最新更新日:2024/11/05 | |
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『東山を西に見て』
「広がる可能性」
夏休みもあと一週間となりました。「慣れてしまった」と言えばそれまでかもしれませんが、梅雨明けの頃に比べると幾分暑さがましになったように思います。今日も窓の外を見ると様々な部が活動をしていますが、その様子は一月前と比べると随分異なります。女子バレー部の府大会、ブラスバンド部のコンクールをもって残念ながら今夏の大会は終了しました。そう、今は新チームでの練習です。 さて、今夏は様々な部の応援に行きました。一生懸命に取り組む彼らの姿を見ていると、春季大会の時にもまして本校生徒のことが愛おしく思えてなりません。特に、最後の試合に負けて涙している子たちを見ていると、こちらまで泣けてきました。たくさんの思い出の中から幾つかを紹介します。 女子バレー部は、春に続いて市内大会で3位に入賞し、見事府大会へ出場しました。彼女らの目標はもっと高かったでしょうから「見事」という言葉は適切でないかもしれませんが、これは立派な成績です。7月29日には、舞鶴まで応援に行きました。試合直前、準備体操をしている彼女たちに「頑張れよ!」と声をかけました。『えっ、校長先生!ここまで来たんですか?』眼を丸くして一斉にこちらを向いたみんなの顔からそんな声が聞こえてきました。一試合目は余裕の戦い。二試合目が凄かった。ひょっとしたら力は相手が上だったかもしれません。そんな相手にチームが一致団結してかかっていきます。笑顔がはじける。体が躍動する。応援も盛り上がる。面白いように得点が重なります。「今年一番の試合でした。」試合後の監督の発言がチーム状態のよさを物語っていました。予選リーグを1位通過。残念ながら翌日には敗退しましたが、最高の試合を見られた私は幸せ者です。 21日のサッカーの試合。とにかくメチャクチャ暑かったです。1・2年生主体のチームでベスト8をかけた試合です。相手は体も大きく動きも速い。よくしのいではいるものの、防戦いっぽうの試合になりました。負けた後、3年生の一人が、涙で顔をクシャクシャにしながら、審判団と相手チームの選手一人一人と握手をしていました。いつか是非この時の心境を聞いてみたいものです。人数の少ない3年生たちの涙が、特に美しかったです。 8月1日、小学校の子ども祭り。数々のプログラムの中、本校のブラバンが出場。いつものようにスイングする。見ている者も手拍子を打ちスイングする。とっても爽やかな感動が運動場を包みました。曲が終わるたびに「ええぞーっ!」と声をかけます。近くの小学生が「この人だれ?」という目で見ます。そんなことも楽しかったです。 続いてダンスチームが登場しました。その中に2年生のAを発見。チョクチョク校長室に顔を出す女の子です。“踊る!躍る!”学校では見たことのないその溌剌とした姿に感動すらしました。曲の間に思いっきり手を振りました。最高の笑顔を返してくれます。瞬間、この子の可能性を一杯に感じました。 「辛い」「悲しい」こともあったのでしょうが、この夏の経験を自己の可能性を伸ばすことに活かしてほしいと思います。君たちの可能性は無限なのだから。 『東山を西に見て』
「敗戦のあと」
昨日(20日)は、夏休み前の授業最終日。1時間目に全校集会をもちましたが、体育館には温かなムードが満ちていました。ほとんどの生徒が、先生や代表生徒の話を期待をもって聴き、その場にいることを楽しんでいるかのようでした。教育には時間がかかります。直ぐに結果が表れず、イライラしたり徒労感を感じたりすることがあったとは思いますが、始業式からの4カ月というスパンで見る限り、確実に子どもが変化しているということを実感しました。 さて、今日から夏休み。全校集会では、夏季大会に向けての激励の話を中心にしたかったのですが、一昨日までの3連休で、既に試合に負けてしまった生徒がいます。女子バスケット部と野球部の子どもたちです。どちらにも心に残る場面がありました。 バスケットの試合では、敗色濃厚のなか、涙を流しながらプレーしている子を見つけました。顧問の先生が、ハーフタイムに、控え選手であるその生徒を少しだけでも試合に出してやりたいと、同じ3年生に相談したところ、喜んで賛成してくれたということでした。5分間も出場しなかったかもしれませんが、彼女にとっては、花山のユニフォームを着て同級生と一緒にコートを走ったことは忘れられないに違いありません。 