最新更新日:2024/11/05 | |
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『東山を西に見て』
「褒めて伸ばす」
左の写真は1月7日(金)の朝8時前に、本校校舎の4Fから撮影したものです。前夜からの降雪で路面の凍結が危ぶまれ、その日は自転車通勤を敢行しました。雪の舞う九条山を越えるために必死でペダルを踏みました。意外にもバイクで来るのと10分もかわりません。おまけに顔と指先以外、身体はポカポカと暖かくなります。『冬場はチャリ通もいいかな』と思ったぐらいです。そうそう、写真の話題でした。いい気分で学校に到着し、北方に目をやると、鏡山の雪景色を背景に、朝日を浴びて東海道線の電車がひっきりなしに行き交います。そして、目前のグランドではサッカー部と陸上部の生徒たちが元気に活動していました。何とも美しく活力に満ちた光景だと思い、4Fまで上がって撮影しました。カメラが良くないため、目に映ったままを残せないのが残念ですが…。 年末に紹介したクリスマスツリーに、その後の物語があります。 最終的にツリーは右の写真のようなアリサマになりました。枝におびただしい数の短冊が付けられたのです。『それは違うやろ?!』みな初めはそう思いました。でも、内容をよく見ると納得します。「志望校に合格できますように!」「残りの生活を友達と仲良く楽しめるよう」など、この時期ならではの言葉が下がっています。後になって聞いたのですが、女子たちによってツリーが飾られた翌朝、さっそく調子乗りの男子がそれを担いで廊下を走りました。「進路決定懇談の時期のピリピリした雰囲気を和ませたい」とある女子が短冊を付け、「我もわれも」とそれが増えていってからは悪戯をする者がなくなったそうです。ツリーが片付けられた今後は、模造紙に描かれたツリーにこの短冊が貼られる予定です。 ツリーは、12月27日の夕刻に一人の女子によって片付けられました。毎週校長室に花を生けに来てくれる女の子が、やってきました。「先生、花、花器と一緒に一旦家に持って帰るわ!」言うなり手際よく片付け始めました。年を越して一週間も放っておけないらしいのです。よく気の利く子だと思います。校長室に湯飲み茶わんが使ったままになっていると洗ってくれたりもします。花を片付け終わると、クリスマスツリーも片付けようかと言いました。別の子が短冊を絵のツリーに貼ろうとしている話を伝えると、微笑んで軽く頷き、丁寧に短冊を集めだしました。 短冊付きのツリーを考案した子と、生け花を片付けに来てくれた子。二人の女子は、苦手なことも少なくありません。これまで、親や担任の先生に心配をかけもしてきました。でも、“いい面”も本当にたくさんあります。じっくり話すとそれがいっぱい見えてくるのです。私のことで言えば、この子たちの“いい面”に気づけた時から関係が一気に好転したように思います。忙しい毎日の中で、なかなか難しいことでしょうが、子どものいい面をたくさん見つけ、それを褒めて伸ばす指導を心掛けたいものです。短冊の付いたツリーの写真を見て強く思います。 『東山を西に見て』
「新年のごあいさつ」
明けましておめでとうございます。 私にとって50回目という区切りの今年のお正月を、とりわけ新鮮な気持ちで迎えました。校長という自覚と責任がそうさせているのだと思います。また、珍しく大晦日から降り出した大雪で、京都の街がすっかり雪化粧したことも、演出効果を高めたのかもしれません。 例年なら10時頃まで寝ているのに、元旦の朝は、7時前に起きて付近を散歩しました。自動車で鴨川の風景を見にも行きました。まだ人や車があまり通っていない街の角角は、空気が澄んで張りつめ、寒さと雪景色も相まって清々しい緊張感を感じさせてくれました。 先月29日からは、完全に学校を離れて過ごしました。夏休みや春休みと比べ、この期間の休みが1年間で一番ゆっくりできるように思います。家族や親戚の者と過ごした時間が充実もしていました。例年のように蝋梅の花を切りました。今年は母も一緒です。昨年、母の入院する病院へ切った枝を届けましたが、今年は校長室でいい香りを漂わせています。大晦日の朝、小雪がちらつく中を墓掃除に出かけました。花を挿すところに固い氷が張っていて、家まで熱湯をとりに戻らなければなりませんでした。地面が凍てて雑草が抜けません。こんな経験も初めてでした。とても寒かったですが、正月に家族とともに参ったとき、行っておいて本当によかったと思いました。妻と年末恒例の買い物にも出かけました。