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最新更新日:2024/07/26 |
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平成30年度 第39回卒業式 式辞![]() 風光る3月を迎え、鴨川の明るい水音が学び舎にとどく今日の佳き日、3年生の巣立ちの日となりました。 本日、京都市教育委員会をはじめ、PTA役員の皆様、並びに平素よりご支援をいただいております美工交友会、京都パレスライオンズクラブ、銅駝自治連合会よりお越しくださいましたご来賓の皆様、そして多数の保護者の皆様のご臨席を賜り、第39回京都市立銅駝美術工芸高等学校卒業式を挙行できますことを、心より感謝し、教職員を代表いたしましてお礼申し上げます。 先ほど87名の生徒の皆さんに、卒業証書を授与いたしました。卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。美術専門高校での3年間の学びを全うし、ここに晴れて卒業の日を迎えられたこと、心よりお祝いいたします。 保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。お子様は本校で確かな力を身に着けられ、立派に成長されました。この3年間、本校の教育活動に深いご理解と温かいご協力を賜りましたこと、高い所からではございますが厚くお礼申し上げます。 さて卒業生の皆さん。皆さんは明治13年、1880年に創立された京都府画学校以来139年の歴史と伝統をもつ美術学校の卒業生として、社会に巣立ちます。その誇りと大きな志をもって、それぞれの新しい道を歩み始めてください。 卒業される皆さんに2つのお話をします。皆さんと過ごした月日を思い返すと、私はまず1年生の時の美術見学旅行のことが思い出されます。倉敷の大原美術館、豊島や犬島、直島のアート作品を皆さんがじっと動かず鑑賞しスケッチをする姿、作品から発せられるメッセージを体中で受けとめようとしている姿に心を動かされました。美術専門高校で学ぶ生徒はこれほどまでしっかり美術作品と対面し、対話できるのだと感心しました。瀬戸内海の島々を舞台に2010年から開催されてきた瀬戸内国際芸術祭のテーマは「海の復権」。太古の時代より人々や文化・物資の交通路であり、人間の生活・生命を支えてきた瀬戸内海は、近代以降、産業開発優先による環境破壊やハンセン病の隔離政策、過疎高齢化による地域力の衰退、海の価値の喪失という課題を抱えてきました。芸術祭は、海・島・人に焦点をあて、島それぞれの個性を大切にしながら、アートの力で課題にアプローチし、展望を切り拓く取り組みでした。芸術祭は3年に一度の開催。しかし芸術祭が開催されない年も、今やアートの力が地域にとってなくてはならない基盤となっており、芸術祭の総合ディレクターを務めた北川フラムさんは、アートが「島の灯台」として機能し始めていると述べています。アートが個人の自己表現に留まらず、傷ついたものを癒やし、閉ざされていたものを解放し、失われていくものを復活させて新たな息吹を起こす。そのような、アートが「社会の灯台」となるように、皆さんがそれぞれの新しいステージで実践していってくれることを期待しています。 2つ目の話。自動車メーカー・マツダで、デザイン部門担当していた前田育男氏の著書『デザインが日本を変える』には、2016年ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー賞、デザイン部門賞をタブル受賞した自動車の開発に至る過程が書かれています。それまでマツダでは、デザイン本部と車体の技術製作部門との接点がないシステムでしたが、この時は、デザイナー、エンジニア、生産担当者など各部門のスペシャリストが最初の段階からチームを作って、開発、生産にあたる仕組みに変更したそうです。「理想をつくるために現実を変える」という思考の転換により、閉じていた各部門が共に創る「共創」を生み出したのです。そして近年マツダでは、新潟県燕市の銅器づくりの職人や広島県の漆芸家とのコラボレーションを行っているそうです。最先端の科学技術を結集させた自動車の開発にあたり、一見遠く離れた存在に思われがちな伝統的な日本の美、日本のモノづくりに注目したのです。多くのものの自動化が進む中、「職人たちはモノとの対話をどのように進めているのか」「意識の高い職人と交流を持つことで、自分たちも簡単に車のデザインを作ってはいけない、もっととことんまで魂を込めないと人の心を動かす作品など作れない」そんな心構えで、世界で高く評価される自動車を開発したのです。