京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/08/22
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ハートフルマーク
令和6年度がスタートしました。今年度もよろしくお願いします。

ナツクサ×ナツノ ヨウセイ

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 7月24日(水)

 今日から夏休みとなりました。
 ひまわりサマースクールが行われていたり,部活があったりして少しにぎやかになるときはありますが,それも一時です。

 北校舎に行ってみると,昨日までとは別の場所のように静まりかえっています。
 ところが主役たちを失った1年生の教室は,音こそしないものの今日もまだ妖精かなにかが授業を受けていたかのような体温を感じる臨場感があったのが不思議です。
 だれもいない廊下も眺めているとだれかが向こうから歩いてきて,にっこり笑いかけてきてくれそうです。そうだといいのにと思っているからかもしれません。

 気分を変えてネイチャーランドに行くと,空が見えないくらい木々の葉が茂っています。緑の色も梅雨の頃と比べたら濃くなっているようです。
 5年生が植えた稲も順調に育っているようです。

 かれはてむ 後をば知らで 夏草の 
 深くも人の思ほゆるかな (古今和歌集より)
 
 この歌の詠み人「凡河内 躬恒(おおしこうち の みつね」は、平安時代前期に活躍した歌人・官人で三十六歌仙の1人でもあります。

 意味は「すっかり枯れてしまう後のことなどまるで知らずに、深々と夏草が生い茂るように、離れ去ってしまう後のことなど想像もできずに深くあの人のことが思われる。」という少し切ないテイストです。

 ネイチャーランドの草木たちも,後のことなど考えもせずただ太陽を目指して,届かんばかりひたむきに伸びようとしています。

 始まったばかりですが,早く戻ってきてほしいなと思います。




クッキー・ロマンチック・ドラマチック

 7月18日(木)

 1年生が今日の1校時から3校時までを使って,図画工作科の学習で紙粘土や絵の具を材料とした「クッキー屋さん」になっていました。

 はじめに自分がつくりたいクッキーを思いつきやすくするために,形や色などに着目しながらいろいろなクッキーの写真を見ました。
 ある程度,自分のおもいが出てきたところで,紙粘土を分けつつ絵の具を練り込み,パステルカラーのカラフル粘土に変身させていきました。
「赤を混ぜたらピンクになったよ。」
「青がきれい。この色いいかも。」
「黄色にした粘土と青にした粘土を混ぜたら緑になったよ。ほら。」

 楽しく色数を増やしながら,つくりたいクッキーの想像をふくらませていきます。
 ハート型や星形など形におもしろさを見つける子,カラフルな色の組み合わせを楽しむ子など様々です。
 うちから準備してきた型抜きを使っていた子は,いくつかつくっているうちにどんどん型通りのシャープなフォルムが出せるようになってきました。また,粘土をいったん粘土板に強くこすり付けて薄くのばし,それをくるくると巻き取ったあと形を整えてバラの花のような形にしている子もいます。これまでの経験と,新しく身につけた力をフル活用して子どもたちは自分の思いをクッキーとして実現していきます。

 できあがったクッキーは,自分で準備した箱に並べられていきます。箱の底にはシュレッダーで細く切った紙を敷いている子もいます。

 活動の終わりに,みんなで鑑賞会をしました。視点を確認した後,箱の中をのぞき込みながら気付いたことや感じたことなどを伝え合います。
 おもしろいのは,活動が終わり自分たちの作品をロッカーの上に置きに行ったときです。よく起こることなのですが,実はこのときの方が意見交流が活発になります。今回もそうでした。
「うわ,ちょっとちょっとこれ見てみ。こんなつぶつぶようつくったよなあ。」
「おっきー。これ食べたらおなかいっぱいになるなあ。」
「何色あるんやろ,このクッキー。食べるのもったいないなあ。」

 授業がいったん終わった開放感や,子どもたちの目線の高さにあるロッカーがいいのかもしれません。

 とにかくおもいおもいのクッキーがたくさんできあがり,子どもたちも満足そうでした。ロマンチックでドラマチックな3時間でした。
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耳垂るるうさぎ

7月12日(金)

