京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/05/26
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平成27年度卒業式

 3月1日(火)午前10時から,本校アリーナにて,第68回卒業証書授与式を挙行いたしました。
 うっすらと雪化粧した凛とした朝。普通科82名,人間探究科45名,自然探究科112名の卒業式です。
 ご多用の中ご臨席くださった関係各位をはじめ,本校を支え,応援して下さる皆さまに心より感謝申し上げまして,式辞の概要をお伝えします。

 音の15期生は対話の15期生だったとも言えます。対話は,他者との対話はもちろん,自分との対話,知識と知識の協働,そして自己変革,そして独り立ちへとつづく作法です。

 他者との対話について
 地位や年齢が上の人に対して礼儀を重んじることは,わが国に限らず世界中のどの社会でも見られる行動です。わが国の社会の特色の一つは,序列という基準があらゆる人間関係に優先されがちだということです。たとえば,インドではカーストによる身分差が制度として存在しますが,場面によってはほかの規準が機能する社会です。わが国は身分差が制度としてはないのに常に序列意識が支配している社会といえます。序列が上の人に対する反論はなるだけ慎むべきだとされています。しかし,仕事や学問など実力がモノを言う場面では,地位や年齢に関係なく,誰でも堂々と意見を述べるべきです。合格5箇条の「生意気であれ」を他者との対話においても品位をもって,これからの実力がモノを言う場面で是非発揮していただきたい。

 自分との対話について
 目標は「追い続けるもの」ものです。初めはあっても終わりがないプロセスであって欲しいということです。一つ目標を達成したらいち早く次の目標に向かう,あるいは同時並行で複数の目標を追いつづける目標型人間であってほしいということです。燃え尽きないための最善の方法は,誰からの指示も命令も必要とせずに自ら目標に向かってダイナミックに挑戦している人はごく少数です。そのような人を目指すか,そのような人を友人に探すかです。他人は環境を変える存在であるべきですが,環境により影響も受ける存在です。お付き合いする相手というのは,環境という意味でもあります。セルバンデスはキホーテの言葉を借りて,「お前が誰と付き合っているか言ってくれれば,お前がだれか当てて見せる」と時代の変化を語っております。マネージャーと違ってリーダーはビジョンと目標と戦略の方向性のマネジメントの資質・能力にくわえて,逃げず,隠さず,誤魔化さない胆力,リスクテイカーとして胆識のあるものとして,変化への対応力が必要です。信頼,尊敬,情熱のマインドを伴う「影響力」,つまり,喜んでとまでは言わないにしても,納得して我慢してでもついていく,「ウィリング・フォロワー」を必要とします。そういった目で選挙はもちろん,リーダーシップについても自分自身の資質を向上させる視点で自分と対話してください。

 知識と知識の協働,知識と知識の対話,学問や科学との対話について
 自己変革,独りだち,自立に向けた社会や世界との対話,についてです。昨年は「ルーティン」という言葉がブレイクしました。「習慣」と受け取ってしまうと,朝起きて,顔を洗って歯磨きをする,そのユニークな仕草や癖の次元に収まってしまいます。しかし「習慣は第二の自然である”habit is second nature”」の習慣”habit”となると,経験や体験が反復することによって自分自身に定着し,人格の一部を構成するものとなります。君たちは常識を知り,常識を疑い,探究することを通して「考え抜く」の作法を身につけました。自分自身の内なる探究心を作法として外面からも支える術を学びました。堀川の小さな社会で身につけた探究の立ち居振る舞いを大きな世界に入る段取りとして,社会と折り合いをつける習慣として「考え,疑う」振る舞いが皆さんのルーティーンであって欲しいと思います。さらに,「考え,疑う」に留まらず「感じる力」も鍛えてください。感じる力など鍛えようがないという考えもあるかもしれませんが,恩や義理や愛など情念もまた,自然に身に付くものではありません。情もまた何度も経験と体験を重ね,訓練され,場合によっては傷つくことで身につけていくものです。「考え,疑う」と同意に,能動的に「感じる力」をもって,他人が背負いきれない想定外を引き受ける人になって欲しいと願います。人生は想定外に翻弄されます。予想もしていなかったことが思いがけない時に待ち受けたりします。本質は一般的なものですが,偶然性は個別的です。哲学用語としての偶然性には「縁」も含まれます。人として生まれてきたこと自体もこれかなと思います。人生が初めから決まっているのであれば,私はこの世に生まれてくる必要はないのではないかと感じます。人生は出来レースであっていいはずはありません。チャレンジしてみないとわからないことを目標にしてこそ人生は生きるに値すると思います。威張るな,傲るなhorikawas。さらなる自立に向けて,音と対話の15期生の旅立ちを祈ります。

