの副会長さんにその話をしました。「家に処分し損ねたのがあったので、よかったら使ってください。」その時は笑って聞いておられた彼女が、昨日、わざわざ家から持って来てくださいました。女の子たちに伝えたところ、段ボール箱を抱えて大喜びで飾り付けに行きました。「できた! なかなかのもんやで!!」 本校にお越しの際は、是非2Fのツリーをご覧いただきたいと思います。様々な経緯のもと、いろいろな人の愛が詰まったクリスマスツリーです。 さて、先週から各学年で三者面談が進行中です。三年生にとっては進路を決定する重要な懇談会です。最近は、入試制度が年々ますます複雑になって、3年生と保護者の方を悩ませています。中学校としても、よく下調べをしておかないと、子どもたちに不利益を被らせては大変です。 実は、先週うちの息子も懇談を終えました。子どもの思いと親の思いとの間には隔たりがあるものだとつくづく思います。うちの学校にも少なくありませんが、息子は高校野球に強い思い入れをもって進路を考えています。小さな頃から野球に力を入れてきたのだから、当然と言えるかもしれません。「大学進学のことを視野に入れ、勉強中心で考えてはどうか。」度々伝えてきはしましたが、彼の意思は固い。これまでそういう生き方をさせてきたのだから、今さら方向転換を迫ることの方が筋違いであるようにも思います。結局、親は子どもを見守り、応援するのがよいのだろうと妙に納得します。今は、真っただ中にいるのでよく見えないことでも、何年か後には『あんなこともあったな』ときっと笑顔で話せるはずです。その時に後悔しないようにだけはさせなくてはなりません。うちの場合もそうですが、親も子どもの進路については一生懸命に考えているものです。そのことを、教師は再認識しなければならないと思います。 校長と父親という立場から、懇談会の初日、朝の打ち合わせで、「くれぐれも“丁寧な言動と誠実な対応”を心がけてください。」教職員にそう伝えました。 『東山を西に見て』
「子どもを知ることから」
「校長先生も走るんですよね。」「何で知ってんの?」「HPに書いてたやん!」 10日のクロスカントリー大会の始まる前の会話です。疏水端のコースは空気が澄み、紅葉もきれいで最高のコンディションで実施されました。ある男の子たちとこんな会話もありました。私がショートパンツ姿になった時です。「何や!?先生、走る気なん?」「僕に負けたらアカンで。」「なんぼなんでも、それはないやろ。」‐間‐『みてろ!ビックリさせたる!』(心の中) 花山中学校では、各学年の上位8人の脚に自信のある子らは、シード選手のように前方からスタートすることになっています。少しでも前から出ようとそのグループの中に入ってスタートを切ったのですが、これが災いしました。50メートル走かと思うほどのスピードで走り出す24人に完全にペースを乱し、走り出して1キロメートルもしないうちからしんどくなり、後は我慢だけの苦しいクロスカントリーとなってしまいました。表情にも表れていたのでしょうか、子どもたちを励まそうと参加したにも拘らず、追い越していく男子生徒や折り返し後に出会った女子生徒から「校長先生、頑張れ!」と声をかけられました。 何はともあれ、やっぱり一緒に走ってよかったと思います。子どもたちや、応援と交通整理に集まってくださったPTAの皆様方との関係が一層深められたようにも思うからです。 翌11日には、以前に勤務していた学校で共に過ごした先生の結婚披露宴に出席しました。宴の中で、新郎となった先生の学年主任が、次のような内容のスピーチをしました。「本校には家庭に恵まれない生徒が多く在籍しています。温かい家庭というものを知らずに成長してきた者も少なくありません。だからこそ、あなたたちはその子たちにとってのモデルとなるような、愛に溢れた温かい家庭を築いていってください。」 スピーチを聞きながら、『あれっ!?』と思いました。やがて、彼のスピーチは次のように結ばれました。「この話は、私の披露宴で先輩がしてくださったものです。」僅かの間『盗作されたな』と思った私ですが、最後まで聞いてたまらなく嬉しくなりました。学年主任が、かつて私のしたスピーチを覚えてくれていたこと、そして、それを彼のことだから確実に実践し、次の世代の先生にしっかりと繋いでいってくれたからです。 教育には、継承していかなければならないものがあると思います。そしてそれは、単なる言葉ではなく、確かな実践に基づいたものでなければなりません。 「目の前の子どもを徹底的に大切にする教育」。このフレーズもそうです。徹底的に大切にするとは、具体的にどうすることでしょうか。学校に来られない生徒、授業に入れない生徒、学習についていけない生徒たちに、どう接すれば徹底的に大切にしたことになるのでしょう。 先ずは、子どもと時間を共有することです。子どもの目線で物事を見ることです。今もこれらを大切にしたいと思っています。 教師の実践は、子どもの実態を正確に知ることから始まるのですから。 12月10日 クロスカントリー開催!!