 放課後,飼育委員会の登板の女の子がうさぎのお世話をしてくれていました。

 ラビットフードや給食室から出たにんじんのヘタをすくってえさ箱に入れたり,そうじをしたりと暑い中,一人であるにもかかわらず,ニコニコしながらしてくれていました。その丁寧さと愛情にこの子の人柄が見えたように思いました。

 うさぎの方もよくわかっているのか,うれしそうにわざと近寄ってこの子の手元にまとわりついたり,大本のえさ入れのものを食べようとのぞき込んだりと,まるで仲のいい友だち同士のようにじゃれ合っていました。

 「兎も片耳垂るる大暑かな」
 これは芥川龍之介の句です。明らかな字足らずや,冬の季語である「うさぎ」と逆の「大暑」の混在から,評価がいまいちなんだそうですが,このうさぎが「あっつー。」とげんなりしている様子が目に浮かび,かわいい感じがうさぎびいきの私には気に入っています。

 1年のうちで、最も暑い時期といわれる今年の大暑は23日(火)の前期前半終了の日です。

 今日の飼育委員の女の子がこのうさぎのお世話をしていたら,きっと「片耳垂るる」こともなかったんじゃないかなと思います。

 うさぎ好きには素敵な人が多いのです。

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紫陽花色はナニイロ

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6月21日(金)

 今日も朝から雨でした。

 本校のフラワーロードの南側にはたくさんの紫陽花がずらっとならんでいます。
 続く雨で元気を取り戻し,ピークを迎えているたくさんの花々も今日は一段と色が冴えているようです。

 紫陽花の名前は藍色の花が集まるという意味の「あづさあい(集真藍)」が変化したものとする説もあるそうですが,植わっている土壌の違いで藍ではなく赤っぽい色にもなる色の七変化は有名な話です。

 属名のハイドランジアはギリシャ語で「水の器」や「水がめ」の意味だそうです。これはアジサイが根から非常に水をよく吸うからとか,果実の形が水がめの形に似ているからなど諸説があるようではっきりしません。語源に関わる諸説も「七変化」のようです。

 紫陽花が好きで大切に育てている方には今年は花がたくさん付くか付かないかというのは重大な問題です。とても巧みに挿木をして,株を増やす達人もおられます。

 本校の紫陽花はホンアジサイとガクアジサイが交互に植わっていて,少し残念なのはカシワバアジサイがなさそうなことです。

梅雨空スイミー∞(むげんだい)

6月19日(水)

 久しぶりの梅雨らしいまとまった雨になりました。

 雨降りの放課後,黒いペンで塗っている先生とそれを切り抜いている先生,そして2人を見守る先生を職員室で見かけました。

 見るなり,それが国語科の学習に登場する「スイミー」だとすぐにわかりました。授業中に黒板に提示したり,棒に付けて動かしたりする用のおなじみの教材です。

 しばらく眺めながら最後に写真を撮ったのですが,特に色塗をしていた先生は終始笑顔で,塗っていることが楽しくて仕方がないといった感じです。これを提示することで「子どもたちが効果的に学習できる」ということが1番の目的でしょう。でも案外先生はそれよりも,「うわー,スイミーがやってきたあ。」「先生がつくってくれたの。」と楽しそうに喜んでくれる子どもたちの笑顔を想像しているのが楽しい要因ではないでしょうか。

 ところで,この「スイミー」はご存じレオ・レオニの作品(1963)です。版画の手法を駆使した,透明感あるイラストに懐かしさを覚える方も多いのではないでしょうか。この頃のレオニ氏の作品は,もはやグラフィックデザイナーを通り過ぎ,思想家としての表現に達していたとも言われています。

 色塗り中の先生が「以前,黒い色画用紙でつくったことがあるんだけど,それだとなんか物足りなくて・・・,やっぱり色塗りの跡が残っていないと味気ないんです。」

 2年生の子どもたちであれば,先生がわざわざ遠回りをしてつくった足跡と愛情を感じる子どもも少なからずいるはずです。

 この先生たちも子どもたちを学習に導くアーチストになるのかもしれません。




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トキワノ ソラ グラデーション

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5月8日(水)

