京都市立学校・幼稚園
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6月3日(月)MBS放送 よんちゃんTV「ミルクボーイのおかんの代わりに学校行ってみました」(17:30頃)で本校が紹介されました! 「探究道場」第1回申込受付中。令和6年6月14日(金)17:00までです!

太陽系

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 5月の末,全国高等学校長協会総会・研究協議会が東京で開催されました。私は勿論初めての参加でしたが,堀川高校の「位置」というものと改めて向き合う2日間でした。多くの校長先生からの「堀川」へのお声がけを有難いと思う以上に,その重みをずっしり感じたというのが正確かもしれません。

 その会で元宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙飛行士,山崎直子さんのご講演を拝聴しました。演題は「宇宙・人・夢をつなぐ」。
 山崎さんがNASAの訓練中にもらったという通知表の話。通知表の評価のポイントは
1.自己管理。自分をコントロールすることに合わせて,仲間にどれだけヘルプが出せたか
2.リーダーシップ。個人の目標とチームのそれをすり合わせることができたか 
3.フォロアーシップ。チームの中で,人を支えることができないとリーダーにはなれない
4.訓練中に自分たちが置かれた状況の把握ができたか。メタ認知というものでしょうか。
この4つ。
 狭い宇宙船の中,いつ極限状態が訪れるかもしれない環境においてそれぞれのメンバーに必要な最も大切な力がこの4つなのでしょう。きっとどんなスケールの「社会」においても,その集団がよりよくあるために,一人一人が具えるべき力。

 6月に入って,市立高校の進路指導研究協議会主催のキャリア教育をテーマとした講演会が本能館で行われました。講師は前白河総合支援学校長 森脇勤先生,コーディネーターを前堀川高校校長 荒瀬克己教育企画監が務めてくださいました。
 企画監がまず,キャリア教育の「子どもの成長の連続の中で,社会的・職業的自立を支援していく」という大きな定義のご提示があり,森脇先生のキャリア教育を推進する意味のお話に。
 白河総合支援学校と堀川高校は,表層的な教育目標や課題は確かに異なっている。進路指導のあり方も一見異なっているように見える。しかし,生徒たちの成長の「節目」を教育的にマネージメントして竹のような「しなやか」な強さを形成していく学校の責務,生徒たちが持つべき「自己肯定感」は,通底するものだとストンと腹に落ちたように思いました。
 学校がこうありたいとぶれずに「意志」と「かたち」を持つこと,「学校という場に価値を生む仕掛けを」,「個人のものより組織としてのプライドの重要性」。日頃とても大切に考えているつもりのことも,明確に言語化してくださることは私たちにとって大きな刺激です。堀川でどのような具体的な取組や教員ひとりひとりの振る舞いに反映させていくか。体温をもったキャリア教育の実践。

 6日,先日の金環日食に続いて,金星の「太陽面通過」の紹介と,観測の呼びかけが地学の教員より。
 「我々が太陽系に住んでいるということを実感してもらえれば…」
 穏やかな口調ゆえに,余計にゾクッとするような意義付けのことばでした。
 これから堀川を巣立っていく生徒たちが住まう世界。私たち高校の教員が今想定できる規模や状況ではないでしょう。その時自分の属する集団の中で,たとえ太陽系という大きな枠組みの中でさえ,すっくと立つことのできる力。自負心。そして世界を正しく畏れる謙虚さも備えてほしい。

 翻って堀川高校の「位置」。全国規模で様々なご評価や期待を寄せていただいています。その声を傾聴して自己点検をすることはもちろんです。そして荒瀬前校長の大きなエネルギーを柱として今の形に創ってきた堀川を,今後どう繋げ,どのような発展形を見据えて創造していくのか,どこに何を発信していくのかということを真摯に考えていく必要性を痛感します。積極的に具体的に,遠くまで,広く見渡しての堀川の「位置」。