今年は2度行ったのですが、荷物を持って妻に付いて歩いていると、2度とも鏡山小学校の吉田校長先生ご夫妻と出会いました。吉田先生も私同様荷物を持って奥様の後に付いて歩いておられ、お互い笑い合ったのが何ともいえず可笑しかったです。 さて、3年生の卒業まであと71日。登校日だけだと、たった48日です。1・2年生の修了式まででも51日しかありません。この間に一体どれだけのことをしなければならないのか。どれだけのことができるのか。そのことを考えるたびに心身の引き締まる思いがします。特に3年生には、卒業後に自分の足で立って生きていける力をつけなければなりません。温かく包むことも厳しく鍛えることもどちらも大切な教育です。 6日間の休みを終え、校長室の机に向かって学校のことを考えると、様々な顔が浮かんできます。あの子にこの子、あの先生、あの保護者にあの地域の方々、実にたくさんの顔です。『どんな風に過ごしているのか?』『どういう働きかけをしようか?』学級担任だった頃のお正月に、よく似た気持ちになったことを思い出します。教頭時代や指導主事のときには感じなかった気持です。冒頭に「校長の自覚と責任」と書きましたが、その一つがこういうことかもしれません。花山中学校の校長とは、花山学級の担任の気持ちで居てよいのかもしれないと思えてきました。403名の生徒、35名の教職員、保護者・地域の皆様、対象は実に多いですが、皆様から信頼される先生でありたいと思います。 今年も何卒よろしくお願い申し上げます。 『東山を西に見て』
「この時期の三者面談」
20日、遅ればせながら3Fのフロアーにクリスマスツリーが飾られました。今回は、このツリーについての話からはじめたいと思います。 「家に使わなくなったツリーがあるし、廊下に飾るか?」11月の終わり頃、よく校長室を訪ねる3年の女の子らにもちかけました。彼女らは大喜び。上の子が物心ついた頃、150センチメートルのツリーを購入しました。子どもたちの成長と共に家の中にものが増え、やがて飾る場所がなくなって何年間か物置にしまい込んだままになっていた代物です。学校に持って行くという私に妻が言います。「家が広くなったから、飾るのを楽しみにしてたのに!」大いに困った私は、12日に何軒かの店を回りましたが、時すでに遅く、大きなものは完売したということでした。『3年生の女の子たちに何と言って謝ろうか』困惑していた私は、たまたま訪ねて来られたPTAの副会長さんにその話をしました。「家に処分し損ねたのがあったので、よかったら使ってください。」その時は笑って聞いておられた彼女が、昨日、わざわざ家から持って来てくださいました。女の子たちに伝えたところ、段ボール箱を抱えて大喜びで飾り付けに行きました。「できた! なかなかのもんやで!!」 本校にお越しの際は、是非2Fのツリーをご覧いただきたいと思います。様々な経緯のもと、いろいろな人の愛が詰まったクリスマスツリーです。 さて、先週から各学年で三者面談が進行中です。三年生にとっては進路を決定する重要な懇談会です。最近は、入試制度が年々ますます複雑になって、3年生と保護者の方を悩ませています。中学校としても、よく下調べをしておかないと、子どもたちに不利益を被らせては大変です。 実は、先週うちの息子も懇談を終えました。子どもの思いと親の思いとの間には隔たりがあるものだとつくづく思います。うちの学校にも少なくありませんが、息子は高校野球に強い思い入れをもって進路を考えています。小さな頃から野球に力を入れてきたのだから、当然と言えるかもしれません。「大学進学のことを視野に入れ、勉強中心で考えてはどうか。」度々伝えてきはしましたが、彼の意思は固い。これまでそういう生き方をさせてきたのだから、今さら方向転換を迫ることの方が筋違いであるようにも思います。結局、親は子どもを見守り、応援するのがよいのだろうと妙に納得します。今は、真っただ中にいるのでよく見えないことでも、何年か後には『あんなこともあったな』ときっと笑顔で話せるはずです。その時に後悔しないようにだけはさせなくてはなりません。うちの場合もそうですが、親も子どもの進路については一生懸命に考えているものです。そのことを、教師は再認識しなければならないと思います。 校長と父親という立場から、懇談会の初日、朝の打ち合わせで、「くれぐれも“丁寧な言動と誠実な対応”を心がけてください。」教職員にそう伝えました。 『東山を西に見て』
「子どもを知ることから」