 今日は一日中よい天気で,子どもたちも元気に外遊びをすることができました。

 お世話になった家庭訪問も一応今日で終了です。職員室に戻った担任の先生たちも少しリラックスムードでした。

 夕方,北門からふと空を見上げると,とてもきれいな夕焼け色が広がっていました。青空色から夕焼け色までの淡い水彩絵の具のようなグラデーションです。
 
 日の出から日暮れまで働いていた時代とは今は違うかもしれませんが,これを眺めると何となくほっとします。近現代の人たちにも,染みこんでいるなにかがあるのかもしれません。

 ところで夕焼けといえば,なんとなく秋をイメージしてしまうのですが俳句においては,「夕焼け」は「朝焼け」とともに夏の季語です。秋の夕暮れを詠みたいときはわざわざ「秋の夕焼け」としないとルール違反になるようです。

 秋の夕暮れもきれいなのですが,ときには少し寂しすぎることもあり,やっぱりこの季節がちょうどいいのかもしれません。

八面玲瓏(はちめんれいろう)の願いを込めて

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5月1日(水)

 今年度もこどもの日を前に本校フラワーロードの上空に鯉のぼりを設置しました。

 大空高く揚った三匹の鯉たちは,きれいな空とほどよい風の中で気持ちよさそうに泳ぎ出しました。

 本校の子どもたちもすこやかに「玉のように美しく輝くさま。澄みきって美しいさま。」成長してほしいと思います。

万葉の雨と花と家庭訪問

4月30日(火)

 快晴から一転,連休明けの今日は降ったりやんだりのすっきりしない空模様でした。

 暑かったのか,ビオトープの植物たちには恵みの雨だったようで,潤いを増した花たちが曇り空の色とは対照的に,いっそう冴えて見えました。

 古の雨の風景に万葉集の中でこんなやりとりがあるようです。
 「雷神(なるかみ)の 少し響(とよ)みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ」 訳:「雷が鳴って雲が広がり雨が降ってくれたら,帰ろうとしているあなたをきっと引き止められるのになあ」
 これへの返事は,
 「雷神(なるかみ)の 少し響(とよ)みて 降らずとも われは留らむ 妹し留めば」
 訳:雷が鳴らなくても雨が降らなくても,君が引き止めてくれたなら僕はここにいますよ。

 言い回しがかわいくて,なかなか素敵だと思われませんか。

 襟を飾る今日の担任の先生にとっては今日の雨は残念なものでした。なぜなら今日から家庭訪問が始まるのです。「待たせてはいけない」「せっかくのスーツが」「自転車でまわろうと思っていたのに」

 担任の先生は万葉集のような趣をはさておき,決めた時刻を守るために雨にも負けずがんばっています。
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散りぬる風の なごりには

 常磐野小学校の一員となり,ひと月が過ぎようとしています。
 本校は大きな通りに面していながらも,校内や周辺にはたくさんの自然がありこの季節はどこを眺めても美しいものが目にとびこんできます。

 つい先日まで咲き誇っていた桜も,記録的な低気圧の風であえなく散ってしまいました。もう少し楽しみたかったのですが,こればかりは仕方がありません。

 タイトルの言葉は古今和歌集から紀貫之の89番からです。
 正確には
「桜花 散りぬる風の なごりには 水なき空に 波ぞ立ちける」
(訳)
「桜を散らす風が吹き,その後には花びらのすじが波のようにして残っていました。」

 紀貫之は女性的でこまやかな心の揺れを巧みに表現する歌人だったと言われています。花がよく登場することでも有名な歌人です。

 このブログでは,本校の「うつくしきもの」「うつくしきこと」を中心に紹介させていただきたいと思います。


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虹色 Prism

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 最初はなんとなく,常磐野の子どもたちの全体の雰囲気しかわからず,どう声をかけていいやら戸惑っていたのですが,顔を覚えてくれた子も増えて,こちらもずいぶん声をかけやすくなった気がします。それにともなって,少しずつひとりひとりのカラーも見えてきた気がして,いろんな子と関わりをもつことが,楽しい毎日です。

 目で見えにくい光をプリズムを通すことでそれぞれの色が見えてくるように,はやくひとりひとりの色を見つけたいと思っています。

 どうぞよろしくお願いします。




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