平成28年3月1日 第68回卒業式
京都市立堀川高等学校長 恩田 徹


 写真上:卒業式全体の様子
 写真中:卒業証書授与
 写真下:PTA会長祝辞

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不合格と不可能は違う

 この度は本校の前期選抜にチャレンジしてくださり,本当にありがとうございました。不合格だった方には,本校説明会で熱心に目と耳を傾けてくださった姿,今日までの君やご家族の皆さんの努力に思いをめぐらし,悪い結果をお伝えすることとなりました。ここで気持ちを切り替えて頑張る努力は必ずあなた自身の大きな財産として花開く日が来ることを確信しています。ここから立ち上がってこれまで以上の反骨魂で,中期選抜で素晴らしい高校生活を勝ち取られることを祈念しています。難関と噂されていますので,不合格を覚悟されていた人は多かったと思いますが,現実となるとやはりショックだと思います。済んだことは仕方がありませんので,これから受ける中期選抜の対策に万全を尽くそうと声をかけさせていただきたいと思います。
 みなさんががんばったことは保護者の方や中学校の先生方がいちばんよく知っておられますし,皆さん自身の悔しさも痛いほどわかっていただけると思います。「精いっぱい取り組むことにこそ意義があって,結果は運もあるし仕方がない」「転ぶことではなく,起き上がれないことが失敗なのです」
 今回の不合格だったことは気にせず,これからの中期選抜に全力を尽くしてください。
 合格された方も次の目標をすぐに設定して,反骨魂で中期まで頑張る仲間からリスペクトされる努力とふるまいをお願いします。
 すべての受検生の方に望むのは,高校受検で学ぶことを止めないでほしい,成長を自ら放棄しないでほしいということです。

学校長 恩田徹

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新年のご挨拶

大変遅くなりましたが,新年明けましておめでとうございます。

 遅くなりましたのは,新年のご挨拶をセンター試験前日の1月15日(金)に行われます「センター試験激励会」をそのタイミングとさせていただきたかったからでございます。もっともその趣旨に則れば元旦はすべての結果が出る3月下旬ということになるかもしれません。3年生であります15期生諸君に対しては,私は校長として,一昨年の4月に出会い,学年の言葉「音」や「存在を奏でる」など高度に探究的な言葉とその成長への方向性について考える機会をいただきました。特に,「存在を奏でる」というテーマは私が従前の理解でありました「存在感の奏で」とは違って,高度に哲学的な方向性を持っていると思います。本校は「言葉」を大切に,それを手段としてあるいは目標を設定してトライ&エラーも学びと考えることを通して最高目標の「自立する18歳」に向かう学校です。15期生の諸君は,未開拓の分野と伝える難しさと向き合うことを通して,目指す生き方も探究してきました。すでに進路が決まった人もいますが,ここは15期生,音の学年一丸となって,最後まで団体戦で,学校行事をやりきる覚悟でチャレンジしてください。

 人間社会と文明の構築の道具として「言葉」を手にした人類が,それ以前に「音」を奏でることで宗教観を表現,共有してきたことも学習いたしました。言葉以前に音を創造していたわれわれ人類の知恵の源に敬意を表すると同時に「音」の学年が「言葉」を紡いでいく物語の重要なチャレンジの場に同席できることを誇りに思い,「有志竟成」という言葉を贈りました。竟という字は,音+人から成り,音を奉ずる人の形であるとされ,「ついに」という意味を持ちます。出典は范曄の編纂した後漢書の耿 弇伝,漢帝国が中絶して「新」の復古政策の混乱時に斉攻略など不可能だと思っていた劉秀,後漢の光武帝が,それを成し遂げた将軍,耿 弇を称賛して述べた言葉です。志を曲げることなく堅持していれば,必ず成し遂げられるということです。一見すると困難のようにみえても,固い信念を以て事に当れば遂には実現されるということ。この精神で目の前のことに集中して,「音」の諸君,一丸となって突破を目指そうではありませんか。そして,「空」も「葉」もさらに志高く探究していただきたい。本校を目指す中学生諸君も,諦めず,不安と困難に立ち向かってくださいね。本校では高みを目指せば,より困難と重圧がつきもの,これが当たり前ですから。不安や重圧そのものを取り除ける人は少ないと思います。どうかみなさん,恐れることがあったとしても,恐れることを怖れない。この精神で頑張りましょう。