「校長先生も走るんですよね。」「何で知ってんの?」「HPに書いてたやん!」 10日のクロスカントリー大会の始まる前の会話です。疏水端のコースは空気が澄み、紅葉もきれいで最高のコンディションで実施されました。ある男の子たちとこんな会話もありました。私がショートパンツ姿になった時です。「何や!?先生、走る気なん?」「僕に負けたらアカンで。」「なんぼなんでも、それはないやろ。」‐間‐『みてろ!ビックリさせたる!』(心の中) 花山中学校では、各学年の上位8人の脚に自信のある子らは、シード選手のように前方からスタートすることになっています。少しでも前から出ようとそのグループの中に入ってスタートを切ったのですが、これが災いしました。50メートル走かと思うほどのスピードで走り出す24人に完全にペースを乱し、走り出して1キロメートルもしないうちからしんどくなり、後は我慢だけの苦しいクロスカントリーとなってしまいました。表情にも表れていたのでしょうか、子どもたちを励まそうと参加したにも拘らず、追い越していく男子生徒や折り返し後に出会った女子生徒から「校長先生、頑張れ!」と声をかけられました。 何はともあれ、やっぱり一緒に走ってよかったと思います。子どもたちや、応援と交通整理に集まってくださったPTAの皆様方との関係が一層深められたようにも思うからです。 翌11日には、以前に勤務していた学校で共に過ごした先生の結婚披露宴に出席しました。宴の中で、新郎となった先生の学年主任が、次のような内容のスピーチをしました。「本校には家庭に恵まれない生徒が多く在籍しています。温かい家庭というものを知らずに成長してきた者も少なくありません。だからこそ、あなたたちはその子たちにとってのモデルとなるような、愛に溢れた温かい家庭を築いていってください。」 スピーチを聞きながら、『あれっ!?』と思いました。やがて、彼のスピーチは次のように結ばれました。「この話は、私の披露宴で先輩がしてくださったものです。」僅かの間『盗作されたな』と思った私ですが、最後まで聞いてたまらなく嬉しくなりました。学年主任が、かつて私のしたスピーチを覚えてくれていたこと、そして、それを彼のことだから確実に実践し、次の世代の先生にしっかりと繋いでいってくれたからです。 教育には、継承していかなければならないものがあると思います。そしてそれは、単なる言葉ではなく、確かな実践に基づいたものでなければなりません。 「目の前の子どもを徹底的に大切にする教育」。このフレーズもそうです。徹底的に大切にするとは、具体的にどうすることでしょうか。学校に来られない生徒、授業に入れない生徒、学習についていけない生徒たちに、どう接すれば徹底的に大切にしたことになるのでしょう。 先ずは、子どもと時間を共有することです。子どもの目線で物事を見ることです。今もこれらを大切にしたいと思っています。 教師の実践は、子どもの実態を正確に知ることから始まるのですから。 12月10日 クロスカントリー開催!!
本日のクロスカントリー大会は、予定通り実施します。
生徒は、8時50分に疏水公園に集合してください。 日ごろの練習の成果をおおいに発揮しよう!! 『東山を西に見て』
「ふれあいの意味と力」
定期テストが終わって懇談会が始まるまでの間、花山中では様々な行事が計画されています。先ずは「秋野菜を味わう会」。夏の収穫祭が縦割り集団で実施されたのに対して、今回は学年ごとの取組となっています。うまく考えられたものだと思います。今の子どもたちの社会を見ると、縦割りでの集団活動は絶対に大切です。このことについては、収穫祭について書いた本エッセイで既に述べました。しかし、はやり学校では学年の中での繋がりを大切にすべきだと思います。この横の関係が強固に築けてこそ、縦の関係は確かなものになります。すでに1・3年生は楽しく活動しました。大きな鍋に収穫した野菜と手分けして買ってきた肉などの具材を入れ、大鍋パーティーが開催されました。今週には2年生でも計画されています。彼らも大いに楽しんでほしいものです。 3日金曜日にはオープンキャンパスが行われました。校下の2小学校の6年生が本校にやって来て、新生徒会役員の司会進行のもと、中学校生活についてのガイダンスを受けたり、中学校の授業や部活動を体験しました。先生方もそれぞれにアイデアを凝らした授業を展開していました。小学生の感想を一つ拾ってみます。 中学の勉強はとても楽しかったです。理由は『+』と『−』のやり方がとてもおもしろくて、花山中学校に来て、またこの勉強をしたいと思いました。とても楽しかったです。ありがとうございました。 