野球で優勝するのが1番難しいと、以前誰かに聞いたことがあります。確かにそうかもしれないと思える試合でした。初回にとられた3点が重くチームにのしかかります。エースの立ち上がり、やや高めの球を長打されました。その他の場面では互角、いやベンチの応援を含めると互角以上に戦っていただけに悔やまれます。試合後のミーティングには多くの涙がありました。立ち上がれない者もいます。負けてしまったこと、もうこのメンバーで野球ができないということ、あの時この瞬間のプレー等、様々な思いが巡っていたのでしょう。自他共に強いと認められるチームにまで成長してきただけに、その落胆も大きかったと思います。敗戦即引退。今の選手にとっては、絶望感しかないのかもしれません。分からなくもありませんが、だからこそ言ってあげたい。 「これからの人生において、新しい挑戦は何度もあるよ。」と。 実は、一昨日は我が息子も敗戦を経験しました。あんなに弱かったチームがよくここまで成長したなと思えるほど、立派なゲームだったと思います。そんな言葉をかけたかったのですが、息子は7時を過ぎても帰ってきません。学校へ帰って、3年生全員でグランド整備をしていたのだそうです。「最後にそれぞれが自分のポジションのところを丁寧に整備して、3年間の思いを込めて礼をしたら涙が止まらなかった。」と照れながら話してくれました。先生方も、そんな子どもたちを見守り、したいようにさせて下さったそうです。「僕に対しては特に厳しかったA先生が、『お前もやっとこういうことができるようになったな。』と言いながら泣いてくれはった。」眼を真っ赤にしてそうも言いました。 負けた生徒も多くのことを学んでいます。技術・体力の向上と共に、心豊かな人に成長していってほしいと願います。まだまだ試合は続きます。今日もこれから応援に行きます。頑張れ、子どもたち!! 『東山を西に見て』
「行事が育てるやわらかな心」
7月9日、午前中を使って球技大会が行われました。今回は5月の中頃から取り組んできたバレーボールです。校長室の窓から体育の様子を見て「この子ら、なかなか上手やん」と思っていました。そういえば、花山中学校と言えば、かつては男子バレーボール部も大変強かったと記憶しています。 どのクラスも一生懸命に競技していました。普段は、50分間の授業に十分に取り組めない子たちも笑顔でコートに立ち、チームを引っ張っていました。仲間のミスに腹を立てることも非難することもありません。当たり前のことですが、とてもよいものを見た気がします。また、競技だから当然勝敗が決まるのですが、どのクラスも勝利にこだわりつつも、負けた方は負戦をきちんと受け入れていました。表彰式の時にも全員が拍手を送っており、見ていてとても気持ちが良かったです。 競技が終了したのち、3年生の先生方の粋な計らいで、ベストメンバーと先生チームとの対戦がありました。私と教頭先生も先生チームに加わらせてもらったのですが、久しぶりに子どもたちと直に触れ合うことができ、実に楽しかったです。相手チームのメンバーは次々に入れ替わります。私たちと対戦することを心から楽しんでいるように思えました。生徒のチームにも先生チームにもそれぞれチャラける者も真剣にスパイクを打ち込む者もおり、見ている多くの者も十分に楽しめたのではないかと思います。1時間足らずの時間がとても有意義でした。 今朝、いつものように各教室を見て回ります。3年生の階が、いつになく落ち着いているように感じました。廊下にいた先生方にそのことを伝えると「金曜日のバレーが効いているようです。」と私の考えを先に言いました。 先日の「収穫祭」に続き今回の「球技大会」。子どもたちの心を豊かにする上で行事は欠かせません。また、その機会に私たちと子どもたちとの距離をグッと近づけることもできます。夏休み明けには体育祭や文化祭があります。行事を通して子どもたちを育て、生徒と教師との関係を強める場面は、今後もたくさん用意されているわけです。 さて、9日から夏休み前の懇談会が始まっています。4月からの3か月余りを子どもたちが保護者の方と担任と一緒に見直す機会です。学習と部活動のことが話題の中心になるのでしょうが、是非、学年や学校の行事にしっかりと取り組めたかどうかも話し合ってほしいものです。学習や部活動の時の“引き締まった顔”は、中学生にとってもちろん大切です。一方で、行事の時に見せる“やわらかな表情”も中学生にはなくてはならないものだと思うのです。 校長室の壁に子どもたちのスナップが何枚か張ってあります。どれも、その子たちが普段はあまり見せることのない“やわらかな表情”です。「この子たちにもこんな表情があるのだ」ということを忘れないために選びました。 毎日、何度も壁に目をやります。そのたびにこちらの表情もやわらかくなるのです。 『東山を西に見て』