戦前の物理学者・随筆家の寺田寅彦は、「科学者と芸術家の生命とするところは創作である。他人の芸術の模倣は自分の芸術でないと同様に、他人の研究を繰り返すのみでは科学者の研究ではない。」また、「観察力が科学者・芸術家に必要なことはもちろんであるが、これと同じように創造力も両者に必要なものである」と述べ、相容れないもののように思われている「科学者と芸術家」に、実は共通点があると指摘しています。科学と芸術、最先端技術と伝統の美、このような異なるもの、離れているものに接点を見つけ、対話し協働することで新たな可能性が生まれるのです。アートは、自分だけの閉ざされた世界ではありません。今後ますます人工知能AIが発達し、予測不可能な時代になると言われていますが、アートを学んできた皆さんは、常に問いを持ち、人と対話し、人と協働して社会的課題に向き合ってください。そして、社会から課題というボールを投げられた時にキャッチできる、さらに社会に課題というボールを投げられるような人になってください。 今年4回目の「瀬戸内国際芸術祭」が開催されます。公式サイトには「この先地球上に人が生きること、展望を持つこと」を考え、「瀬戸内海が地球上のすべての地域の『希望の海』となることを目指す」と書かれています。地図で見れば海の中に散在している島々。皆さんと一緒にアートの島を訪問した私は、海によって島と島とが離れ離れになっているのではなく、海が、そしてアートが島と島との繋がりをつくっている、という感覚をもちました。離れているものはそのまま孤立しているのではなく、アートの視点や力によって、独自性をもったままつながることができ、そこに新たな価値や魅力が生まれる。アートに未来が託されていることを私たちは忘れてはなりません。 いよいよお別れです。個性を認め合い、切磋琢磨しながら学びと制作を重ね、立派に成長した皆さんは、本校の誇りです。卒業後、離れ離れになっても、皆さんは瀬戸内の個性ある島々のようにアートによってつながっています。銅駝から巣立つ皆さんが、多様性を大切にしながら異なるものの間に新たなつながり、可能性を創り出す担い手として、地域で、日本で、そして世界で自分らしく希望をもって活躍してくれることを心より期待し、式辞といたします。 平成31年3月1日 京都市立銅駝美術工芸高等学校長 吉 田 功 月刊『京都』2月号の「思い出の場所をたどる」のコーナーに本校教員が登場![]() ![]() 月刊『京都』という雑誌の「思い出をたどる」のコーナーに、本校の梅林敬藏教諭が「京都の美に癒やされた若い日々」というタイトルで書いた文章が掲載されています。京都で育ち、京都で美と出会い、京都の高校で美術の教員として歩んできたこれまでを振り返った内容です。 10年目研修教員 校内で研究成果の発表![]() ![]() 今年度、本校では2名の教員が採用10年目研修の対象者でした。課題研究は、教科指導に関する調査、検証、研究、実践について、レポートにまとめるとともに市立高校対象者全体の発表会があり、2月の上旬に発表会がありました。 本校では、その研究成果を校内の教職員にも還元するため、27日その校内発表の機会を設けました。今回はまず国語科、武 教諭の「内省を通じて自己理解を深め、自主的に学ぶ生徒を育てる」というテーマの研究発表でした。 あと1名の発表は、次回に設定しています。 紅梅 白梅![]() 今、グラウンド鴨川寄りに「紅梅」、校舎寄りに「白梅」が咲いています。 今週金曜日は、もう3月。3月1日に第39回卒業式を挙行いたします。今週後半、天気が下り坂の予報。卒業式は穏やかな好天であってほしいと願っています、 ![]() 玄関ショーウィンドウ 展示所蔵作品が変わりました。![]() 本校が京都府画学校として創立した当時に活躍した作家の作品も展示しています。 ●今回の展示作品 日本画 今尾景年 艸花写生帳 日本画 幸野楳嶺 嶺写生巻 彫刻 高橋慎吾 青年像 彫刻 藤庭賢一 魔術師の変貌−99 漆芸 真鍋光男 キンマ彫寒ぼけ八角盆 陶芸 永楽和全 赤絵本 陶芸 鈴木 清 赤絵梅扁壷 本校生徒の選挙啓発に向けた黒板アートが大きな壁面シートに! 3月中旬より市役所前に登場![]() この黒板アートは、生徒有志が、2月9日〜11日までの3日間、本校教室の黒板を使って制作しました。生徒は、18歳選挙権を意識しながら若者への選挙啓発を大切なテーマとしてイラストを考えました。 ・掲示期間(予定) 3月11日(月)〜4月7日(日) ・掲示場所 京都市役所前広場工事仮囲い(御池通側) ・規格 縦約2.5メートル×横約10メートル 写真上 完成予想 下 黒板アート制作の様子 ![]() 23日(土)御所東小学校の小学生と本校生徒がワークショップ「ショートムービーをつくろう!」