校 長  恩田 徹




旗の色はエピナール(記号414B22)。物事を論理的に考え計画通りに実行する人。色言葉は洞察力、マネジメント力、行動力。 

写真は15期生激励会の様子です。
上:下級生の生徒がみんなで折った鶴を3年生に渡しています。
中:檀上の担任団からは温かいメッセージが3年生に送られました。
下:学校長による激励パフォーマンス。ギターの生演奏にあわせて高山先生が歌う「翼をください」。旗が上がり始めて、恩田校長が心をこめて語りかけます。          

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平成28年度堀川高校教員公募制度による募集要項

平成28年度京都市立堀川高等学校教員公募制度による募集要項です。

 詳しくは、こちらでご確認ください。
 
    ↓

 https://cms.edu.city.kyoto.jp/weblog/files/3006...

「学校説明会」

 校長の恩田です。
 高体連のサッカー専門部長として,第94回全国高等学校サッカー選手権大会京都大会の開催にあたり書かせていただいたご挨拶文を少しアレンジして今月の言葉とさせていただきます。
 勉強でも部活でも,いい指導といい環境に出会うと,早く上達します。しかしある程度上手になった後,なかなか伸びない原因の一つに「夢が小さすぎる」ことがあげられます。
 若者も大人も同じです。大きな夢を見て,一心不乱に努力する。そうすればチャンスが来た瞬間を感じることが出来ます。勉強でも,練習の中でも,ゲーム中でも,普段の生活の中でも,ここがチャンスと思ったらつかみかかることが大切です。夢が小さいとそれが見えなくなってしまう。あるいは見たくなくなるのです。恵まれた環境,破格の成功体験の本当に怖いものは「おごり」「怠慢」「妥協」「あきらめ」「油断」です。失敗しないことが目標になり,無難な結果しか出せなくなってしまいます。
 高校生が,社会の責任ある形成者として,自立して生きる力を,勉強や部活や様々な取組を通して,主体的に身につけようではありませんか。人は取組を通して成長します。緊張感にあふれた大舞台での経験は必ず財産となります。失敗を恐れず皆で高みを目指そうではありませんか。ここが勝負の場にあっても競争や闘争の場でしか得られない資質や能力,とりわけ仲間のための体を張ること,失敗や挫折を受け入れ,批判を傾聴する態度を身につける絶好の機会が本校のスタッフ活動の一つ「学校説明会」でした。未来を創造する若者の,そんなトライ&エラーを厳しく,そして温かく見守り,ご指導くだされば幸いです。


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「くちなし」

鏡に映る顔を見ながら 思った
もう 悪口をいうのは やめよう
私の口から出た ことばを
いちばん近くで 聞くのは
私の耳なのだから
‐星野富弘 『くちなし』−
(写真は「詩画集絵はがき」「鈴の鳴る道―花の詩画集」より)

校長の恩田です。阪急・大宮駅から地上に上がったところに咲く,くちなしの花を見て,思い返しながら書いております。私より一世代上の画集の作者で,元は中学校の体育の先生でもあった方が,クラブ活動の指導中に頸髄を損傷,手足の自由を失われ,口に筆をくわえて文や絵を書き始められました。その方の『花の詩画集』を通して,豊かなコミュニケーション力のためのメッセージを送らせていただきます。
文化祭のクラスリーダーや探究基礎委員会,学校説明会の活動が本格的に始まります。リーダーとして,単に強さだけで生きていくのは,善意であっても周りにとって迷惑な存在となる恐れがあります。グローバル社会で闘うチームづくりの理念として「強さと優しさ」を兼ね備えて,相手の気持ちや立場になって物事を見たり考えたりする,豊かな想像力を掲げたいと思います。思い通りにならないことがかえって正常な姿だと腹をくくり,チームのリーダーとして,メンバーを鼓舞するだけでなく,仲間のために体を張る優しさとタフさを持っていただきたいと期待します。