「ビバ!収穫祭!」
7月1日に行われた「収穫祭」。「ここまでやるか!」というのが率直な感想です。これが本校行事の大切な一つであることがよく分かりました。子どもたちだけでなく、教職員も保護者の方も地域の方も、この日に向けて気持ちを高めているのを感じました。前日準備の何とも言えない高揚感。先の見えない私たち今年赴任してきた者たちは、とにかく、皆に置いて行かれないよう必死でついていったという感じです。材料の買い出し、かまどの準備、テント立て、調理場と炊事場の準備、手際よく動く人たちを見習ってはバッタバタしていました。子どもたちもとても楽しみにしているように見えました。担当の先生の指示でよく動きます。3・2年生が1年生に上手く指示を出し、仕事と段取りを教えています。なるほどこうして伝統が引き継がれていくのだと感心しながら見ていました。 当日、あいさつでそのことを伝えました。縦割り集団活動については、特に重要性を感じていることも述べました。一昔前、地域で子どもが遊ぶとき、縦割り集団が当たり前でした。上の子が下の子どもに色々なことを教えます。竹でそりを作るとき、蝋燭であぶって曲げるなんてこと、学校の先生にも親にも習ったことはありません。栗のイガの剥き方やクワガタやカブトムシの捕り方もそうです。地域でそういう営みがなくなった以上、ある程度学校が引き受けなければならいと思います。部活動で、上手な先輩が後輩から憧れられるように、こういう活動の中で上級生は下の者から尊敬され「自己有用感」を得るのだろうと思います。この順送りによって、子どもたちも次から次へと成長していくのです。 また、土に触れることのない子どもが多い昨今、自然の恵に感謝する形で実施しているこの取組には、別の大きな意味もあると思います。野菜を育ててそれを収穫し、調理するという活動の際に子どもたちは、実に多くのことを学び合うのです。 ちょうど昨日、手伝いに来てくれた教育実習生からも手紙をもらいました。 ―前略― 生徒さん達が楽しそうにしている姿や慣れない手つきで野菜を切っている姿、一生懸命知恵を絞って火を起こそうとする姿、縦割り集団でのチームワークを見て「紙と鉛筆で机の上で学習することだけが勉強ではない」とつくづく感じました。生徒さん達にとって、自然のありがたさと食べ物のありがたさ、チームワークづくり、生きる知恵をつけるのに収穫祭はとてもよい経験だと思いました。 ―後略― 当日は、教育委員会の先生方も何人か見学に来られました。案内をしながら生徒会長や美化栽培委員長、PTAの方々などにも会っていただきました。「挨拶も受け答えもちゃんとできるし、ええ生徒たちや。保護者も教職員もしっかりしとられるし、澤田先生、ホンマにええ学校やなあ。」帰られる時にはそう言ってもいただきました。 ビバ!収穫祭。子どもたちのたくさんの笑顔と地域や保護者の方の協力に、教職員一同はまた大きなエネルギーをもらいました。 本日収穫祭実施
本日の収穫祭は予定通り実施します。
『東山を西に見て』
「あいさつから始まる」
「先生、髪の毛、切ったん?」「夏バージョンや。おかしいか?」「ううん、なかなか似合ってるわ。」 「今日は、一人か? お姉ちゃんはどうしたん?」「お姉ちゃん、岬の家に行ったはる。明日帰ってきゃはるねん。」「真っ黒になってるかな。楽しみやな。」 上は、先週髪を切った私に対して本校の子どもたちがかけてくれる声。下は、毎朝本校の前を通っていく小学生との会話です。「おはよう!」「おはようございます!」の他にもこんなあいさつを交わすことができるので、毎朝校門に立つことが楽しみです。 あいさつは、お互いが「私は、あなたのことを認めているよ。」「あなたは、私の人間関係の中にしっかりと入っているよ。」という合図だと思うのです。服装の乱れを指摘したとしても、何らかの言葉が返ってくると“ホッ”としますが、ごく稀にあいさつが返ってこない時には、その子(人)との関係性が不安で寂しい気分になります。 子どもの頃、「人間関係は、あいさつを交わすことから始まる。」