最新更新日:2024/09/20 | |
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惜別
米田貞一郎先生が,とうとう逝かれた。いつかは,と覚悟していたが,喪失感ははかりしれない。わたしどもにとって,米田先生ははるか高みにあって自ずと光を発する導きの星だった。会えるかどうか微妙だった亡くなられる一週間前,扉の向こうに,先生がいると思ったら,心臓が早鐘のように打ったことを覚えている。おそるおそるドアをノックした。ご家族の方が少し待ってほしいとおっしゃった。しばらして入室を許可していただいた先に,何と着替えられて車いすにわざわざ座られた矍鑠たる先生がそこにおられた。筆談ではあったが,学校,生徒,教職員のことを最後まで気にかけてくださった。別れ際に握ってくださった手の力強さに驚き,またお会いできるものと思った。
米田先生はもうこの世にいない。このひとが同時代に生きていてくれてよかった,と心から思える。 米田貞一郎先生。校長ということばはこの人のためにある,と思える。どんな主義主張にも拠らず,とことん生徒目線で教育と学校経営を考えぬかれた。 学校長 恩田 徹 写真は米田先生の100歳の誕生日での雄姿と101歳の誕生日を祝って書いていただいた「絆」の本校玄関前の石碑 「楽する」と「楽しむ」は違う
次期学習指導要領の方向性には「探究」が満載で少し面映ゆくなってしまいます。業界用語のように「元祖」「本家」などと名乗るのも品がないなと思っています。アクティブラーニングであれ,探究活動であれ,楽をして,よくわかることばかりを望んでいませんか。あなたご自身はどうですか。できるだけわかりやすく教えてくれる先生ばかり望んでいませんか。
「わからなかったらわかるまで考えなさい」 「わからなかったら自分で調べるという努力をしなさい」 「わからなかったら前に習ったことを忘れていないか,復習してみなさい」 学習成果という観点から見てみると,大きくはつぎの4つのタイプに分かれます。 (1)実力もあり運もあり,いつも満足のいく成果を得る人。 (2)特別な努力をしている様子はないけれども,なぜか結果を出す人。 (3)努力はするけれども,なかなか報われない人。 (4)やる気に乏しく,結果も出せない人。 いちばん多い答えが(3)ではないでしょうか。「けっしてやる気がないわけじゃない。能力が低いわけでもない。何かきっかけがあれば・・・」と思っていますよね。わたしたちが自分自身どんなときにいちばんやる気が出て,本気でがんばることができるか。それはまぎれもなく「なるほど,こうすればいいのか」 「なんだ,こんなことだったのか」と,その解決方法がはっきりとわかったとき。何か壁に当たったときにどうしたらいいかわからずに,「私ってダメな人間なのかも・・・」とずっと悩んできたかもしれません。 勉強においても自立しないといけません。そして孤立してはいけません。つまづきの事例と原因を声に出して他人に話しましょう。困っていることをため込まず話題にして面白がる能動性と協働性が欲しいのです。 大人はもっと悲惨ですよ。8割の人が目的を持って生きるのを面倒と考えています。理由のNo.1は,容易に目的は達成されないから。失敗をして悔しい思いをするより、流されて生きるのが楽だからであるといわれています。そして,残りの2割の人も失敗の中で苦しんでいます。どちらが人生を楽しくするかは、その人次第ですが,人より一歩前に出る相対評価ではなく、面白がって自分が楽しめたかという絶対評価に対して満足すべきだと思って,決して孤立することなく,踠こうではありませんか。 校長 恩田 徹 |
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