続いて4日土曜日。花山名物の「クリーンキャンペーン」です。花山中学校の校区を徹底的に美しくしようと何年も前から取り組まれています。地域生徒指導連絡協議会(地生連)の活動という位置づけですが、元々は地域の活動に学校も参加するようになったということです。生徒を見送った私は、小一時間の後、ゴミ袋を手に本校グランドにドンドン集まってこられる地域の皆様の数を見て『この行事にこれほどの人が関わっておられたのか!』と本当に驚かされました。 当日は朝から地域の女性会の皆様と本校PTAの皆様方が600人分の“豚汁”を作って、帰って来た生徒や参加した人たちにふるまわれます。中学生が照れもせず美味しそうに食べる姿を見て、古き良き時代の日本社会を見たような気分になりました。 10日にはクロスカントリーが予定されています。疏水端のコース約9キロメートルを走るのです。既に朝練習も始まりました。毎日8時前に出勤するのですが、グランドには大勢の生徒が多くの先生方に見守られて走っており、ワクワク感と気忙しさから部屋の中にじっとしておられません。「えーっ!校長先生、ウチら、どうしたらええの?」「何言うてんにゃな。君らも走ったらええやんか。」朝練習初日、登校した1年生と交わした会話です。 人権週間のこの時期に様々な行事が企画されているのは、こういった“ふれあい”が人間関係を築くからかもしれません。10日には、私も子どもたちの中に入って9キロメートルを走ってみようと思っています。きっと新たに感じられるものや見えてくるものがあるはずです。 『東山を西に見て』
「特別な学習ではない」
1948年、国際連合は第3回総会で「世界人権宣言」を採択。2年後には、「世界人権宣言」が採択された12月10日を「人権デー」と定めました。我が国では、「人権デー」である12月10日を最終日とする1週間を「人権週間」と定め、人権尊重のための活動を全国的に展開しています。もうすぐその「人権週間」が始まるので、先週末の定期テスト最終日に、放送を通じて全校生徒に人権についての話をさせてもらいました。これまで人権学習について考えてきたことを、子どもたちに分かりやすいように伝えたつもりです。要旨は次の通りです。 人権週間に向けて、特別な時間が設けられてはいるが、人権学習は何も特別な学習ではない。日常生活の場面で考え、学んでいくものだ。例えば、あなたの周りで泣いている人を見つけたらどうするか。困っている人を見つけたらどうするか。「どうしたの?」とか「私にできることはないですか?」などの声をかけるだろう。これが人権学習の基本だ。少なくとも、そういう時に見て見ぬふりをするような人にはなってほしくない。今の日本社会には、大変残念なことに、色々な差別がある。特定の地域に生まれたとか育ったとかで差別されることがある。また、心身に障害があるということや外国人であるということ、女性だということで不当な扱いを受けることもある。更に、いじめの問題や貧困の問題、老人の問題、施設出身者に対する差別意識、親がいなかったり両親が揃っていないということで差別を受けることさえある。犯罪者やその家族に対する差別も見過ごすことはできない。こういう差別事象に出会ったとき、どういう態度をとればよいのか。泣いている人や困っている人を見かけたら…という場合と同じ。今あげた差別に、先ずは関心をもつことだ。関心をもつことによって“よそ事”が“我が事”になる。私は常々考えている。差別の壁は、このことについて考える人が増えれば増えるほど低くなっていくのだと。この機会に身の周りにある差別問題に関心をもってみて欲しい。どこかにある“よそ事”が“我が事”へと変化するかもしれない。 事前に、先生方に“よそ事”が“我が事”へと変化した経験を生徒に語ってほしいとお願いしておきました。教師の話を、目を潤ませながら聞いてくれた生徒がいたという報告も聞いています。こういう時間が子どもたちの心を耕すのだと思います。 来週に計画されている人権学習に向け、子どもにより深く考えさせられるよう、各学年で数々の読みものやビデオ、講演などが用意されています。これらを資料として上手く使って、授業者はその思いを熱く語ってほしいと思います。学力向上が強く叫ばれてはいますが、教師が、命のことや愛や友情や人権について熱く語ることがなくなれば、学校がその役割を失うとさえ考えます。人権学習の後、友達同士で、そして出来れば家に帰ってからも家族と、人権についての話ができればいいなと思います。 『東山を西に見て』
「交流の力」