と言われましたが、今になって改めてその通りだと思います。花山中の生徒には、「おはよう。」「こんにちは。」と声をかけられたら、その通りに返すだけでなく、是非とも簡単な会話ができるように育ってほしいと思います。 若い人たちの中には、立ち居振る舞いや言葉づかいの気になる人がいます。椅子を勧められるまでは立ったままでいる。座る際は「失礼します」または「ありがとうございます」と言う。相手の目を見て話す。お茶などを出して頂いたら「いただきます」と言ってから飲む。去る時には、「さようなら」と一緒にもう一度「ごちそうさまでした」と言う。こういうことのできていない人は、決して高く評価されません。 私たちはこれを一体いつ学んだのでしょうか。もちろん、小さな頃から家庭でしつけられた経験はありますが、多くは社会人になってから、失敗も重ねながら身につけていったように思います。叱られて嫌な思いをしたこともあったのでしょうが、今となってはそのお陰でできるようになったことが多いです。 しつけは、食事中にするのが最も効果的だと聞いたことがあります。昨今、親の勤務の状況や子どもの塾通いなどの理由で、家族揃って食事をする場面が減ってきているように思います。なるほどそのような家庭で、あいさつをはじめとした会話や作法が上手くできない子どもがいることも理解はできますが、このままでよいとは思いません。 今週木曜日には、本校名物の「収穫祭」が開催されます。全校生徒が縦割り集団を作り、教職員も一緒になって収穫した野菜を調理して食べるという取組です。 楽しく会話する中にも、ここでちょっぴり、あいさつをはじめとするしつけを試みてはどうでしょうか。「躾」とは身を美しくすると書きます。言葉遣いや立ち居振る舞いの正しい人は美しいです。 『東山を西に見て』
「記念日」
一昨日、上の息子が18歳の誕生日を迎えました。18年前の休日参観日の午後、保護者との親善ソフトボールをしている最中に妻から電話がありました。「先生が、来なさいって。これから病院へ行くし。」分娩室に向かう手前の部屋で妻に面会をしました。期待と不安で一杯のあの時の表情は今もしっかりと覚えています。そういえば、右手には今のそれの倍はありそうな8ミリビデオカメラを持っていました。(あの時の表情を覚えているのはビデオで何度も見たからかもしれません。)何時間か後、産声が聞こえました。父親になった瞬間でした。 私が父親になったと同時に母親になった妻に会いました。出産のときの“いきみ”で顔に吹き出物が出ていました。子どもを産むとは、すごいことなのだろうと察することができました。妻の満足そうな笑顔にとても幸せな気持ちになりました。 「ご苦労さん、ありがとう!」胸が一杯になってそれだけしか言えませんでした。 二人の息子の誕生日には、今もケーキを買ってお祝いをしています。今回のケーキカットは12時前でした。息子たちはそれぞれ勝手にテスト勉強のスケジュールを決め、2人の休憩時間が合うのがその時間になったのです。「えっ、そんな時間から?」そう思いましたが、こういうことに対して、既に私には発言を控える習慣が身についてしまっています。真夜中に電気を消して1本の大きい蝋燭と8本の小さいそれに火を灯しました。今でも「ハッピバースデイ〜♪〜♪〜」の歌を歌います。当の息子は、誰に見せるのか、吹き消す前にしっかり携帯電話に写真を収めていました。家族の「誕生日、おめでとう!」の言葉にきちんと「ありがとう!」と言える息子を誇りに思います。少々親バカでしょうか。 児童養護施設「京都聖嬰会」の井上新二先生が、施設では誕生日を祝う会ではなくて、誕生そのものを祝う会をするようにしていると仰ったことがあります。世の中には、生まれてきたことに疑問を感じている子どももいるからでしょう。 すべての子どもが、自分の存在に自覚と誇りをもち、その子がそこに居ることの意義を周りのすべての子どもたちが理解している、花山中学校だけでなく社会全体がそんな集団であってほしいと思います。 15日、「育成理解学活」がありました。本校の育成学級で学ぶ仲間のことを全校生徒が理解するための学習です。確かに障害があることによってできないことはあるでしょう。でも、それは例えば、100mを10秒で走る人と18秒かかる人とがいることとさほど変わらないのではないでしょうか。みんなが、違っていてそれでいいのだと思います。互いに違いを認め、助け合い協力し合って生きていけたら、きっとすべての人が幸せに暮らせる世の中になるはずです。18日の「育成合同球技大会」。音羽中との合同チームで臨んだバレーボールで見事優勝。彼らが一生懸命に競技する姿、賞状を誇らしげに掲げる姿を見てそんなことを改めて思いました。この日は、居合わせた者にとって、とてもよい記念日になりました。 『東山を西に見て』
