最新更新日:2024/09/27 | |
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平成27年度 SSH生徒研究発表会
〇はじめに
全国SSH校の生徒が年に1度,日頃の研究成果を競うSSH生徒研究発表会(8/5-6,インテックス大阪)に,今年も本校自然科学部の2年生3名が参加してきました。今年は例年の開催地(横浜)から離れ,大阪での開催でした。 ●1日目(8/4) 発表会前日を準備日として,8/4午後からの出発となりました。大阪は近いとはいえ,普段の生活の場から離れ2泊3日での研究発表会です。この日は下見・ポスター掲示などの準備を整え,他校生徒の熱気を感じつつ,会場を後にしました。 今年本校から選ばれた研究は宇宙に関するものです。タイトルは「太陽風が小惑星の宇宙風化に及ぼす影響」。参加した3人の生徒は自然科学部員として1年生より,さまざまな科学に対する興味を培ってきましたが,このテーマは1人の生徒が個人研究として,探究を深めた内容です。その日の夜は宿泊先の大阪市内のビジネスホテルで3人全員が納得いくまで発表の練習をしました。 ●2日目(8/5) いよいよSSH生徒研究発表会の開幕です。9:00より全体会でのあいさつの後,東京理科大学の藤嶋学長から「研究は楽しい!先人の科学者に学びつつ,身の回りの現象をヒントに新しい科学を作っていこう」と題する講演があり,自然を素直に感じとる科学者の感受性がいかに大切か,ファラデーなどを例に紹介されました。全員,理系を志すものとして,初心に帰りつつ深く感じ入りました。 10:30より,いよいよポスター発表の審査が始まりました。今回の研究は,数か月前より,探究基礎の授業や部活の時間を利用して,構想し,計画を立ててきましたが,梅雨の期間は実際の天体観測ができず,じれったい思いをしました。7月に入り,京都大学宇宙物理学教室の学生さんの協力もあり,ようやく研究が仕上がりました。この間,思うようにデータが取れなかったり,取れてもデータの解釈に苦闘をしたり,悲喜こもごもの研究生活を送ってきました。学校に宿泊して観測したことも2度ありました。その思いを十分にぶつけるつもりで,3人で気迫のこもった力強いポスター発表を行いました。 午後からの発表は,一般参加者に向けたもので,堀川高校から日帰りの貸切バスで発表会に参加した仲間たち(生徒35名,教員13名)とともに,できるだけ多くの聴衆に聞いてもらえるように努力しました。 ●3日目(8/6) 発表会の最終日は,代表校の口頭発表とポスター発表,表彰式がありました。発表当番年度校から選抜された代表校5校の発表はそれなりに優れ,興味深いものでありました。特に文部科学大臣賞を受けた熊本の宇土中・高校の発表は凸レンズの「副実像」という,写真やレンズという身近なものの中にありながら,誰もが見過ごしていた不思議な現象について数理的に解き明かす,優れたものでした。 本校のポスター発表は入賞には至りませんでしたが,取得したデータの解釈を何度も練り直し,最終的には「S型小惑星は,風化する前は青かった」という,ちょっと大胆な仮説を導きました。(詳しくお知りになりたい方は,堀川高校の文化祭9/5・6で自然科学部の会場にお越しください。) 生徒たちはこの研究で,未知の宇宙の一端にチャレンジする醍醐味を味わったことと思います。それを部活のみんなや,参加した生徒たちと共有できたことにも大きな意味があったと考えています。ご協力いただいた皆様,本当にありがとうございました。 第2回探究道場「本当の姿が見えていますか?」が実施されました
堀川高校では,年4回スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の成果を生かした「探究道場」を中学生対象に行っています。
本年度2回目の今回は7月18日,「本当の姿が見えていますか?」をテーマに行いました。活動の目的は新たな「錯視」の作成。「錯視(さくし)」とは自分の目で見ている情報が,脳の中で正しく認識されていない状態のことをいいます。まず,師範から典型的な「錯視」の紹介を受けた後,各グループにプリントで配られた数種類の「錯視」の中から,どういう場合に錯視が生じるのか,仮説を立てて,その決まりを見つけ出す活動を行いました。 ここで重要なのは,自分でも例にならって「錯視」を描いてみることです。各自が「錯視」を描くことで,立てた仮説が正しいかどうかの検証を行います。手を動かすことで決まりを絞り込んでいくことができます。これは自然科学ではとても大事な活動で,中間発表では各グループが見つけた決まりに関する情報を交流し,後半の活動に活かしました。 後半の活動のテーマは「先に見つけた決まりに従った錯視をつくる,但し,プリントにある錯視と似ていないもの」。最後に行うコンテストに向けた「錯視」の作成を行いました。 各自が各グループの発表を参考にしながら,「錯視」の見える図を作成します。作成した図はさらにグループ内で見せ合うことで探究を深めつつ,グループで一つを選び,その図に名をつけました。 最後にいよいよ,各グループの代表が作った「錯視」とその特徴を発表しました。 各グループの活動では ・遠近法を意識したもの・動的な効果を狙ったもの・明暗だけでなく色の違いによるものなどの決まりが見つかりました。どうやら「錯視」は一つの決まりだけでできるものではなさそうです。グル―プが互いに投票して選んだ優秀な「錯視」は,多くの工夫がなされており,発表時には,参加者から大きな歓声が起こりました。 師範によるまとめでは,壁のでっぱりや壁の引っ込みが見える風景を提示され,中学生の気づきを促しました。参加者のアンケートでは「いままでは面白がるだけだった錯視の原理を本気で考えた。」「常識を疑うことの大切さがわかった」「完全な答えがないことを考えることがこんなに楽しいとは知らなかった」など,まさに探究活動そのものを楽しんでくれていることがわかりました。 次回の探究道場(10/24)においては身近なところにある数学(数字)がテーマです。 |
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