![]() ![]() ![]() 23日(土)午後、本校を会場に、地元の御所東小学校コミュニティ委員会主催「ショートムービーをつくろう!」で開催されました。 この企画は、コミュニティ委員会の皆様と本校教員とで小学生と高校生が交流しながら、楽しい制作活動をすりうワークショップをしてみようと準備を進めてきた企画です。 今回のプログラムは、小学生が考えた様々な動きを写真に撮りその画像をつないで楽しいショートムービーを制作するという内容です。小学生を6グループに分け、本校ボランティアスタッフの生徒が2名ずつサポートに入りました。いざ、活動開始となると、小学生は廊下や、階段、体育館、グラウンドなど思い思いの場所でどんどん動き出し撮影し始めました。動画に編集した後、参加した全員で楽しく上映会をしました。 コミュニティ委員会の役員の皆様、保護者の皆様、そして御所東小学校の校長先生をはじめ諸先生方も来てくださいました。 本校生徒にとっても地域とつながり、小学生とワークショップをできたことで貴重な学びの機会となりました。 22日(金)京都パレスライオンズクラブ主催「ヨーロッパ美術研修旅行派遣代表生徒・引率教員壮行会」![]() ![]() ![]() 22日(金)には、京都パレスライオンズクラブ様が、派遣代表生徒3名と引率教員の壮行会を開催してくださいました。壮行会には校長、京都市教育委員会学校指導課辰巳敏秀担当課長もご招待いただき、列席しました。 このヨーロッパ美術研修旅行は、1997年3月から京都パレスライオンズクラブ様から費用を支援していただき実施している教育活動で、今年で23回目の派遣となります。高校生の時期に海外の美術館で作品に出会い、多くの美術作家を輩出した都市を訪問することは大変貴重な機会であり、代表生徒自身の研修はもちろんのこと、帰国後本校生へその報告をすることで、学校全体の学びにしていきます。 壮行会では、齋藤重典会長から安全第一に素晴らしい研修をしてきてほしいと激励のお言葉をいただき、多くの会員の皆様からも温かい励ましをいただきました。 引率教員の挨拶の後、3名の生徒がそれぞれお礼の言葉と決意を述べました。また、それぞれの実習作品を持参し、作品紹介をさせていただきました。 ヨーロッパ美術研修の様子は、またこのホームページで紹介していきます。 写真 引率教員挨拶 代表生徒挨拶 生徒による作品紹介 本校生徒デザインのバス車内広告 バス運行の予定が決まりました! 3年アートフロンティアコースの課題研究「京都市交通局と連携した洛バスの車内広告」![]() ●京都市立銅駝美術工芸高等学校☓京都市交通局 市バス観光系統 車内アート 運行期間 2019年3月18日(月)〜 ・100号系統「アイドルプロデュース」 「君も今日から仏像推し」 ・101号系統「みたらし団子」 ・102号系統「三大祭」 ●お披露目式 日時:3月17日(日)14:00〜 場所:京都駅前広場(ホテルグランビア京都前) ![]() 生徒会主催「意見交流会」 報告書 玄関前に掲示![]() この行事は、1・2年生が学年を越えて、それぞれのテーマに分かれて話し合う催しです。今年度のテーマは、以下のようなものでした。 ・自分の将来、進路について ・画力向上策 絵がうまくなるためには? 作る時のこだわり 画材について ・美術の未来 社会との関わり AIが絵を描くこと ・サブカルチャーについて 漫画、ゲーム、アニメ、映画、音楽 ・好きな芸術家、作品 ・美術を始めたきっかけ 美術を初めて変わったこと ・専攻について 今の専攻、入りたい専攻 報告書には、意見交流会の様子と、議長団のまとめが書かれています。その一部を紹介します。 「学年や専攻を越えて話せる機会はとても大切だと思いました。同じ美術を分野にしている人でも意見が違ったり、新しい知識を得ることができ、すごく楽しかったです。将来の不安はそれぞれありましたが、それを越えた可能性やこれからの学びへの期待などポジティブになれるそんな交流の場になったのではないかと思いました。」 「議長団で必要な準備・役割分担をして臨んだので、達成感のある交流会になりました。私たちでは思いもつかなかった意見をたくさん出してもらえたことで話し合いが深まり、美術の未来がどうなるかを真剣に考えられました。」 当日の様子は、このホームページの1月23日付け記事に掲載しています。 こちらから→https://cms.edu.city.kyoto.jp/weblog/index.php?... |
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