「きずな」
6月10日(木)から15回連載で、毎日新聞の「ルポ2010」に以前勤務していた弥栄中学校の取組が「弥栄のきずな〜Best friend〜」というタイトルで紹介されています。記者が昨秋から3月の卒業までの半年間に渡って密着取材した記事で、昨年度3年生を担任した2人の先生とクラスの子どもたちとの係わりについて、相当プライベートなことにまで言及した濃い内容のものです。 初日の記事に、同和地区出身の相沢千枝(仮名)が、卒業式の日に担任の田中に渡した手紙の一部が紹介されています。 「毎日のように泣いてたけど、やっと卒業やな。授業も出えへん、すぐ人や物にあたっていろんな事きずつけてきて田中を困らせたし、悲しませた思う。毎日一緒にいてくれて、暴れたときも田中が一番に千枝を抱きしめてくれたな。田中はずっと千枝の担任やと思ってる。田中みたいな先生に会えてほんまによかった。田中のことはぜったい忘れへん」 手紙の文章に続けて、記者は次のように綴っています。「家では暗い顔も涙も見せないという千枝にとって、田中はただ一人の甘えられる存在だった。荒れた時期もあった千枝を、弥栄の「ぬくもり」が変えた。」 2人の担任は、私からすれば20歳以上年下の後輩ですが、子どもたちへの取り組み方が今もキチッと引き継がれていることを嬉しく思います。 どの学校でもこういったドラマがあります。だからどの教師もこの職業を辞めることができません。私たちは、この記事を特別なものとして受け止めず、今の取組を振り返る材料にしないといけないと思います。 特集記事にまではならないまでも、本校の取組でも誇るべきものがたくさんあります。以前に書いた栽培活動のほか、地域の方を先生に招いて行う2年生の選択授業には特に定評があります。20年度に出された学習指導要領には、至る所に「地域人材を活用した教育活動を積極的に行うこと」いう文章が入っていますが、本校では何年も前からこのことを先取りして実践してきたわけです。 今週初めてその様子を参観しましたが、生徒も先生(地域の皆様)もとてもよい表情での学習でした。現在、玄関や職員室、校長室の前には、その際に仕上げた生け花が飾られ、子どもたちや教職員の目を楽しませてくれています。今年度から書道を担当して下さっている先生は、「この子たち、ホントに素晴らしい!」「もう、感動のしっぱなしです!」と繰り返し仰っていました。 忙しい毎日、特別ではない授業の中で、子どもたちの何気ない言動に感動を見出すことができにくくなっています。先の教育実習生の手紙や地域の先生の発言から、忘れそうになっていた気持ちを思い出させてもらったように思います。 もう一度、目の前の子どもたちをよく見てみましょう。子どもの変化に気づき感動できるかもしれません。また、強い「きずな」をつくるきっかけが見つかるかもしれません。 『東山を西に見て』
「夏だっ!」
一気に暑くなりました。そして、いよいよ梅雨入りです。バイク通勤者としては気の重い季節となったわけです。とはいえ、学校に来ればさわやかな子どもたちの声が待っていてくれます。多少じめじめしていようが、雨が降っていようが、グランドや体育館から朝練習に励む声が響いています。玄関付近ではブラスバンドの練習を止めて「おはようございます!」と迎えてくれます。気分が落ち込みそうな時もなくはないですが、これらの声にエネルギーをもらって頑張れています。 14日の月曜日、教育実習生がいなくなった校門で、今年初めて上着を脱いで子どもたちを迎えました。「校長先生、半袖やな!」毎朝阪神タイガースの話題をもって登校してくる育成学級で学ぶAの第一声でした。こういった反応がたまりません。いつものようにハイタッチをして、少しの時間野球の話をしてから教室へと見送りました。実を言うと、この瞬間のために毎晩必ずスポーツニュースを見るようにしています。 先週にはプール掃除がありました。教育実習の先生たちも手伝ってくれましたが、最後は子どもたちとふざけ合ってずぶぬれになっていました。このときの写真、「必ずくださいネ。」と言われていたのにそのままになってしまっています。