最新更新日:2024/08/22 | |
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万葉の雨と花と家庭訪問
4月30日(火)
快晴から一転,連休明けの今日は降ったりやんだりのすっきりしない空模様でした。 暑かったのか,ビオトープの植物たちには恵みの雨だったようで,潤いを増した花たちが曇り空の色とは対照的に,いっそう冴えて見えました。 古の雨の風景に万葉集の中でこんなやりとりがあるようです。 「雷神(なるかみ)の 少し響(とよ)みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ」 訳:「雷が鳴って雲が広がり雨が降ってくれたら,帰ろうとしているあなたをきっと引き止められるのになあ」 これへの返事は, 「雷神(なるかみ)の 少し響(とよ)みて 降らずとも われは留らむ 妹し留めば」 訳:雷が鳴らなくても雨が降らなくても,君が引き止めてくれたなら僕はここにいますよ。 言い回しがかわいくて,なかなか素敵だと思われませんか。 襟を飾る今日の担任の先生にとっては今日の雨は残念なものでした。なぜなら今日から家庭訪問が始まるのです。「待たせてはいけない」「せっかくのスーツが」「自転車でまわろうと思っていたのに」 担任の先生は万葉集のような趣をはさておき,決めた時刻を守るために雨にも負けずがんばっています。 散りぬる風の なごりには
常磐野小学校の一員となり,ひと月が過ぎようとしています。
本校は大きな通りに面していながらも,校内や周辺にはたくさんの自然がありこの季節はどこを眺めても美しいものが目にとびこんできます。 つい先日まで咲き誇っていた桜も,記録的な低気圧の風であえなく散ってしまいました。もう少し楽しみたかったのですが,こればかりは仕方がありません。 タイトルの言葉は古今和歌集から紀貫之の89番からです。 正確には 「桜花 散りぬる風の なごりには 水なき空に 波ぞ立ちける」 (訳) 「桜を散らす風が吹き,その後には花びらのすじが波のようにして残っていました。」 紀貫之は女性的でこまやかな心の揺れを巧みに表現する歌人だったと言われています。花がよく登場することでも有名な歌人です。 このブログでは,本校の「うつくしきもの」「うつくしきこと」を中心に紹介させていただきたいと思います。 虹色 Prism目で見えにくい光をプリズムを通すことでそれぞれの色が見えてくるように,はやくひとりひとりの色を見つけたいと思っています。 どうぞよろしくお願いします。 |
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