20日の土曜日、第2回の土曜学習が行われる中、地域の社会福祉協議会主催で“健康すこやか学級”が開催されました。今回は、地域のお年寄りの皆様が本校ブラスバンド部の演奏を聴き、そのあと彼らと一緒に昼食をとられるということでした。お年寄りの皆様もこの行事を大変楽しみにされていると聞き、私も開催前から楽しみにしていました。ミニコンサートでは、私以上の年齢の者には馴染みの深い曲が次々と演奏されました。「ふるさと」のときには、私の隣に座っておられたおばあさんが「私、この曲が大好きやねん。今でも3番まで全部歌えるで。今も聞いていて涙が止まらへんかったわ。」と、ハンカチで目を押さえながら語られました。 昼食会の様子がまたよかったです。2人に1人という割合でお年寄りの中に中学生が入っていきます。カメラを向けると仲良くピースサインを作って笑顔を返されます。「最近、孫とも会ってないし、中学生と話ができるのは嬉しくて仕方がない。」帰り際にそう言われた方がおられました。お年寄りの優しさ、何でも包み込むような雰囲気。核家族化が進む中、世界一の長寿国でありながら、普段はお年寄りと話す機会のない生徒も多いです。中学生の方も、この取組から何かを学んでくれていることを願います。 その日の午後、4年ぶりに「全国人権・同和教育研究大会」に参加するため佐賀市まで行きました。私の中の“教師としての軸”がぶれていないかを確かめ、ぶれていたらそれを修正するためだと自分に言い聞かせて長旅に踏み切りました。 久しぶりの「全人同教」は私に十分なエネルギーを補給してくれました。子どもの幸せを願って日々活動し、自らの実践を振り返ると共に、新しい実践のヒントを得ようと全国から1万人以上が集まっています。「語ること」や「綴ること」を通して子ども同士を繋げていく取組の発表が多い分科会を選びました。子どもたちを繋げることは、学校の大切な役割だと以前から考えています。一生懸命関わってきた子どもの卒業の時、進路先でのことが不安で一緒について行きたいと思ったこともあります。それができない以上、困った時に本音で相談できる仲間を作っておく意味が出てくるのです。全国から集まった人たちから次から次へと意見が出されます。怒りや悲しみを含んだ発言も、生徒の姿が思い浮かぶようなそれもあります。それらを聞きながら本校生徒の姿を思い浮かべていました。 こういう大会に参加したら発言をするようにしています。分科会でも参加者が500人を超すので、そこで手を挙げるのはやはり緊張しますが、来た意味を思い返し思い切って今の思いを述べました。果たしてその場の人たちに届いたでしょうか。 “健康すこやか学級”と「全国人権・同和教育研究大会」。2つの交流の場面を紹介しました。交流には一人では決してできない学びがあります。仲間の意見や考えを聞くことで学びが深まったり広まったりするものです。「交流の力」を学習の場面にもっともっと取り入れてくべきだと思うのですがどうでしょう。 『東山を西に見て』
「夢をつかめ」
土曜学習「花山夢現」講座が始まり、初日13日には約40人が参加しました。みんな自分で用意した学習課題に黙々と向き合っています。時折、学生ボランティアの人が解き方を教える声が聞こえますが、小声で話さないといけないような雰囲気で学習が進みます。 9時から開講式がありました。時間に会場に行くと全員が揃って待っていてくれました。中には、ついこの間まで学習に向き合えなかった子もいます。開講式のあいさつで2つのことを述べました。1.先生に勧められたり友達と相談したりしただろうが、最終的には自分でやると決めたこと。今の気持ちを大切にして最後まで自学自習の精神で頑張ってほしい。2.皆さんが学習をするために皆さんを支えている人がたくさんいる。家族・学習支援ボランティアの方・先生、それらの人たちに対する感謝の気持ちを忘れないでほしい。 「進路実現に向けて、生徒が学習意欲を高め、自学自習する学習の場の一つとする。」「花山夢現」講座の目的です。勉強は、最終的には自分一人で行うものです。自分で解き方を見つけたり、覚え方を工夫したりして身につけていくのだと経験を通しても思います。しかし、初めの頃は少しでも躓くと先へ進めません。「もういや!」「アカン。やーめた!!」そうなりそうなとき、ちょっと解き方を教わったりちょっと背中を押してもらえたら…、そんな気持ちにならずに済むものです。休みに出て来てもらっている先生やボランティアの方には大変申し訳ありませんが、子どもたちにそうした力を少し貸してやってください。初日の学習が終って、ボランティアの方や先生方と話しました。