京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2021/03/25
本日:count up1
昨日:6
総数:168258
文字: 大きく | 小さく | 標準 配色: 通常 | 白地 | 黒地
ハートフルマーク
校訓「なかま」「夢」「成長」 教育目標「未来を創造し たくましく生き抜く力の育成」

「夾竹桃の花」

画像1
 「夾竹桃」は原子爆弾で被災した広島市で、原子爆弾により70年間(あるいは75年間)草木も生えないと言われた焦土に、いち早く咲いた花で、広島市民に復興の希望と光を与えてくれました。原爆犠牲者への慰霊の意も込めて昭和48年(1973年)11月3日(文化の日)、広島市の花に選定されました。
 キョウチクトウは6月から残暑のころまで赤や白の花を咲かせ、異国情緒のある忘れがたい夏の花の一つです。高温乾燥に強く、また大気汚染にも強いことから、都市の街路樹として緑化にもよく利用されました。中国で名付けられた「夾竹桃」という名前の通り、葉が竹のように狭く、花は桃に似ており、そのまま和名にもなりました。
 広島は今日、被爆から65年の「原爆の日」を迎え、中区の平和記念公園では「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)が営まれました。

「今日の一冊」

画像1
 今日、皆さんに紹介するのは、アーネスト・ヘミングウェイの「老人と海」です。海という舞台で、海そのものを体現し、象徴するような巨大魚とこれに挑みかける老漁師の物語です。
 
 サンチャゴはメキシコ湾流に小舟を浮かべ、一人で漁をする老漁師です。顔には長年の日焼けによる褐色のしみが広がり、両手の所々には深い傷痕が見えます。この男に関する限り何もかもが古かったが、眼だけが海と同じ色をたたえ、不屈な生気がみなぎっていました。彼は貧しく、一匹も釣れない日がもう84日も続いていました。以前は一緒に舟に乗って手伝ってくれる少年もいましたが、今では両親の言いつけに従い、別の舟に乗っています。しかし、5歳の時からサンチャゴと漁に出ていた少年は、今も変わらず、彼を尊敬し、一人になった彼のことを気にかけていました。85日目の早朝、「今日こそは」という思いでサンチャゴは、少年がくれた餌魚を携えて、朝日の昇らないうちに沖に漕ぎ出しました。昼ごろ、餌のついた鉤素を仕掛けておいた綱を引っ張ると、すると信じられないほどの重い手応えを感じました。掛かっていたのは想像を絶する巨大なカジキマグロ、3日にわたる死闘の末、老漁師は巨大魚との勝負に勝ったが、港へ帰る途中に次々とサメに襲われて、舟にくくりつけた獲物は見る見る食いちぎられていく…。
 感傷的な抒情を排除したハードボイルド・リアリズム(非情の現実主義)と呼ばれる簡潔な文体で、絶望的な戦いの中でうちのめされても敗れない人間の孤高の精神を、肯定的に描いた名作です。1954年、アーネスト・ヘミングウェイはこの「老人と海」でノーベル文学賞を受賞しました。

「ちょっと先を想像する」

画像1
 「8月は人権強調月間です。〜個人の人権を尊重し、かけがえのない『いのち』を社会全体で守りましょう。〜」をスローガンとして、京都府及び京都人権啓発推進会議は、8月を人権強調月間と定め、基本的人権の尊重を訴え、様々な差別や人権問題をなくすためいろいろな取組を行っています。

 そこで、人権強調月間にあたって、「できる限り最大限すべての人に利用可能であるように、製品、建物、空間をデザインする」という考え方に立った「ユニバーサルデザイン」を取り上げてみます。この考え方は、あるアメリカの建築家・工業デザイナーの提唱によりはじまりました。彼は車いすを利用していましたが、車いす専用の共同住宅を例に、一部の人のための特別なものを用意するのではなく、だれもが利用しやすく使ってみたくなるものをつくった方がいいということを、「ユニバーサルデザイン」(すべての人のためのデザイン)という言葉で表現しました。後に、彼は大学にユニバーサルデザインセンターを創設し、ユニバーサルデザインの7原則も発表しました。
(1)だれもが公平に利用できる。
(2)使ううえで自由度が高い。
(3)使い方が簡単ですぐにわかる。
(4)必要な情報がすぐにわかる。
(5)うっかりミスや危険につながらないデザイン。
(6)無理な姿勢をとることもなく、少ない力でも楽に利用できる。
(7)アクセスしやすい(近づきやすい)スペースと大きさを確保する。

 このような考え方を具体化したものが、私たちの身近にもたくさんあります。屋外では、点字ブロック、信号機の音声案内、段差が少ない歩道など、屋内では、館内案内版、感知式の水道の蛇口、2種類の階段の手すりなど様々なものがあります。しかし、忘れてはならない一番大切なことは、いつも自分の身の回りのことや周りにいる人たちのちょっと先を想像するということです。困っている人を見かけたら勇気を出して声をかけてあげる、高齢の方などに席を譲る、歩道に自転車などを放置しない等々、そうすれば、「もの」がなくてもできることが見えてくるはずです。(参考文献・京都市保健福祉局発行「見つけたよ!京都のユニバーサルデザイン」)

「邂逅」

画像1画像2
 「朝から暑いですね。」という挨拶が続く毎日ですが、陸上部員・和太鼓部員たちは今日も朝から頑張っていますし、学習教室でも自主的な取組が続けられています。
 生徒の皆さんに薦める「今日の一冊」を探して図書室に行ってみました。いつも感心することですが、よく整頓された本棚を見て、「もっと本を読んでほしい。」という気持ちが伝わってくるように思いました。夏休み前に行われた貸出しや新しく購入された本のために少し模様替えされており、前からあった「新刊図書コーナー」は拡張され、「夏休みすいせん図書コーナー」が新たに設けられ、そこには図書館教育部会発行の「すいせん図書一覧表」のプリントまで並んでいました。二つのコーナーに並べられた本は、様々なジャンルから選ばれた「ちょっと読んでみようかな。」と興味をそそられるものばかりでした。以前にも紹介しましたが、図書委員会は「図書だより」の発行や「おすすめ図書紹介の手作りポスター」を掲示するなど、地道で熱意ある取組を続けてくれています。この二つのコーナーばかりではありませんが、並べられた本の中には、皆さんの琴線に触れる「一冊」がきっとあるのではないでしょうか。
 「邂逅(思いがけなく出会うこと。巡り合うこと。広辞苑第5版)」という言葉がありますが、いろいろな人がその人生を振り返った時に、あの時あの人に出会ったことが大きな転機でしたというようなことがよく語られますが、人との出会いと同様に、「一冊の本」との出会いがその人の感性や人生に大きな変化をもたらすこともあるだろうと思います。次回の開館日には、たくさんの新刊図書たちが皆さんの手にとってもらえることを願っています。
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
京都市立高雄中学校
〒616-8283
京都市右京区梅ヶ畑奥殿町36
TEL:075-872-1286
FAX:075-861-1029
E-mail: takao-c@edu.city.kyoto.jp