 生徒会執行部の生徒たちが,震災後に堀川が送ったメッセージ幕へのお礼にと仙台市立仙台高校からいただいたひまわりの種を玄関前で大切に育てています。

  向日葵は金の油を身にあびてゆらりと高し日のちひささよ   前田夕暮

 梅雨の水の恵みを得て,真夏のからりと晴れた空に,金色の向日葵が花を咲かせることをとても楽しみにしています。

(写真)本校自然科学部が撮影した金星の「太陽面通過」

                    ・・・  川浪 重治  ・・・

1回きり

 5月3日の憲法記念日に4期生たちと久しぶりに話をする機会がありました。
 今年大学院を卒業して、4月から経済産業省で働く卒業生は、
「日本の現状把握はもちろん、エネルギー問題や国際関係など様々なことが関係しているので、必死でそれらを勉強中です。学生のときとは勉強の目的と質が違いますね。働くことの大変さをつくづく感じます」。別の卒業生が、「みんなすごく頑張っているので、仲間を誇りに思います。私も自分の強みを知って、独創的な何かができたらいいなと思いますね。仕事や職場で悩んだら、いつでも堀川に駆け込みますから」と言ったので、私も「いつでもどうぞ」と答えました。  
 4期生は木を植えた学年、と荒瀬前校長から引き継いだ「堀川物語」で紹介しました。実際に卒業前の2月に、玄関前に百日紅の木を植えてくれました。
「あのときの木は、まだありますか?」
「毎年夏になると、赤と白の花を咲かせますよ。いつでも見に来てください」
「なかなか行く機会がなくて。またホームページでも紹介してください」
「了解です」

 5日、今年度で定年を迎える3期生学年主任の教員の「最終講義」を3期生の有志が企画し、3期生約40名が学校に集まりました。学校側との施設使用の折衝、チラシ作り、運営・司会、本校の教員をしている有志の一人の働きもあり、スムーズに進めていました。
 当日、「最終講義」に敬意を表しての「前座」に3名の卒業生が自分の現在についての発表を行いました。
 1人目は、他県の市役所に勤務する卒業生からの「農林行政にふれて」という発表。初任地の支所の窓口業務も政権交代を挟んで様々な新しい対応を迫られた具体例があげられました。そして昨年度から全く専門外の農業・森林に係る農政課に異動。一からの勉強ながら、都市近郊型の農業・森林の問題点に向き合う真摯な姿勢と、行政が何を支援していくかについて自分なりのビジョンをもっていることに感心しました。
 2人目は、「若手社員が考えるインターネットビジネスの行方」と題しての発表です。
 プレゼンテーションのスタイル―スライドの作り方やリズミカルな話口調―が、時代の先端を行く世界で活躍していることを感じさせてくれました。彼一流の知性とやさしさをベースにしたユーモアも健在でした。
 最後は、理学研究科博士課程に在籍の卒業生。「脱レアメタルを目指した有機合成」という学会発表レベルの専門的な話を、化学の素人にもわかるような工夫をふんだんに凝らして伝えてくれました。「難しいことを深い理解の裏付けをもって分かり易く伝える」、負うた子に教えられた感でした。「研究の秘訣は?」という質問に対して、「自分が考えた方法で、必ず期待する結果が得られると信じで研究に取り組むこと」という明快な答えが返ってきました。
 しばらくの休憩をはさんで、いよいよ学年主任の「最終講義」が始まりました。タイトルは「授業ってなんだろう?」。
 30年近く高校の教員を続けると、1年に実質30週あるとして約1万回以上の「授業」を行うことになる。その中でああいい授業ができた、と心底思えることはそんなに多くない。あれをやり残した、これも言えばよかったと思いは残る。しかし「授業」というものは教師にとっても、生徒にとってもその日その時間の1回きり。・・・と話は始まりました。
 重みのある厳しい言葉でした。1万分の1回と無意識に教壇に立つのか、これが1回きりと思って授業に臨むのか。
専門の「化学」の奥深さを卒業生たちに「今日1回きり」の思いを込めて存分に語る3期生学年主任に、温かな感謝の拍手と大きな花束が贈られました。

 そういえば、大学はいくつも卒業できますが、高校は普通は一つしか卒業しません。私たちは高校生の「1回きり」を託されています。生徒諸君の堀川での「1回きり」の高校生活をいかにサポートしていくのか、多くの卒業生からたくさんのヒントをもらったように感じられる数日でした。

写真:最終講義
                         ・・・ 川浪 重治 ・・・
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「花」