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そんなつもりじゃなかった症候群

 確信犯は別として,意図はなくとも人を傷つけ,場合によると事件に発展することは起こり得ることです。また,「中身が良ければ伝わる」「話せばわかる」は,今は昔と違って,言ったもん勝ちの方とも向き合っていかねばなりません。
トラブルに対して,「ダメなことダメ」という指導だけでは,思考停止となり,何も生まれてきません。また,目的も対象も曖昧なまま謝罪させることで問題解決を図るのはかえって遺恨を残します。私どもは「謝ること」「許すこと」をチャンスとしていきたいと思います。
 「うそ」と「おおげさ」はどう違うのか,「からかうこと」と「いじめること」に一線を引けるのか。「人を傷つけ」「迷惑をかける自分」を見つめることができて,さらに他者との議論ができる人権意識の高い,小さな社会で本校があり続けることを望んでいます。民主主義の根本は反対意見を封殺しないこと。「あなたの意見には反対だけれども,あなたが意見を表明することの権利は命がけで守る(ヴォルテール)こと」,です。
 対話や議論は異なる価値観を意図的に衝突させ,お互いに変わっていくことがゴールとなるのではないでしょうか。したがって,共感や違和感を覚えながら,粘り強くコミュニケーションを続ける力が,社会で生きていくためには必要だと私どもは考えております。学校は優しさに溢れた場でありながら,分かり合えないことや理不尽に溢れていることも知らせたいと思います。相手の気持ちがわからないのなら,「もし自分がその立場だったら,どう考えて,どう行動するか」「自分がどう変わるか」です。堀高生諸君,想像力を対話や議論に活かし,人権意識あふれた環境の醸成に一人一人が当事者意識を自覚し努力してください。

校 長  恩田 徹

上を向いて歩こう

今日も快晴で気持ちがいい。
太陽は元気を提供してくれる。

何かに、そっとよりそっていてほしいときがある。

そんなとき、しぜんと空を見上げている。
太陽が微笑んでいれば、こちらも微笑む。

昼間だけではなく、夜にも微笑がある。
月や星がいつも微笑んでいる。

夜は怖くない空間だ。
怖いと思うのは、見えないからではなく、きっと感じようとしないからだろう。

何かに、そっとよりそっていてほしいときがある。
東日本大震災を思うときも、しぜんと空を見上げている。


Benjamin Earl King 曰く、
「When the night has come, and the land is dark
 And the moon is the only light we will see
 No, I won't be afraid, oh, I won't be afraid
 Just as long as you stand, stand by me
 So darlin', darlin' stand by me
 Oh stand by me
 Oh stand, stand by me, stand by me」




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In a trance

あたたかい日が続いています。
ツツジの蕾も大きく花を開かせ、満開です。
と同時に、ハナミズキも元気です。

夢がひとつ叶うなら、いちど草木になってみたい。

ちっちゃな家の庭のユキヤナギなんて、風にゆられて気持ちよさそうだ。
古い屋敷の横にそびえる大きな楠なんて、守護神のようでたのもしい。
人目につかない名も知らぬ小さな花なんて、すべての世界を下から見上げられてうらやましい。
涼しそうな木陰のかたすみに細長い葉を垂らしている風知草なんて、ほんとうに優雅だ。

別世界に想いを馳せて、まどろむとき、そこにも生きるエナジーがある。




 オットー・ヴィルマン曰く
「人間は自己の運命を創造するのであって、これを迎えるものではない。」

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無常

桜ばかりに目がいきがち。
よく見ると、もうツツジの蕾が膨らんできている。

それぞれの生き方のまま。

温暖化の影響からか、日本の春と秋の個性が薄れてきていると言われることがある。
なるほど、確かにそう感じることがある。
でも、それは人間の評価。
ほかの生き物たちはどう評価しているのだろう。

ちょっと気になる。



マハトマ・ガンディー曰く「速度を上げるばかりが、人生ではない。」

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行事予定
3/26 PSTなし
3/28 離任式
京都市立堀川高等学校
〒604-8254
京都市中京区東堀川通錦小路上ル四坊堀川町622-2
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