最新更新日:2024/09/20 | |
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自分探しをコントロールする
年末にあたりましてごあいさつ申し上げます。
自分との折り合いに苦しむ仲間に伝えたいことを書きたいと思います。 自分との折り合いとは欲望とのたたかいといった面もあります。人間の欲望の典型は「嫉妬」です。欲望は主体的に生産することはできません。大概は外からの影響です。極端に言うと,他人から盗みます。その結果としてライバルを設定したりします。「負けず嫌いな人」とは実はたくさん嫉妬できる「努力家」のことです。戦国武将をはじめ,偉大な政治家,究極のアスリートのモティベーションの一つも嫉妬ではないかと思います。しかし,自分の正しさをいかなる場合にも主張するタイプの人,設定したライバルに勝つことに喜びを見出し,議論を吹っ掛け,目立つことを好み,権力や勝負を好む人となると少し異なります。ライバルを持てる,ライバルとなりえるのは能力があるということです。他人を気にするよりもまずは自分自身を充実させ,目標を明確に具体化して挑戦することがはるかに重要といえます。逆に妬みも攻撃性もない人は欲望を持ちにくいとも聞きます。嫉妬自体を否定せず,欲望を目標に変えることでみんな苦しい思いをします。 自由な社会では自由に自分を選べという課題(自分探し)も科せられます。自分探しも決して見つからないのが普通です。就活メディアは夢は無限大で際限のない自由であるというイメージを拡散すれば儲かって得をするのであまりあてにしない方がいいのかもしれません。私が私であることに苦しみ,自分を見失っている状態になると,過去の記憶に苦しめられます。過去は変えることが出来ないが,未来は変えることが出来る。この金言は自分を見失っている状態にはかえってきついと思います。過去は変えることが出来ないので,後悔の思いを引きずります。しかし,未来から過去を見たときに,過去の事実は変えられなくとも解釈は変えられると思います。今ここで苦しむのは,未来に苦しまないためだと考えるべきです。未来に押しつぶされないために,なりたい自分を見つけるために未来に進もうとしている自分のイメージを完璧でなくても作り上げようと,とりあえず未来に進んでみる。そんな「手探り」を行っては戻りつつもまた行ってみる。その苦しさに耐えることを私どもは見守っていきます。 良いお年を 学校長 恩田徹 |
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