『2時間では惜しい。もっと時間があってもよいのに。』という感想でした。本講座は来年2月まで続きます。この調子で頑張ってそれぞれの夢を実現してほしいと思います。 「夢を現実に!」本校バレー部の応援幕のフレーズも確かこうです。京都市の“てっぺん”を獲るために日々厳しい練習に励む彼女たちの最後の戦いが一昨日ありました。決勝の相手は強豪烏丸中。ここまで圧倒的な強さで勝ってきた我がチームも、さすがに決勝戦では緊張して見えました。開始早々一気に5点を連取されます。プレーが全般的に消極的になり、まるで別のチームのように思えます。力は決して劣ってはいないと思うのですが、流れというのかペースというのか、厳しい状況が続きます。2セット目、4点差をひっくり返して逆に4点ほどの差をつけた時は選手一人一人が生き生きと輝き、応援団も熱く燃えていたのですが…。「今回こそは優勝か!?」そう期待していただけに残念ですが、それでも堂々たる準優勝。春・夏の3位を上回りました。心と体を鍛え、次こそ優勝してほしいです。 夢までもう一歩のところまで近づいたバレー部、遠い夢に向かって本格的に動き出した3年生。やらなければならないことは、2つで共通しています。目標を見失わないこと。諦めずに続けることです。そうすれば、必ず夢をつかむことができます。 『東山を西に見て』
「チャレンジ体験実施中」
今週にはいって2年生が「生き方探究チャレンジ体験」で様々な事業所に行き、そこで一生懸命に働いています。朝、校門で部活動の朝練習を終えて出勤していく彼らを見送るのは、妙な気分ですがワクワクします。京都市でこの事業を始めて今年で11年になります。その1年前の主任研修会で、伏見区の中学校で夏休みに「職場体験」をさせているという報告を聞き、取組の素晴らしさに驚いたことを思い出します。立ち上げ当時3日間だった事業も現在は5日間になりました。事前・事後の取組を加えると相当の授業時間が割かれるものの、子どもが仕事を体験することを通して、職業について考え、更には自分の将来について考えるとても良い機会になっています。本校の子どもたちも50以上の事業所で、学校や家庭では学ぶことのできない何かを感じていることでしょう。 実際、学校ではあまり見せることのない“いい表情”“いい態度”で働いています。 「楽しいか?」「めっちゃ、楽しいです。」普段あまり楽しそうな顔を見せない男子生徒が、『この子もこんな表情するんや!』と思わせる笑顔で答えました。また別の職場では、私が去る時「ありがとうございました!」と声が返ってきました。店員としての言葉でしょうが、『えっ、これってあの子の声?』と驚いたほど爽やかな大きな声でした。まだ2日目。疲れが出てくるのはこれからでしょうが、その時こそが正念場。しっかり乗り越えてこの体験でしか学べないものをもって帰ってきてほしいと思います。 先月27日、2人の事業主さんにお越し頂いて、仕事について話をしてもらいました。幼稚園の園長先生は、先生の楽しそうな場面だけでなく、きつそうな場面(吐物の処理や下の世話など)も見て勉強してほしいと仰いました。大企業に就職し、海外勤務も経験されたのちに脱サラしてパン屋を始められたおじさんの話は、子どもたちの心に強く残ったようです。2年3組の学級通信に掲載されていた感想文を一つ紹介します。 おじさんの話は、とにかく感動しました。おじさんの子どもの頃の話が、今の僕と重なるところがあって、とても共感もできました。今の僕にはでっかい夢はないですが、夢や目標があれば頑張れる気がしました。とりあえず、今の僕は何のために頑張っているのか分からず、度々親と衝突したり、学校でも上手くいかなかったりと、訳の分からない日々が続いています。でも、今日の話を聞いて、どう書いたらうまく表現できるか分からないですが、とりあえず、何か変れた気がします。これから、明日からめっちゃ頑張れそうな気分になりました。今日はありがとうございました。 先週末、チャレンジ出発式で子どもたちに「職場で役立つあ・へ・こ・じ・え」という話をしました。社会人なら当然知ってるはずだと、突然当てた若い先生、大変失礼しました。30分前に考えたことだから彼らが知るはずがありません。「あいさつ」・「へんじ」・「ことば使い」・「じかん」・「えがお」が大事という話です。みんなで大きな声で復唱したので覚えているでしょう。果たして実行しているでしょうか。 |
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