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 今年は4月初旬までひんやりとした日が続き、新学期に入ってからも長く桜を楽しむことができました。
 平成11年の校舎全面改築の折に、校門から玄関に至るスペースの左右に4本ずつ、8本の桜を植えました。当時は頼りなげであった幼木も、今ではなかなかの若木に育ち、豊かな花をつけるようになっています。職員玄関のすぐ前には、堀川高等女学校第27回卒業生(昭和13年3月卒業)の同窓生から御寄贈いただいた桜が美しい花を咲かせています。
 先日そんな満開の桜のもとで、3年生のあるクラスが校舎をバックに卒業アルバム用の集合写真を撮っていました。卒業アルバムのクラス写真は、各クラスから選出されたアルバム委員会の活動が始まってから、6月頃に撮影するのが恒例、初夏の緑が美しい写真となります。しかしこのクラスは、新学期早々、見事な桜を背景にした独自のクラス写真を撮ろうと考えたようでした。彼らの「してやったり」の心の声が聞こえてきました。
 アイデアを出した生徒とそれに応じたクラスの他のメンバー、そして担任の教員。それぞれが進路実現に向かわねばならない3年生のスタート時に、このアルバム写真撮影はひとりひとりの覚悟と、クラスの結びつきをより強いものにしたことでしょう。高校生は“アルバム”さえも「進行形」にしてしまえるのだと少し羨ましく思いました。

 さて、堀川高校では平成11年に入学した一期生から、それぞれの学年のテーマを「ことば」として持ち、「堀川高校物語」を紡いできました。

 1期生はパイオニア、すべての道を拓いた。
 2期生はその道を広げ確かなものにした。
 3期生はそこを通って可能性の荒野を見出した。
 4期生は道や野に木を植えた。
 5期生は木々に憩い野を駆ける若き狩人。
 6期生は風。さわやかに吹きわたる。
 7期生はしずく。道や野を、人を潤し、川となって海に注ぐ。
 8期生は大地。可能性をたたえる土壌。
 9期生は光。ひろがり、あつまり、自ら輝き、他を照らす。
 10期生は炎。いのちと永遠を見つめるフェニックスの炎。
 11期生は芽ぐむ。大地からまっすぐに若緑の芽を出す、初々しいいのち。
 12期生は根っこ。高みをめざして、心の根、自分の根を深く確かに。
 13期生ははがね。しなやかでつよい心と、凛とした、まっすぐな意志。
 そして今年、平成24年度入学の
 14期生は花。このつぼみ、きっと咲かせる、いつか咲く。

 「それぞれが、強く、美しく、誇り高い自分だけの花を咲かせることを誓います」14期生「花」の学年の決意です。

 今日はもう花吹雪。新たな堀川の物語はしっかりとスタートをきりました。

                          ・・・ 川浪 重治 ・・・

「範」

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 「範」
 4月1日、堀川高等学校長に就任しました川浪重治です。
 前任の荒瀬克己校長は、京都市立高等学校パイロット校としての新しい堀川を、教頭として5年、校長として9年、我々の先頭に立って牽引してくださいました。
 私は平成10年度開設準備部に席を置き、平成17年度からは教頭・副校長として荒瀬校長のご指導の下、生徒・保護者の皆様とともに、この堀川の学校づくりに取組むという経験をさせていただきました。
 堀川は「自立する18歳」を最高の教育目標に据え、「探究活動」や言語能力の育成を大きな柱にして生徒を育てています。荒瀬校長も学校の中での言葉を、そしてそのやりとりを何より大切にしていらっしゃいました。
 そのような取組みについて全国のさまざまな方々が関心をお持ちくださり、モデルとしてそれぞれの教育活動の一部に活用いただけていることを、大変有り難く存じております。同時に、そのようなある意味「範」ともお認めいただけるような堀川高校を引き継いだことに、真実身の引き締まる思いを致しております。堀川の真髄を変わらず保つために、私たちがさらに変化していくことを謙虚に追究していかなければと考えます。
 私も荒瀬校長の残して下さった財産を「範」とさせていただきます。そして教職員・生徒たちと力を合わせ、また卒業生・保護者・関係の皆様のお力添えを得て、堀川高校の一層の進化・深化のために全力を尽くして任にあたることをお約束いたします。
 今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
 
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行事予定
6/13 球技大会
6/15 LHR:2年薬物乱用防止教室
6/16 PST
脳週間講演会
3年保護者会
京都市立堀川高等学校
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