さて、どうしたものでしょうか。 教育実習といえば、今日、実習生の一人からお礼の手紙が届きました。 こんにちは。三週間の教育実習では大変お世話になりました。 初めは不安と心配でいっぱいでしたが、生徒さん達の笑顔がとても輝いていて、皆素 直で人なつっこくて、とても楽しく充実した日々を送らせて頂きました。「教師の仕事」の大変さと、生徒が笑顔で「先生」と慕ってくれる姿に疲れがふっとび、いやされることを実感する三週間でした。また、こちらが熱意を持って接すれば必ず伝わるということも実感いたしました。とてもありがたい経験をさせて頂きました。ありがとうございます。 最終日に生徒たちから頂いた色紙とこの経験は私の一生の宝物です。今のこの気持を忘れず教師を目指したいと思います。 中間テスト前から期末テスト前までの大変貴重なお時間を教育実習に充てて下さいましてありがとうございました。教育実習をお受入れ下さいました澤田校長先生はじめ、花山中学校の先生方に心から感謝申し上げます。 平成二十二年六月十四日 教育実習生 追伸 土曜学習「花山夢現」講座等、是非参加させて頂きたいと思っております。 どうぞよろしくお願い申し上げます。 暑さからか、今もなお落ち着かない生徒も何人かはいます。実習生からの手紙を読むとき、この子たちへどう接していかなければならないかが見えてくるのです。 『東山を西に見て』
「気持ちの見直し、引き締め」
5月31日からの1週間、「ちゃんとしようWeek」が実施されました。あいさつ、遅刻やベル着、朝学や忘れ物、服装やそうじの点検などを通じて、学校生活を見直そうという取組です。毎朝、本部役員だけでなく、多くの生徒会委員の人たちが校門に立ってあいさつをするのは、学校に活気が生まれてとても気持ちがいいものです。仲間の姿を見つけ、走って登校する生徒も見られます。登校時刻5分前になると、数人ずつが分散して登校する生徒の呼び込みもしていますが、これもグッドアイデアだと思います。今年度が始まって2か月、ともすれば緊張感が緩み、暑くもなってくる今の時期にこういった週間が設けられていることには、大賛成ですしその成果も十分に上がっていると思います。 2日(水)には2年生の校外学習が行われました。グループ毎での京都市内見学です。朝練を終えた子どもたちを、校門で「行ってらっしゃい!」と送り出すのも面白かったです。地下鉄「御陵」駅まで見送りに行ったのですが、みんなが楽しみにしている様子が伝わってきました。金閣寺方面、平安神宮方面、清水寺方面、どれも見どころ豊富です。全国から修学旅行生がやってくる京都ですが、そこに住む子どもたちは、意外にそういう名所旧跡を訪れたことがありません。「外国人に声をかけること」という課題も“グー!”だと思います。言いたいことは身振り手振りで案外伝わることや、伝えられた喜びなどを感じてくれたことを願います。後日、あるクラスの学級通信に外国人のカップルと一緒に撮った写真が掲載されていましたが、微笑ましく見せてもらいました。きっと大変いい勉強をしたことだろうと思います。 その日、3年生が昼食を校庭で食べていました。久しぶりの「いい天気」、2年生がいないこともあって先生方からの提案でした。ここにもたくさんの“いい顔”が見られました。昼休み早々グランドから歓声が聞こえてきて、思わず校長室の窓から最初のシャッターを切りました。ちょっとした遠足気分、ピクニック気分を味わえたのではないでしょうか。何でもないような小さな取組ですが、こういう変化のある学校生活から子どもたちは活性化するものです。おそらく、午後の授業にも身が入ったことでしょう。 そして、6日は日曜参観日。405名(4月以来2名減)の生徒に対して319名の方が参観に来られました。保護者・地域の方、教育関係者の方々の本校教育への関心の高さの表れだと、身の引き締まる思いがしました。「先生、頑張りましょ。以前は“山科の学○院”と言われたんですよ」そんな声をかけても頂いた。 教職員一丸となって皆様の期待に応えたいと思います。子どもたちが、安心して楽しく通える学校、勉強や部活動に本気で向き合い「智・徳・体」のバランスがよく、そのクオリティーの高い学校にしていきたいと、改めて思います。「ちゃんとしようWeek」で始まったこの1週間は、私たちにも改めてそう思わせてくれました。 |
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