本日のクロスカントリー大会は、予定通り実施します。
生徒は、8時50分に疏水公園に集合してください。 日ごろの練習の成果をおおいに発揮しよう!! 『東山を西に見て』
「ふれあいの意味と力」
定期テストが終わって懇談会が始まるまでの間、花山中では様々な行事が計画されています。先ずは「秋野菜を味わう会」。夏の収穫祭が縦割り集団で実施されたのに対して、今回は学年ごとの取組となっています。うまく考えられたものだと思います。今の子どもたちの社会を見ると、縦割りでの集団活動は絶対に大切です。このことについては、収穫祭について書いた本エッセイで既に述べました。しかし、はやり学校では学年の中での繋がりを大切にすべきだと思います。この横の関係が強固に築けてこそ、縦の関係は確かなものになります。すでに1・3年生は楽しく活動しました。大きな鍋に収穫した野菜と手分けして買ってきた肉などの具材を入れ、大鍋パーティーが開催されました。今週には2年生でも計画されています。彼らも大いに楽しんでほしいものです。 3日金曜日にはオープンキャンパスが行われました。校下の2小学校の6年生が本校にやって来て、新生徒会役員の司会進行のもと、中学校生活についてのガイダンスを受けたり、中学校の授業や部活動を体験しました。先生方もそれぞれにアイデアを凝らした授業を展開していました。小学生の感想を一つ拾ってみます。 中学の勉強はとても楽しかったです。理由は『+』と『−』のやり方がとてもおもしろくて、花山中学校に来て、またこの勉強をしたいと思いました。とても楽しかったです。ありがとうございました。 続いて4日土曜日。花山名物の「クリーンキャンペーン」です。花山中学校の校区を徹底的に美しくしようと何年も前から取り組まれています。地域生徒指導連絡協議会(地生連)の活動という位置づけですが、元々は地域の活動に学校も参加するようになったということです。生徒を見送った私は、小一時間の後、ゴミ袋を手に本校グランドにドンドン集まってこられる地域の皆様の数を見て『この行事にこれほどの人が関わっておられたのか!』と本当に驚かされました。 当日は朝から地域の女性会の皆様と本校PTAの皆様方が600人分の“豚汁”を作って、帰って来た生徒や参加した人たちにふるまわれます。中学生が照れもせず美味しそうに食べる姿を見て、古き良き時代の日本社会を見たような気分になりました。 10日にはクロスカントリーが予定されています。疏水端のコース約9キロメートルを走るのです。既に朝練習も始まりました。毎日8時前に出勤するのですが、グランドには大勢の生徒が多くの先生方に見守られて走っており、ワクワク感と気忙しさから部屋の中にじっとしておられません。「えーっ!校長先生、ウチら、どうしたらええの?」「何言うてんにゃな。君らも走ったらええやんか。」朝練習初日、登校した1年生と交わした会話です。 人権週間のこの時期に様々な行事が企画されているのは、こういった“ふれあい”が人間関係を築くからかもしれません。10日には、私も子どもたちの中に入って9キロメートルを走ってみようと思っています。きっと新たに感じられるものや見えてくるものがあるはずです。 |
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